メディアグランプリ

カサブタと内なるものの表現


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:若山裕美子(ライティング・ゼミ 平日コース)

カサブタをはがしたい……。
幼いころ、誰でも一度はそう思ったことがあると思います。
血が固まってできたものなのに、赤というよりは黒ずんでいて、表面はザラザラでグロテスクなかたまり。
そんな見た目だからか、なおさら気になって、何度もカサブタを触り、何度も爪でひっかいて取ろうとしたものです。

親や小学校の保健室の先生からは「バイ菌が入らないように身を守ってくれているんだから、はがしちゃダメよ」といわれました。
でも、ダメと言われると余計にやりたくなるのが人間のサガ。
バイ菌が入るとか血が出るとか、そんなことはお構いなし。
どうしてもフタに隠された内側のものをみたくてみたくて、私はカサブタができては触り、はがそうとしていた記憶があります。

あれから月日がながれ、私もハタチを過ぎました。
まだ大学に入学したての10代最後のころは、まだまだカサブタが気になるお年頃でした。
でも、歳を重ねて人間関係や就職活動など、様々なライフイベントで失敗して心がボロボロになっていく日々で、そんなことを気にしているひまがなくなりました。

子どものころ、なんでカサブタなんかに興味が向いていたのか自分でもわからなくなってきて、内にあるものの興味と情熱も消え失せてしまった。
いつからか、カサブタなんてキズを治す過程でのただのフタだと、そんなふうに捉える大人になっていました。

でも、本当はまた感じてみたかったのです。
あの、心の内側からつきあげるような強い欲求と、秘めたものをのぞくときのドキドキ感を。
そう密かに思いながらも「大の大人がそんなことを考えるなんて、みっともないことだ」と思い、特に開放する機会にも恵まれないまま自分の気持ちにフタをしていました。

しかし、あるとき転機が訪れたのです。
10月の頭から受講している、ライティング・ゼミの提出課題を作成しているときのことでした。
ネット上でチケットの購入・管理ができるアプリ、Peatix(ピーティックス)から「天狼院書店が新しいイベントを公開しました」という通知が来ました。
私は作成中の課題を中断させ、iPhoneのロック画面からみた通知バーに、なぞのイベント名が表示されていました。

「ん? 秘めフォト部?」

秘めって、ヒメゴトとか、そういう秘め……だよね。
天狼院書店が誇るタイトルを隠して売る秘本(ひほん)とは、また毛色がちがう「秘め」らしく、秘密の夜会とか、なんとなくアダルトないやらしさが漂うイベントだなと、思っていました。
天狼院……大丈夫か? 犯罪すれすれじゃないよね?

そんなツッコミを入れながらも、私は興味本位で通知をタップし、Peatixのイベントページを開いていました。
でも、さっきまで想像していたものとは、全くちがっていました。

まず最初に目に飛びこんできたのは、白い光の中につつまれ、こちらに優しげな視線を向ける美しい女性のカバー写真がありました。
ソファーに寝そべる女性は、限りなくすっぴんに近い。
それなのに、つるんとした雪のように白い肌で、裸なのに全然いやらしさがないのです。

裸だからエロに分類されるのかもしれないですが、エロといっても、プレイボーイやヤングマガジンのような男性誌特有のむんむんで、健康的なエロではなく。
森の泉で、女神が人知れず水浴びを楽しんでいるような秘めたるエロを感じました。
それくらい、本当に心の底からきれいだと思ったのです。

普段の私なら「いいな、天性のものなんだろうな。これは」といじけたかもしれません。
でも、カバー写真の女性の透き通るような美しさと、参加者の70%がはじめての方という宣伝の文言をみて、もしかしたら自分にも秘めたるものがあるのではないか。
そう思い気づいたら、秘めフォト部に参加するために手が勝手に決済を進めていました。

いやあ……しかし、なんでこんなところに来てしまったのでしょう。
心の底から、後悔しました。
秘めフォト専任フォトグラファーで、プロの三浦さんがレンズ越しに「いい表情」、「いいね、完璧」といいながら、シャッターを切るたび、撮られることが快感になっていくのです。
撮るのがひと段落つきカメラの液晶をみせてもらいました。
脱いで大胆な衣装に着替えた私の体は、お世辞にもきれいな体だと言えません。
でも、自分はこんなセクシーできれいな表情ができるのかということに驚愕しました。

それと同時に、ああ、カサブタがはがれたと、思いました。
今まで自分の奥に秘めているものを表現することはみっともないことだと、気持ちにフタをすることが多かったです。
でも、今回の秘めフォトに参加して、カサブタが気になって触って、内側がどうなっているか、はがして覗いていたあの頃のように、内なるものに対する興味と血のようにあふれ出る情熱が表れてきたのです。

そして、他の参加者さんがカメラの前に立ったときに見せる、するどくも艶のある表情がうっとりするほど美しいのです。
自分にはない美しさ、華のある表情をみていると、もっときれいになりたい。
もっと体で、表情で表現できるようになりたいという、刺激になるのです。

このたぎる気持ちを大事に、カサブタで自分の気持ちにブレーキをかけないように、これからも表現していきたいと思います。

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2017-11-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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