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私が福岡天狼院を気持ち悪いと思ってしまった理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高浜 裕太郎(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「うわっ、何これ? 気持ち悪……」
 
率直な感想だった。何を見ての感想かって? 福岡天狼院の入り口の扉に書いてある文章を見ての感想である。
 
「どなたもどうかお入りください」
「決してご遠慮はありません」
 
と書かれている。どれくらい気持ち悪いかというと、私が初めて福岡天狼院を訪れた時に、この文章を見て、「やっぱりここは来るべきところじゃないかもしれない」と思った程だ。
 
では同時の私は、なんで気持ち悪いと思ったのだろうか。改めて、考えてみた。
 
入り口の文章と似たような文章は、どこかで見た覚えがあった。その時は思い出せなかったが、宮沢賢治の『注文の多い料理店』に出てくる文章だと後から気づいた。
 
『注文の多い料理店』は、宮沢賢治の児童文学短編集に収録された作品である。少し作品について触れる。
 
2人の若い紳士が、山奥で西洋料理店を見つけ、中に入った。そこで、店側から奇妙な注文ばかり受けた。2人の若い紳士は、その注文に対し、もっともらしい理由をつけて納得していたが、ある注文を境に、「ひょっとして自分たちが食べられるのではないか」ということに気づいた。紳士たちの察する通り、このレストランは、入った人間を食べるレストランだったのだ。
 
私は、この作品を決してハッピーエンドとは思えない。むしろ、バッドエンドだと思う。そして、西洋料理店のガラスの引き戸には「どなたもどうかお入りください」「決してご遠慮はありません」と書いてあるのだ。
 
私は福岡天狼院の入り口を見た時、この文章から、無意識のうちに、このバッドエンドを想像したのかもしれない。だから、気持ち悪いと思ったのだと思う。
 
気持ち悪いと思った理由は、まだある。私は、福岡天狼院の入り口にある文章を見た時の気持ち悪さを、以前どこかで感じていた。『注文の多い料理店』とは別に。
 
それは、ブラック企業の求人である。ブラック企業とは、労働者に対して極端な長時間労働やノルマを課したり、賃金不払い残業やパワハラが横行していたりする企業のことである。そして、私が考えるに、ブラック企業ほど人が足りていない。
 
これは私の考える、ブラック企業が出す求人票の特徴だが、やたらと「大歓迎!」だの「経験不問!」だの「学歴不問!」だの書いている。おそらくこれは、深刻な人手不足からくるものだろう。入社後3年以内に辞める人も、結構多いらしい。
 
この「誰でもウェルカム!」な雰囲気が、かなり怪しいと思う。そう考えると、福岡天狼院の入り口の文章も、かなり怪しい。普通、書店の入り口にはあんな文章書いていない。
 
入り口の扉には書かれていないが、「成長」や「人生を変える」といったポジティブなキーワードもかなり怪しい。私が見る限りだが、天狼院書店のページには、やたらと、この類のワードが出てきている気がする。福岡天狼院の階段付近にも、似たようなワードが書かれていたような気がする。
 
ブラック企業の求人票にも、似たようなことが書かれている。あるサイトによると、ブラック企業の求人票の特徴として、根拠も無く、やたらと「夢」や「感動」「成長」といったワードが出てくるらしい。この点でも、天狼院書店とブラック企業は似ていると思う。
 
では、そんなブラック企業に似ている福岡天狼院に通いだしてから、私は酷い目にあったのだろうか。『注文の多い料理店』みたいに、命の危険を感じたことは無い。いわゆるブラック企業のように、自分の時間を奪われている感覚も無い。むしろ、私にとって良い変化が起き始めているのではないかと思う。
 
この書店に通いだし、ライティング・ゼミを受け始めてから、「文章を書く」という毎日の日課ができた。本を読むことが、前よりも好きになった。自分でも気づいていない、新たな趣味に出会えそうな気がする。悔しいけれども、私にとって「成長」を感じる瞬間に立ち会うこともできた。
 
だから私は、天狼院書店は一見するとブラック企業のように見えるけれども、根拠無く「夢」や「成長」を言う組織じゃないと思うのだ。上手くは説明できないけれども、きちんとして根拠があって、ポジティブなワードを使っているのだろう。
 
「どなたもどうかお入りください」
「決してご遠慮はありません」
 
入り口のこの文章は、おそらく「誰でも成長をすることができますよ。だから、どなたでもお入りください」という意味なのだろう。きちんとした根拠のもとで、あなたも成長できますよと言っているのだろう。
 
警戒する程怪しい書店だったのだが、私が自身の成長を感じている以上、この書店を信じないわけにはいかない。一見するとブラック企業のように見えるけど、私はこの書店を信じて、この書店で成長していきたい。
 
 
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2017-07-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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