メディアグランプリ

「好き」をいうことが怖いひとへ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:チオリ(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「このお猪口、彼が集めたんだけど、もう処分しようかと思っているから好きなのもっていいよ」
古い友人が彼と一緒にすむことになった。
そのお宅で、
私ともう一人の女性Yちゃんが、20個ほどある素敵なお猪口のコレクションを前にして、
いろめきたった。
 
Yちゃんは料理好き。
私は料理は普通だが、器好き。
 
切子や伊万里や漆塗りのめずらしいお猪口たちが並んでいるなかで、
「わたし、これほしい。いいですか?」
とYちゃんが言った。
 
「どうぞどうぞ」
そういったものの、やっぱり私も欲しかったことをはっきり気が付いてがっかりした。
 
小さいころから、お友達と何種類かのおもちゃを分け合う、とか
お菓子を分け合う、とかいうとき、真っ先に
「これがいい!」
とは言えないタイプだった。
 
心の中では「これがいいなぁ」って思っている。
しかも、一瞬でこころは決まっている。
なのに言えなかった。
 
私が好きだと思うものが、他の人に選ばれませんように、
そう願いながらじいっと自分が言いだせるタイミングを待つ。
 
でもほとんどの場合、自分がほんとうに欲しかったものは他の人の手に渡ることになった。
 
それが理由かもしれない。
他人と競合しないように、自分の好みの方を変化させたような気がする。
 
ちょっとマニアックな洋服とか。
いわゆる一般的な「モテ」みたいなテイストからは、おのずと遠ざかる。
一風変わった人が好きとか。
なかなか面倒な思いもしてきた。
 
自分は変わった好みだ、と思い込んできたけれども
幼少の頃になかなか自分の本心がいえなくて手に入れられなかった悲しさから、
次第に本心への認識を鈍らせてきたのかも知れない。
 
そう思うようになったのは、ライティング講座に通い始めてからだ。
最初はただただ、書くことが新鮮だった。
そのうちに、周りの人が書くことに圧倒されて、自分は何を書いていいのかわからなくなった。
そんなときに友人が言ってくれた。
「あなたが書いたものは、ああ、らしいなって思うよ。わたしはそれがいいと思うよ」
って。
 
その言葉に心底、救われた。
そしてこう思った。
自分は自分でしかなくて、誰かの文章は書けない。
だけど、私が書くものは、つたないけれども、私しか書けない。
ただ、それだけのことなのかも知れない、と。
 
そこから変わった。
 
自分と向き合うしかない。
そこで感じた壁は主に3つ。
 
ひとつ目は自分の情報をさらすこと。
ふたつ目は自分の考えをさらすこと。
みっつ目は自分が本当にいい、と思っている感覚をさらすこと。
 
もともと恥ずかしがりやな上に、人にあまり自分の情報を話してこなかった私が
ウェブ上で流れるかも知れないものに情報を出すことに勇気が要った。
でも、具体的な情報で話をすすめないと、私は書けなかった。
だから、それはもういいや、と思った。
 
自分の考えも、できるだけ言わないで済むように逃げてきた方だ。
自分の無知や考えの浅さをさらすのは恥ずかしいし、
思いもよらぬ形で人に嫌な思いをさせていたらなどと考えていた。
でも、それも、避けられるわけないし、もういいや、と思った。
 
そして最後の、「自分はこういうのがほんとうにいい」、と思っている感覚をさらすことが
最も勇気が要った。
「好き」の核心だから。
 
一番すきなものを好き、と求めることは怖かった。
それが得られなかったときのショックは怖かった。
得たところで、失うことも怖かった。
 
小さなころの、小さなトラウマ。
 
好きといえないどころか
好きだと認識することさえ、怖くて避けてきた。
 
好きなものに近しい何かを探して、それで満足しようとして
本当にすきなもの周辺をウロウロしていた。
「いや、もしかしたら別ものもが好きかもしれないし」と
以外、のことを試して「これはないな」を確認してばかりだった。
 
一事が万事。
仕事も、物も、人間関係も。
 
でも。
 
自分の好き、を素直に書こう、そう思って向き合うと
本心のまわりにあった、モヤモヤが次第に晴れてくるようだった。
 
自分の情報、
自分の考え、
自分の「いいと思う」、
 
に向き合う。
 
自分がいかに真ん中を避け続けていたかを実感した。
ほんとうに遠回りをした。
自分の本心をまっすぐに見ずに、自分の本心のとおりにやってこなかったから、
ずうっとずうっと手ごたえがなかった。
 
書くこと。
そしてそれは読んでもらえるようなかたちへの指導をしてもらって初めてアウトプットできるのだけど、
 
こうしてはじめて得られたこの感覚。
 
この4カ月はとても贅沢な時間だった。
究極におもしろいものに出会ってしまった。
ライティング沼。
お金はかからないかも知れないけど、これからもずぶずぶと時間と労力を費やしてしまいそうだ。
 
 
***

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2017-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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