メディアグランプリ

ペンギンOL、「空を飛ぼう」と決意する


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:はなおか ゆう(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
小さい頃から、どうにも、「みんなが当たり前にしていること」……少なくとも自分からそう見えて仕方がなかったこと、それが、やたらとうまくできなかった。

なかよしグループで「お揃い」を持つこと。
トイレには誘い合って行くこと。
テレビで流行っているものをみんなで楽しむこと。
教科書や配られたプリントを毎日持ち帰ること。
「委員会」で決まっているやることだけを、やること。
ロッカーの中に物を溜め込まないこと。
毎日、1ページずつドリルを解き進め、一冊やり抜くこと。
自分の興味ではなく、決まった順番で教科書を勉強すること。
授業中や通学路では、読みたい本を我慢すること。
朝、決まった時間に起きて、決まったルートで通学をすること。
着るものも、持つものも、部屋も、かわいく装うこと。などなどなど。

どれか1つくらいは「できない」仲間がいるものだけど、「全部仲間」はいなかった。
表立って、クラスメイトや教師、親から、全部を指摘されて、叱られている仲間は、ゼロだった。

成績は悪いけど、運動神経は抜群のやんちゃ坊主の思い出エピソードではなく、やっかいなことに、私はテストの成績だけは抜群に良いオンナノコだった。
大人になれば、くだらない、と笑ってしまえることだけど、小・中学生女子にとって、この手の「どうがんばってもできないこと」は絶望だった。
童話『みにくいアヒルの子』が描くように、いじめられる。周囲は、いじめるというか、扱いあぐねてスルーするしかない。
だって「色が違う」どころじゃないんだもん。仕方ない。
しかも、灰色だったアヒルの子は、将来は優美なハクチョウになれるけど、ここまで絶望的だと、親も教師も苦い顔で予言する。ハクチョウにもなれないぞ、と。

「どれだけ勉強ができたって、社会みんなと同じような基本ができないと、まともな仕事に就くなんてできません」

遠足で鳥類博物館へ出かけ、ほぼ世界中の鳥の剥製や、生態・特徴を一度に目の当たりにした時。私が惹かれたのは「ペンギン」だった。

ペンギンは、直立二足歩行する。飛べない。早く走れない。

鳥なのに、直立二足歩行という時点で、おかしい。
飛べない鳥。確かに他にもいる。その代わり、その鳥は速く走れたりする。

どちらもできないペンギンは「水中を飛ぶように泳げる」のだ。

10代のうち、私はペンギンに親近感を抱きつつ、嫉妬した。
私には、ペンギンにとっての「泳ぎ」のような、唯一無二的な特技がなかったから!
テストの成績がいいと言ったって、難関名門校にいるわけでもなく、全国模試など受けての1位でもなく、狭い狭い世界でのこと。
15歳もすぎれば、自分のルックスが標準以下だと明白に理解もできる。
どこかの殿方に「永久就職」もできそうにないし、突出した才能もないし、サラリーマンには「なれない」と予言されたし。いっそ糸車で指を突いて100年くらい眠りたい。だけど、どこにもそんな糸車はなかった。

大学生になって、少しばかりは取り繕うことを覚えた。
化粧も覚えた。我慢も覚えた。でも、連続3日以上は難しいんですけど……。

それでも、我慢にならない「好きなこと」は人の倍も倍、とことん没頭できる力が身についた。「泳ぎ」にあたるものが、ようやく見つけられた。
私は、泳ぎに泳いで、とにかく泳ぎまくった。高校卒業後、遠くへ遠くへと足掻き続けた。
そして「ペンギンしかいない」会社に就職できた。

そう、世の中には、必ず、同族がいる。正真正銘、絶滅危惧種、最後の一羽になれるほど、甘くもないのだ。
アヒルの村にだけいたら、それには一生気づけなかった。

私にとっての「泳ぎ」、それが「本を愛すること」だった。

私は今、「本」のことだけを考え、「本」のためにだけ、仕事に取り組み、サラリーマンをしている。
まともな「仕事」に就けないと言われたけれど、実際、今の仕事が「まとも」かどうかは誰が決めるかわからないけれど、会社員としてお給料をいただけている。

相変わらずデスクは汚い。
最低限しか化粧もできない。
納得できないことは3日も続けられない。
なんなら、興味がない人の顔も、名前は何度会っても覚えられない。

それでも。
会社員ができている。なんなら会社員が楽しい。
34歳OL、灰色のアヒルからハクチョウにはなれなかったけど、南極大陸まで泳ぎ着けた!

今、「本」を取り巻く環境は、南極さながらに厳しい。ブリザードが吹き荒れ見通しが利かず、それでいて温暖化は氷河を溶かし、大陸が減少している。南極がなくなってしまったら、世界は大きく影響を受ける。しかも悪い方に。
南極を守るために、ペンギンは立ち上がる。
声をあげたい、と思った。あげる力が欲しい、と願った。
よし!! ライティングゼミを受講しよう!

「読む」ことから「書く」ことへ。

ペンギンの、これはもしかしたら「空を飛ぶ」に等しい挑戦なのかもしれない。

 
 
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2017-10-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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