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目標なんて、今はいらない?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:萩本孝子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「うーん、特に目標とかない」
「このまま、ふわ〜と生きていて、時々友達とご飯食べたり、どっか行きたくなったら行けるくらいのお金があったら、それでいいかなぁ」
これは、最近の私の感覚。
 
思えば、私の人生は、ずっと目標を追いかけてきたような気がしている。
子どもの頃は、動物が大好きで、いつかテレビの「野生の王国」に出てくるような動物の保護官になって、アフリカに行きたいと思っていた。
中学生の頃に、漫画に目覚めてからは、漫画家になりたくて、毎日毎日漫画を描いていた。
今のように漫画に社会的な地位がなかった時だから、高校生になると、漫画家ってちょっと幼稚だな、と思って目標を、デザイナーに切り替えた。
デザインの専門学校に通っていた頃は、いつまでもうるさい、がんこな父親から逃れるために、早く家を出たいと思っていて、卒業すると同時に大阪で一人暮らしを始めた。
 
一人暮らしは天国だった。
今まで門限も厳しく、友達ともあまり遅くまで遊べなったのが、どこにでも行けて、何時まででも遊べた。
ずっと旅への憧れがあったので、何度か国内の一人旅をした後に、外国へ行く目標をたてて実行した。
オートバイの免許を取った時は、単独ツーリングを計画して、一人で北海道まで行った。
 
常に、何か目標を作って、それを目指していた毎日だった。
目標を目指すのは楽しかったし、完了すると達成感もあった。
 
だけどちょっと、本当は、
いつまでたっても、本当に自分がやりたい事が見つからないような
焦りというか、残念な気持ちというか、そんなものも感じていた。
 
ほどほどの年齢になって、結婚し、結婚相手の郷里に引っ越した。
引っ越した先は、田舎の小さな町だった。
面白い町だし、住んでる人もみんないい人ばかりだったが、私がそれまでやってきたような、海外に行ったり、バイクに乗ったりしたような人はあまり出会えなかった。
私の目からは、結婚している女の人は、みんないい「嫁」に見えた。
夫をたてて、家を守り、子育てをして、親戚づきあいをそつなくこなす。
子どもの運動会には、親戚中をおもてなしできる豪勢なお弁当を朝の3時から作り、子育てに支障が出ないように、仕事は3時に終わるパートをする、そんなママが多かった。
人付き合いに苦手意識があり、家事も育児も好きじゃない私は、そんなママ達と同化できず、フリーで仕事をするようになった。
そして、次の目標は、キャリアと経験を積んで、お金を稼ぐ事になった。
 
お金を稼いでしたいことは?
 
お金持ちになって、あったかい国に移住する。
海沿いの、すっきりとした、かっこいい家に住む。
海外と日本を往復し、いったりきたりするような生活がいい。
仕事は年をとってもバリバリする。
でも、仕事ばっかりはいやなので、好きな時に好きなところへ行き、気の許せる友達と交流し、楽しい気分で毎日過ごす。
 
そんな事を、人生の目標にして、夢を語り、仕事に家事にがんばっていた。
夫もそれに同意していた。
ああしたい、こうなりたいと話す時、
「ああ、そうだね」「そうしよう」と言っていた。
 
だけどある日、ふと気がついた。
夫は、全く私の夢には同意していない。
ほんとは、この土地を離れたくないし、今の仕事もやめたくない。
 
私は、ずっと先の目標を見てるばかりで、現実を見ていなかった。
きっとこうなる、こうなりたい。
そんな想いが強すぎて、現実の出来事を全部ゆがめて捉えていた。
 
それから結構反省して、自分なりに努力した。
目標は、家族で幸せな将来を手に入れることに切り替えた。
自分の考え方の偏りを変えるべく、心理や脳の勉強もした。
結構ほんとにがんばった。
 
だけど、
残念ながら、溝を埋めるには、あまりに長い時間を過ごしすぎていた。
 
そうして私の次の目標は、そこから抜け出すことになり、
そしてついに逃げ出した。
 
そしてそして、
私は自由を手に入れた。
 
……
……
だけど、
自由になって、
なんでも自分の思うよう出来ることになった時、
あんなに行きたいと思っていた外国には、
もうあまり行きたいと思わなくなっていた。
 
あったかい所に住んで、
毎日楽しいことをしようと考えていたけど、特にしたい事も思いつかなくなってしまった。
 
なんだ。
私の目標って、現実の不満から逃げるための「対抗馬」だったのか。
 
今頃、やっと気がついた。
 
今、私は自由だ。
お金はもうちょっと欲しいし、
仕事ももうちょっと安定したいと思っている。
 
だけど、特に目指したい目標はなく、
なんとなく、毎日ふわ〜と生きていて
時々、気心のしれた友達とご飯食べたり、どっか行ったり、
好きな時に、好きなことができる時間と少しのお金があったらいいなぁと思ったりしている。
 
目標いらない?
 
いや、たぶん。
これは、私にとって人生ではじめて経験している
不満がなくて、「今」と向き合っている時間かもしれないと感じている。
 
初めての経験なので、予想がつかないのだけど、
もうちょっと、この慣れない時間に馴染んできたら、
今度こそ本当にしたいことが、見つかるような気がする。
わかんないけど、だからそれまで、もうちょっと
「今」の自由を味わっていようと思っている
 
 
***

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2017-10-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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