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タイムマシーンに乗ってカオスなインドを楽しむ方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:津福 史恵(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「頭痛い、気分悪い……」
私は上海の空港でうなだれていた。
今からインドに向かう旅の道中。現地に到着する前に乗り継ぎの空港ですでにダウンしていた。
これから行く現地の方がもっと過酷だろうに、ここでこんなに気分が悪かったらこの先どうなるんだろう。
不安でいっぱいになりつつ、搭乗口の待ち合い席に横になって休むしかなかった。
インド=普通の海外じゃない、という先入観。インド=お腹を壊す、という前情報。
どうしても不安にならざる得ない海外旅行。
旅行好きの人からすれば、海外旅行なんて、日常からの逃避行。
日頃の仕事からの開放。
至福のひととき。
なのに、なぜか自ら希望して行く旅行なのに、さほど心躍らず、不安が募るばかり。そして緊張から、前夜はよく眠れずに出発当日を迎えた。
 
そもそも準備の段階から、いつもと違った。
普段持っていかない「下痢止め」も準備した。
トイレットペーパーも1ロール準備した。
普段持っていくようなお気に入りの服、ちょっとキレイな下着はわきに置いて、汚れても凹まないような服を準備した。
いつもと違う準備をしていた。そんな風に備えていることに対しても不安があったと思う。
 
空港のカフェで大好きなミルクティーも飲むことができず、ただ休むことしかできなかった。下痢止めや正露丸は持っていたのに、頭痛薬は持っていなかった。
搭乗前に最高潮に気分がわるくなり、トイレで嘔吐した。
すると、さっきまでの気分の悪さはうそのように消えてなくなり、すっきりした状態で飛行機に搭乗できた。搭乗口に並ぶターバンを巻いたインド人たちに少し心躍った。夜出発のフライトだったので、機内でしっかり睡眠をとって無事インドに降り立った。
 
空港まではインド感を感じることはなかった。逆に、国内線への乗り継ぎで、航空会社のカウンターに行くまでの出入口でパスポートと搭乗券のチェックが何度もあり、空港のセキュリティーの厳しさに驚いた。空港セキュリティーはとても大事にしているらしい。
 
インドワンダーはここからが始まりである。
最終目的地のリシケシに到着して、ガイドさんと合流し、車を走らせること数十分。車道が木々に囲まれている自然が豊かな道に入った。インドの田舎を感じつつ、車窓を楽しんでいると、さる、うし、いぬ、様々な動物に遭遇した。それはまるでサファリパークのようだった。野良牛がたくさんいるというのは聞いていたけど、さるまで。
そして森を抜けて、町に入ると、ぶたややぎ、これまたバラエティー豊かな動物たちがいた。動物と車とリキシャが行き交うこの空間、まさにインドであった。それに加え、どの車がどの車に対して鳴らしているのかわからないクラクションの嵐。視覚に聴覚に大忙し。目に飛び込む、耳に入ってくる全てが斬新だった。
 
海外旅行は未知への遭遇への冒険でもあると思う。が、インドは特に、未知数が半端ない。そして想像を絶する。いくら本で体験記を読んでいたとしても、実際に経験するまではその圧倒的な臨場感はわからない。他の海外諸国よりもとびぬけていると思う。
まさにインドに行くのは、ドラえもんで出てくるのび太君の机の引き出しからタイムマシーンに乗るようなものである。これから何が起こるかわからないドキドキ感、わくわく感。恐怖、不安、恐れ、希望、歓喜、すべてが混じったそんな世界へ一瞬にして誘われてしまう。
 
よくインドに行くと人生観が変わる、など耳にする。人生観とまで行くかは、人それぞれだと思うが、確かに、今まで自分が持っていた枠が緩くなると感じた。こうしなければならない、あーしなければならない、と制約が多い日本で暮らしていると、考え方はがちがち、視野が狭くなっていると思う。牛が車道を歩いていても、車は追い抜けばいいだけの話。何の問題もない。日本だとサル一匹、ひょんなことで山から町へ降りてきただけで、警察が出動して、捕獲に大わらわの大騒動である。
インドでは牛が道端に居てもいいんだね、それもありだよね、と受け入れることができた。
 
帰国して会った友人に「インドに行ってきた!」と言うと「え、インド?!」という反応が一様にかえってくる。おそらく、行く前までは私も同じ反応をする部類だったと思う。
「インド」という未知の世界、だけどたくさんなんだかヤバそうなのを知っている所、という先入観だけしかない。
しかし、実際に行ってみると、不安に感じる部分は何もなかった。
今まで行っていた海外旅行と何ら変わらなかった。
 
日々の生活の中でも将来が不安であったり、
まだ起こってもない先のことを心配したりすることがあると思う。
しかし、そんな心配は不要なものだと感じた。
実際、心配していることは起きないかもしれないし、
心配するほどの事ではないかもしれない。
起きた時にどう対処するか考えればよい。
目に見えない不安にとらわれて、余計なストレスを抱えて、体調を悪くしたり、今を愉しめなくなっているようだったら、とてももったいないことをしている。
心配や不安が、それ以上にストレスを生んでいると思う。
 
もちろん、インドは今までに見たことないようなカオスが広がっていた。
商店が並ぶ街並み、商品を売る人々、商品のディスプレイの仕方、
その周りでたむろっている人々、動物たち。
カオス感はたっぷりだけど、そんなものなんだと思ってそのカオスでさえ楽しんでしまえばいいのだ。
旅行は非日常を味わうためでもあるが、
インドには非日常すぎる日常がある。
カオスで刺激的な世界がある。
ドラえもんのタイムマシーンに乗るように、わくわく感をもって楽しめばいい。
 
 
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2017-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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