メディアグランプリ

努力で重要なことはコンパス


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:中村響(ライティング・ゼミ 日曜コース)
この物語はフィクションです。

 
 
「いいなあ、努力が報われて」
クラスメイトが表彰される。
私はこの同級生が、
心底うらやましかった。
小学生の時、
夏休みの後にあった全校集会だ。
「何をどうすれば、表彰されるんだろう?」
疑問で仕方がなかった。
この時、私はまだ努力の仕方を知らなかった。
当時の私に教えてやりたい。
「努力はどこに向かうのかが一番大切だ」と。
後にこのコンプレックスは、
「市場で鍛えられた、講座で学ぶ」ことで解消される。
音楽発表会、美術大会、読書感想文。
全て取り組んだのに、
どれ一つとして私の名前は呼ばれない。
「夏休みに、あんな大変な思いしたのに。不公平だ」
偽らざる、私の本音だった。
集会から十数年後。
「何をどうすれば、掲載されるんだよ」
半ばヤケ気味になりつつ、筆を進める。
講座を始めて2カ月。
すでに4回連続で落とされている。
この講座は1週間ごとに2000字の作品を投稿する。
一定以上の質で、webでの掲載が出来る仕組みだ。
「いや、書いちゃいけない話題あるんかい」
トピックの選択で落とされ。
「上から目線って、そんなつもり微塵もないんだが」
サービス視点の欠如で落とされ。
「読みにくいって何でだよ」
リーダビリティの欠如で落とされ。

「疲れた」
ぶん投げる一歩手前になっていた。
「もう今日はいいや」
ゴロンと布団に横になる。
だが、諦めない。
何故なら確信があるからだ。
「1歩目は間違っていないはず」
私はこの講座を受ける前、
とある語学学校に通っていた。
「中村さん。ドンドン出来るようになってますね」
そこは生徒が「出来る」ようになることを重点に置いていた。
お客さんと関わるうちにそうなったという。
「ここの指導にきちんと乗っかろう」
そう決意して取り組んだ。
中、高、大と苦しめられてきた英語だが、
そこでは望む結果を、
手に入れることが出来た。
「今回もちゃんと、市場で鍛えられた講座だから、
間違ってはいないはず」
私は昔からスキルの習得において、
努力の方向性をはき違えてきた。
特に学校での部活はトラウマとなっている。
「量が全てだ!!」とのたまう顧問。
量の前に正しいフォームを教えてくれ。
「とにかく筋トレだ!!」
筋肉で全てが解決できりゃ世話ねえよ。
ひたすら量をこなした結果、
市内大会の3回戦が最高成績。
「まあ、皆頑張ったからな!!」
挙句、結果は不問かよ。
折に触れて、独力でのスキル習得も試みたものの、
非効率極まりないことが分かった。
「まあ、この失敗もあっさり解決されるんだろうなあ」
楽観的になりつつ、その日は寝ることにした。
翌日、講座のスタッフから、
フェイスブックの投稿があった。
「講座も進んできたので、
皆さんの投稿でつまずくポイントをまとめました!!」
「って最初から言ってくれよおおおおおおおおお!!」
私は投稿を見て、絶叫していた。
さすが、受講生を見続けてきただけのことはある
素晴らしい対応!!
「けど、なんで4回も落ち続けた後なんだよ!!」
突っ込みながら、投稿を印刷する。
せめて基礎をやってから投稿の添削を開始するか、
あらかじめリストを配るとかした方が、
よかったんじゃなかろうかと思う。
「そうすれば無駄に落ち込む必要なかったのに」
それ以来、
気になったフェイスブック上の投稿は、
印刷してファイルした。
それを投稿前のチェックに使うようになった。
また、落ちた理由も自分なりに考えた。
考えた内容をスタッフにも質問した。
「すごい。しっかり質問返ってくる」
市場で鍛えられていれば、
この位普通なのだろう。
こうして、少しずつノウハウを貯めていった。
5、6回ほど投稿したある日。
「通った」
一抹の不安はある。
本当の実力なのか。
しかし、嬉しい。
自分の作った物が、評価される。
「よし、次書くか」
単純なものだが、嬉しいのだ。
「出来る」という実感が、
モチベーションになる。
しかし、そううまくいくものではない。
「また、通らなくなった」
4週続けて落ちたのだ。
「はて、今度は何だろう」
スタッフからのアドバイスを見ると、
「リーダビリティが低くなっています」とのこと。
私は落ちた文章と合格した文章の見直しをした。
「げっ。こんなに違ってたのか」
比べてみるとよくわかる。
単純に1行の文字数が多い。
説明するための文が6、7行続いている。
結論が前にない、などなど。
「今回の教訓はノートにまとめるか」
そうして私は自分なりの「虎の巻」を作った。
文章を書く時の条件は、
数字を使って書いている。
「さて、まとまったし、次を書きますか」
それから2週連続で、
投稿は合格した。
そのうち1作は審査の厳しい店長が、
共感してくれたらしい。
「ついにやったぞおおおおおおおお!!」
壇上に上がるために、
努力出来る自分になったのだ。
一時の物でない、
再現性のある実力が付いたのだ。
喜びに体が震えた。
「努力で重要なものはコンパスだ」
結局、努力は正しい方向に進めるかが一番重要だ。
そして、それは「市場」の洗礼を受けた人たちが知っている。
何か「技能」を身に付けたいと思ったら、
そんな場所を探すべきだ。
答えはそこにある。

 
 
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2017-07-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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