メディアグランプリ

ライティング・ゼミで知った性感帯


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:おぬ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
ライティング・ゼミの存在を知ったのは、朝の情報番組だった。
近頃変わった本屋が増えている、という特集だったと思う。
そこに天狼院書店が取り上げられ、ライティング・ゼミが紹介されていたのだった。

2年前から、仕事でFacebookページの更新を任されるようになった。
更新を始めてしばらくして、同僚や他部署の上司から「あのFacebook、君が更新してるの?おもしろいね」と声をかけられることが何度かあり、ふと思い出した。

そういえば、小学生のころから、作文だけは褒められていた。
高校時代、唯一課題を苦に思わなかったのも、小論文だった。
たまたま任された業務をきっかけに、忘れかけていた自分の「得意でなおかつ、好きなこと」を思い出したのだった。

そんな矢先に、TVで偶然目にしたライティング・ゼミの存在。
仕事に行く前、化粧をしながら何気なく眺めていた画面に釘付けになったのを覚えている。

そう、
今、
私がしたいのは、
これ。

自分の中のもう一人の自分が、急かすように肩を揺さぶっていた。

急いで支度を終え職場へ向かい、デスクにつくとすぐに天狼院書店のホームページを開く。
結局、午前中の業務はほとんど放り出してホームページを読み漁り、その日のお昼休みにはPaypalでの支払いを終えていた。

職場のFacebookを更新するようになって、褒められることもあったけど、この程度ならもっと上手に書ける人がいるかもしれない。書くことのレベルをもっと上げたい。何となく漠然とそう思っていたところだった。

ライティング・ゼミの受講を申し込んだ時点で、私はもう「こと」を成し遂げたかのような気になっていた。まだ何も始まっていないのに、すでに自分のライティングスキルが向上したかのように、気分はすっかり高揚していた。

メディアグランプリに提出した課題が、バズを起こしちゃったりして。
いや~有名人になったら困るから、名前はペンネームにしておこう。

などと、何の根拠もなくうぬぼれていた。
お察しのとおり、現実は全く違った。
そもそも、課題を毎週提出するということがまずできなかった。
ネタがない。
仕事なら、発信しなければいけない情報はそこら辺に転がっているが、自分自身のこととなるとそうはいかなかった。
自分の薄っぺらさに頭を抱えた。

そして、課題が承認されないかもしれないという恐怖。
今になって思えば、本末転倒も甚だしいが、出しても出しても課題が承認されない事態に陥れば、きっと私は立ち直れない。
私の人生で数少ない、他者から褒められたという経験。
それが、文章を書くことだったのに。

結局仕事が忙しいことを口実に、課題を提出したのは3回だけだった。

それでも全ての講義が終わった今、書くことへの気持ちはゼミを受講する前よりもずっと高まっているように思う。
無駄なプライドのせいで、フィードバックをもらえるチャンスは台無しにしてしまったけれど、ゼミを通して自分の中にたまったものを、文章として吐き出すことの快感を覚えた。

難しいのは、ただ吐き出せばいいのではなく、読む人の存在を考えて文章にすること。
読む人が、気持ちいいと思えるような、もっともっと読み進めたいと思えるような、そんな文章をつづること。

そしてそれは、いかにして読者の性感帯を文章で刺激するか、ということだと考えるようになった。
決して性的な言葉を用いたり、表現をしたりということではなく、読み手の気持ちいいと感じるところを「ちょんちょん」とつつけるような、そんな文章を生み出すこと。
これができたらどんなに楽しいだろうと思う。

写真は、シャッターを押しさえすれば誰でも撮れる。
ピアノは、鍵盤を叩きさえすれば誰でも音を出すことができる。

けれども、現像された写真や、奏でられた音楽は、人によってその表情が全く変わってくる。

それは、言葉や文章も同じだ。

日本で生まれ育った人なら、誰にでも通じる日本語。
使っている言葉は同じでも、それが口から発せられたとき、また文章になったとき、その人の個性が現れる。会ったことも話したこともない相手でも、きっと文章一つで相性がわかる。

こんなにも、「書くこと」について考えたことは、今までの人生でなかった。
こんなにも、「書くこと」が気持ちいいことだなんて、知らなかった。
そして、こんなにも「書くこと」で誰かを気持ちよくさせたいだなんて、考えたこともなかった。

今の私はまだまだ誰かを気持ちよくさせるレベルまで到達していないけれど、その目標を持てただけでも大きな成長だと思う。

冷房で冷え切った身体でつかる湯船。
美容院でしてもらうシャンプー。
大好きな人と、手と手が触れあう瞬間。

気持ちいいと感じる感覚は十人十色だけど、私の書いた文章が、私の個性が、いつか誰かのその感覚を呼び起こすことがあるかもしれない。

そんな妄想をしつつ、課題提出から解放された私は、今日も書くことに思いを巡らす。
ライティング・ゼミで知ってしまった快感は、ランニングハイならぬ、ライティングハイ。

あの日、私の肩を揺さぶったもう一人の自分の声に従ってよかった。

 
 
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2017-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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