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カーナビの通りに行った先にあったもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あっこ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「ポン。つぎの信号を右折してください」
あ、やばい、やってしまいました。左に曲がってしまった。
高速道路の出口の手前で道路がぐるぐると回っていて、方向感覚がおかしくなっていた私は、ナビの言っていることを聞かずに、感覚的に左の方向だと思い込んでしまった。真逆の方向に走り出すと、ナビはしばらく検索し直した後に、
「次の信号を左折してください」と指示してくれた。
その後、3回ほど左折を繰り返してもとの道に戻り正しい方向へ右折することができた。時間が無く焦っていたものの、最終的に時間通りに目的地にたどり着くことができた。ありがたい、本当に便利な世の中になったものだ。
私は、本当に素直じゃないし短気で怒りっぽい性格だ。だから、これがもしも助手席に座った友達や家族に言われていたとしたら自分が間違えたにもかかわらず、怒りだしていたと思う。
こちらが間違えてしまって気まずい気持ちの時にわかっている事を指摘されるとカチンと来るのが私なのだ。
ひどい時は、余計に意地になる可能性もあるからたちが悪い。
 
でもどうしてか? ナビに言われると、なんとも思わず素直に言うことを聞けてしまう。
 
私は、人生でもやってしまっていた。
短気で怒りっぽい性格、これに仕事では変に神経質が加わっていた。
それで、度々アドバイスを受けていた。もうすこし言い方を考えた方がよい、とか、後輩の成長を見守ろう、少し失敗していても辛抱して待ってあげてみたらどうか、とか。
本当に後輩の教育というのは辛抱がいることである。私は、初心者の彼らの仕事をじっと見守ることすらも辛かった。そして、上手くできないことについて丁寧に時間をかけて優しく教えてあげる事もなかなか上手くできなかった。実際の仕事に追われていたので、時間の制約があったことは事実であるが、一番は自分の辛抱が足りなかったのだと思う。
それで、周囲の人たちは私のためを思って、また私の後輩の事を心配して親切にアドバイスして下さっているのは分かるけれども、どうしても素直に聞けない自分がいた。少し素っ気なく「そうですね。ありがとうございます」と言うだけで、なかなか態度が変えられなかった。
これは、何か原因となる自分の中の問題があるのかしらと考えてみたこともある。自分の過去を遡って考えてみると小さい頃はとても気が小さくのんびりどころかのろまだった。けれども、とても気は優しい子供だったと思い出した。
そして私は、そうか、仕事が忙しすぎて頑張りすぎて本来の自分では無くなってしまっているのだなと解釈した。
完全に世の中のせいにしていた。このギスギスした東京のど真ん中であくせく働いていたから、本来持っていた良いところを無くして短気になってしまったのだ、かわいそうな私と。嫌だね大都会はと。
 
半年ほど前にひょんな事から四柱推命の鑑定を受けることになった。四柱推命では誕生日からその人の色々な星を読み解いていく。色々な角度から読み解くが、一番簡単に私の根本的な星について説明を受けている時にはっとした。私の星は自然界のエレメントで言うと「鉄」だった。イメージは鉄の女や刀という言葉とのこと。
「あなたはとても強い人です。決断力と行動力がありすさまじい原動力をもっています。刀のように前へ前へと現実を切り開いて行くことができます。
ですが、刀は使い方を間違えると人を傷つけてしまいますので、とても注意が必要です。あなたはこの刀を自分やみんなの未来を切り開くために使わなくてはいけません。あなたは、強い人だから、未来を切り開きみんなを導くことができる人なのですよ。」
 
3回ほど左折して元の道に戻りさらに、正しい方向へ右折できた様なほっとした気持ちがあふれてきた。
本当に素直じゃなくてひねくれた性格の私!
私の事を本当に心配してアドバイスしてくれた友達や先輩の話は聞けなかったのに、今日初めて会った私の事を誕生日しか知らない鑑定士さんの言うことがすうっと入ってきた。
そうだったんだ。私が短気で怒りっぽいのはもともと強い人だったんだ。私は、本当は強くて未来を切り開く事のできる刀だったんだ。納得してしまった。
世の中が悪いんじゃ無くて、ほんのちょっとだけ方向性を間違えていただけだったんだ。
これからは、この刀を自分や周りの人を守り未来を切り開く事に使おうと思った。
 
なにげなく訪れた四柱推命の鑑定で、私はなんとも大切な目的地を見つけた。
目的地に向かっているが、また間違えたら3回ほど左折すれば戻ってこられるかな。
 
 
***

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2017-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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