メディアグランプリ

ビンタができる女性になりたいのです


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記事:前岡舞呂花(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
ビンタができる女性になりたいのです。
ビンタだって暴力なので、控えるべきなのは承知しています。
そうではなくて、
傷ついたときや、失望したとき、いざというときに
瞬間的に感情を表現できるその感じに憧れるのです。
 
当の私は、ビンタどころか、怒ることもままならない。
温厚だと言われればそうなのかもしれない。
それでも、心がざわつくことはあります。
でも、その気持ちは言葉にも行動にも昇華されることがないまま。
私は栓の空いた浮き輪を抱き込み空気を抜くように、
ざわついた気持ちがじわじわとしぼんでいくのを待ちます。
 
例えば、こんなことがありました。
高校の時に好きだった人に、大学に入ってからごはんに誘われて、
一回目のデートで付き合うことになりました。
突然のことで、付き合ってくださいと言われてびっくりしたけど、
好きだったので、ノータイムで返事をしました。
その後に言われた、一言について。
「ありがとう! 彼女欲しかったんだよ!」
 
……ん?
 
心の隅っこのほうで、もやもやした気持ちは生まれました。
でも私は、それを言語化できなかったので、相手に伝えるすべもありませんでした。
とりあえず、もやもやは心の隅に押し込め、楽しくお喋りして、
その日は、これからよろしくと言って別れました。
 
後日、付き合った報告と共に、まだ残る違和感を友人に話し、
「それありえなくない!? プライド傷つく。私だったらビンタしてるね!」
と噛みつかんばかりに言われたときの、ストーンと腑に落ちた感じといったら。
やっぱり、誰でもいいってニュアンスだったよね!
確かに! あれってビンタするところだったのか! と。
彼女と話してようやく、
好意を逆手に取ったデリカシーのない彼の発言によって
自分は傷つけられたのだと理解しました。
結局彼とはすぐに別れたのですが、
つまり私は、自分の負の感情に鈍いのです。
 
周りからはポジティブだと評されることが多いですが、
実際には、ネガティブな感情に鈍いだけなのです。
 
あそこでビンタしていたら。
それは無理かもしれないけど、
せめて、傷ついたという気持ちだけでも伝えて、
その場で何らかの話し合いをしていたら、
もやもやした気持ちを引きずらなくてもよかったかもしれない。
この性格で、損していることが多いと感じるようになりました。
 
だから私は、いざというときにはビンタができるくらい、
ぱっと、自分の気持ちに気付ける人になりたい。
 
こう決意するエピソードは、2年前の話。
そして、今の私は、目標に少しずつ、近付いているような気がしています。
実は毎日トレーニングしていたことに、最近気付きました。
 
そのトレーニングとは、日記です。
 
そのような効果を期待して始めたものではなかったのですが、
日記をつけることが、私を、ビンタができる女性に近づけている確信があります。
 
日記をつけ始めたのは、2年と少し前からです。
きっかけは、父から万年筆を貰ったこと。
早速、万年筆は毎日使うことが望ましいと知りました。インクの出が悪くなるためです。
しかし、ペンで書く機会は、大学で講義のメモを取るくらいしかありません。
私の貰った軸の太いプラチナ万年筆は、渋く男性的でかっこいい。好みです。
でも、みんなの前で使うには目立ちすぎてしまうような気がしたのです。
 
そこで、プライベート空間で綴る「日記」のために、万年筆を使うことにしました。
それまでは三日坊主だった日記も、
万年筆を使いたいというモチベーションから継続でき、ついに習慣になりました。
 
始めは日記の中でも私は、ポジティブに見えることばかり残しています。
例の彼の失言の件も、日記帳の中には見当たりません。
どう書けばいいかわからなかったから。
ところが、バイト先の先輩に理不尽に怒られたと感じたある日。
その日は、もやもやした感情をそのままに持ち帰り、日記帳に綴りました。
理不尽に怒られたと感じたことを文字に起こすことで、
そうそう、そうだよ! やっぱり理不尽だよ!
と自分の気持ちに自信が持てるようになりました。
書いた後には、すっきりした気持ちが残りました。
そこから、日記を書くことは私にとって、ストレス発散の手段にもなったのです。
 
もやもやを文字に起こす過程で、自分の中の感情を整理する必要があります。
その過程が、気付かぬうちにトレーニングになっていました。
だんだんと、日記帳に向かわなくても、
もやもやを頭の中で整理する癖が付いてきたからです。
解決しなければならない問題だと感じれば、相手に伝えることもできるようになりました。
これは自分にとって大きな進歩です。
 
まだ整理するのには時間がかかります。
話題が変わるころに、
ねえ、さっきの発言やっぱり気になるんだけど……
と意を決して言うといった感じです。
 
もっとトレーニングを詰めば、このタイムラグがどんどん短くなるはずです。
コンマ1秒で反応できるようになったとき、
私はいざというときにビンタもできる女性になっているはず。
これからもトレーニングを続けます。
 
 
***

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2017-06-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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