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モテモテの道は大学の授業から始まる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:apisuto(ライティング・ゼミ)

 
 
「大学で週1回、授業しています」
 
というと、大体「わー、すごいですね」「かっこいい」「1回、授業を受けてみたいです」といった声が返ってくる。
 
そのとき、私はきまって「いやいや、そんなことないですよ」と返事をする。すると「またまたご謙遜を」と返される。
 
あまり否定をすると、嫌みになってしまう。なので、その後は、「えへへ、そうですかね」と苦笑いをして終えてしまう。
 
しかし、私は声高らかに叫びたい。「私はダメダメな先生だ!」と。
 
大学では学期末、授業の満足度を尋ねる学生アンケートを実施する。結果は、5段階評価だと3がほとんど。自由記述の欄でも何も書かれていないことが多い。いわば、可もなく不可もなく、印象に残らない授業なのである。
 
居眠りされることは日常茶飯事。いすを3つ並べて教壇に立つ私に見えないように上手に隠れて寝ている学生を見つけたときは思わず感心した。お菓子を食べながら、音楽を聴きながら、というのも一度や二度ではない。
 
そう考えると可もなく不可もなく、というよりはむしろダメダメな授業である。
 
大学の先生は、小学校、中学校、高校と違って、教員免許がなくても教えることができる。教育実習ももちろんない。
 
大学時代にどんな授業をしていたかなぁと思い返しても、その当時、大学の先生になると思って受けていたわけではなかったので、思い返そうにも思い返せない。
 
大学の先生になった先輩に、授業をうまく進めるコツを聞いてみたけれど「みんなが主体性をもって感じられるようにする」「ちょっと頑張っている先輩を紹介する」「前回の授業のふりかえりをする」といった抽象的なアドバイスが多くて、具体的に何をしたいいのか見当がつかなかった。
 
学ぶ楽しさや調べる面白さ、現実社会と大学での学びがつながる瞬間……いろいろなことを体験してもらいたいという思いはあるのに、目の前の学生は眠るか携帯をいじり出すばかり。それを見て私は「ああ、やっぱり面白くないんだ」と気持ちだけが焦り、空回りを繰り返す。
 
このままだと目の前の100人近い学生が全員寝ちゃうんじゃないか、と不安に感じた私は立ち上がった。
 
学生が授業に興味を持ってもらえるようにまず私がしたこと。それは学生に気に入られる、ということだ。そのために、学生に理解のある、優しい先生として振舞った。
 
学生がタメ口で話して来たら、距離を縮めるために私もタメ口で返した。
 
授業中に、途中退出する学生がいたときは、「きっと何か事情があるんだろう」と注意せず、見送った。
 
携帯をいじっている学生がいたときは、他の人の迷惑にならないし、携帯で何か緊急に連絡が取りたいのかもしれない。だから、そっとしておこうか、と何も注意せずにいた。
 
こんな感じで、できるだけ学生が嫌がるようなことはやめて、好かれようと努力した。その結果、どうなったのか……。
 
おそらく学生に嫌われることはなかっただろうと思う。だけれど、好かれもしなかった
おそらく私はナメられていた。
 
「あの先生は、携帯いじっていても怒られないよ」「だったら、ちょっとくらいおしゃべりしていても大丈夫なんじゃない?」
 
学生の態度は段々とエスカレートしていった。私が前に立って、どんなに注意をしても最初のうちは「はい、はい~」と調子よく答えるが、すぐにガヤガヤしだす。
 
私はすべてを放任で許しているわけではなく、携帯をいじったり、途中退出したりするのには何か事情があるんだろうと察して黙認をしていただけで、なんでもかんでもOKしているわけじゃないんだぞ! 怒りがフツフツとわいてきた。
 
しかし、そんなことを学生の前で直接、言ったわけではない。だから学生はガヤガヤを続ける。
 
そこで私は方向転換をした。優しくするのはダメだ。そもそも先生と学生は立場が違うのだから、もっと距離感を持った方がいい。
 
ということで、一転、距離を置いてみることにした。ため口や途中退出、携帯は厳禁。学生とあまり仲良くならないために、学生の名前もほとんど覚えなかった。
 
その結果、「注意しよう」ということばかりに気が向いてしまって、授業をしている私自身が楽しめていなかった。教えている方が楽しくないなら、もちろん、学生にとっても楽しいものではない。学生の名前もほとんど覚えていなかったら、40人が1まとまりのクラスとしてしかとらえられず、1人1人がどんな表情をしているのか、どんなことを気にかけているのか、よくわからないまま1年間過ぎていった。
 
なかなか、うまくいかない。当時の私は仕事も、そしてプライベートも行き詰っていた。
 
え、プライベート?
 
そのとき、私は好きな人がいた。だけれど、なかなか振り向いてもらえなかった。頻繁に電話やメールのやりとりは続いていたし、彼からの頼まれごとには、自分がどんなに忙しくても嫌な顔をせず、引き受けた。
 
そして、その人が参加する飲み会には、いつも隣の席に座って、ボディータッチも増やし、どんなに遅くなってもその人が帰るまで飲み会に参加をし続けた。相手も30代前半。臆病な私は、告白こそしなかったが、「いいかげん察してくれよ」と思っていた。だけれど、相手はなかなか気づかない。
 
そんな状況にイライラをした。友人からのアドバイスで、彼とはほとんど連絡を取らないことにした。何か頼まれごとをされても「いやいや、自分でできるでしょ。ご自身でやってください」と突き放すこととした。すると、ほとんどなかった彼からの連絡が、まったくなくなった。そして、知らない間に彼女ができて、私とのやりとりも自然消滅してしまった。
 
ふりかえってみて、「仕事もプライベートも同じことをしているやん」と私は思わず自分に突っ込んだ。そして気づいた。私は極端な性格なのだということに。「こうだ」と思ったら、思いっきり振り切る。白黒はっきりさせないと落ち着かいない。
 
恋愛でも仕事でも「かけひき」ができないタイプなのだ。「かけひき」というと、マイナスなイメージを持つかもしれない。しかし「かけひき」は相手のことを考えているからこそ成り立つ。それが悪女であれば、相手を追いつめることになるし、モテモテ女子であれば、相手の気持ちに寄り添うことになる。
 
そこに気付いた私は、モテモテ女子ならぬモテモテ先生を目指してスタンスを変えた。自分が学生だったら、先生に何をされたら嬉しいだろう、と考えた。
 
最初に思ったのは、自分の名前を覚えてもらったらうれしいなということだった。そこで、授業のはじめに全員の学生の写真をとって一覧にした。授業中も終ってからも、一生懸命、名前と顔を一致させるように努力した。そして、間違えてもいいから、「〇〇さん」と積極的に声をかけるようにした。
 
次に思ったのは、偉そうに理不尽に怒られるのはいやだな、ということだった。携帯をいじったり、おしゃべりをする学生はどんな場面でも出てくる。そこを黙認するのでなく、そして、すぐにカリカリ怒るのでなく「なんで、そんなことをしているの」と聞くようにした。学生がその理由を話すことで、自覚症状が芽生える。そして一対一で対応をしてくれているのだな、という信頼感が生まれているような感じがする。
 
おかげで今年の4月から始まった講義は、受講生の反応もいい感じだ。受講生の一人からは「他の授業と比べてこの授業は好き」という声があがったときは「やったーーーーー!と飛び跳ねるほど嬉しかった。
 
さて、次はプライベートを充実させるタイミングだ。モテモテを目指して、まずは相手の視点に立つことから始めよう。
 
 
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2017-05-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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