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共働き家庭で家事をストレスなく役割分担するには「卓球型」か「テニス型」か問題


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あさみ(ライティング・ゼミ書塾)
 
わたしは、主婦のような中学生だった。
部活やカラオケやテスト勉強の合間に味噌汁を作る。野菜の下ごしらえをしてから遊びに行く。主婦のように時間のやり繰りをする青春を過ごした。
毎日家族の夕飯を準備するのが、我が家でのわたしの役割だったからだ。
 
我が家は「みんな平等・みんな対等」がモットーだった。何かを決めるとき、大人も子どもも関係なく話し合い、意見を取り入れる。
子どもだからといって軽んじられることがない代わりに、子どもだからといって甘やかされることもない。だから、家事も当たり前のように子どもも大人も関係なく役割分担がされていた。
 
父は朝食づくりと食器洗い。母は毎日の献立づくりと買い物。私は母の献立にそって夕飯づくり。弟は食器のセットと風呂掃除。部屋の掃除は各々。洗濯は全員で協力してやる。部活があってもテスト期間中でも免除はされない。「試合が近いから」「勉強があるから」はイイワケにならないのだ。それを言い出したら、父も母も働いているのだから。それぞれが自分の役割を全うすることで家庭が回っていた。
 
そんな家庭で育った私は、結婚して新しい家庭を作るときも、当然のように夫と家事を平等に分担していた。夫は料理ができないので料理は私の係。そうなると食器洗いは夫となる。私は掃除が苦手なのでそれは夫、その代わりに私は洗濯をする。
 
ある日、仕事が忙しくてヘトヘトに疲れて帰ったら、夫がごはんを準備してくれていた。ありがたいと思うと当時に、私の担当の料理をやってもらった代わりに、私が食器を洗わねばと思う。そう思うけれどヘトヘトなので、気づけばソファで寝てしまっていた。
目を覚ますと食器が洗われていて驚いた。洗い場を二度見した。なんで一人で全部やってくれてるの? 夢かと思った。それくらい驚いた。私の担当分も全部やらせてしまった、と焦る。
 
翌朝起きてすぐ「昨日は何もできなくてごめん。代わりに今日は私が全部やるから」と大慌てで謝った。夫の返事は、さらに驚くものだった。
 
「“代わりにこれお願い”とか“代わりにやっとくよ”とか、キミはよく言うけれど、できる人ができることをやればいいんじゃないの?」
 
な! なんですと!? 
「できる人が、できることをやる」
そんな発想は私の中にはカケラもなかった。目から鱗がこぼれ落ちる。
そんな考え方がこの世にあったのだ!
なんてすばらしい考え方なんだろう!!
私は無意識に「代わりにやる」「代わりにお願い」という役割分担が前提になった話し方をしていたらしい。そんな自分がとても小さく思えた。
 
この出来事をきっかけに、家事の役割分担のしかたは2種類あることを知った。
1.きっちり役割をわける「卓球型」
2.できる人ができることをやる「テニス型」
と名付けよう。
 
卓球のダブルスは2人が球を打ち返す順番が決まっている。自分の番がきたらどんなにしんどくても自分が打ち返さなくてはいけない。私が育った家庭はこちら。お互いの役割をそれぞれ全うすることで家庭が回る。
 
一方、テニスのダブルスでは、前衛と後衛で守備範囲はなんとなく決まっているものの、打ち返す順番も場所も決まっていない。打ち返せるほうが打ち返せばいい。夫が育った環境はこちら。役割を明確に決めるのではなく助け合って家庭を回している。
「テニス型スタイル」は私にとって初めての価値観で、とんでもなく魅力的にうつった。
 
それから私は役割分担にしばられず、できる人ができることをやる「テニス型スタイル」で平和に暮らした。
疲れていてできないときは、やってもらえる。夫ができないときは私がやるが、それで夫の助けになっていると思うと嬉しくもある。
楽チンで愛にあふれた生活だった。すべての家庭がこうなれば世界は愛で満ちて平和になるんじゃないかとさえ思っていた。
 
ところが、
「テニス型」向かうところ敵なし! ではなかった。
 
わたしが産休・育休に入ると、この平和なバランスが大きく崩れたのである。
基本的に家にいる私が、なんとなく全部の家事をやる流れになってしまったのだ。
最初はまあ家にいるんだし、わたしができるんだし、となんとなくやっていたものの、ストレスは日増しに大きくなる。
気づけば食事も食器洗いも洗濯も全部私。
なんで私ばっかり! 
役割が決まっていれば!! 
「卓球型」が恋しくてしかたがない。役割が決まっていれば、ひとりに負担が偏ることはない。忙しい夫とも気兼ねなく家事を分担できるのに。
 
一見「テニス型スタイル」は愛に満ちて素晴らしく思えたけれど、それは一方で非効率な面もあった。全部の家事を2人で一緒にやるから、2人ともがすべての家事に目を凝らしておかなければいけない。そして、どうしても気づいた方にしわ寄せがいってしまう。
「卓球型」のように役割を決めておけば、やらなくていいことが出てくる分、効率的だ。でもただ単に「卓球型」に戻すとせっかく生まれた助け合いの形がまたなくなってしまう……。
 
そうして、苦心の末に新たに編み出したのが、卓球型をベースにした「キャプテン・副キャプテン制度」の導入である。役割分担をするが、それを1人で担うのではなく、主担当となるキャプテン・サポートする副キャプテンを決めるのだ。
 
とりあえず、夫を「朝食キャプテン」に任命してみた。
夫に「明日からあなたは朝食キャプテンです。朝食準備を責任持って行ってください。自分でできないときは副キャプテンである私にどうすればいいか指示をしてください」と宣言する。
突然のことに夫はびっくりしていたが、「キャプテン」という言葉には悪い気はしないようだった。意気揚々とホームベーカリーに小麦粉を入れ始めた。シメシメである。
 
「助け合いはするけれど、どちらが主導権を握るか決める」というのがこの新スタイルのイイトコロ。役割に対して責任を持つのはやっぱり大事だ。助け合いが甘え合いになってはいけない。だけど、一人でその責任を抱え込むのではなく、できないときはキャプテンとして堂々と副キャプテンにお願いすればいい。そして、キャプテンの決定は尊重する。今日は手抜きするね~と朝ごはんがコンビニのサンドイッチになったとしても、私は朝食キャプテンの判断に文句は言わない。
 
「助け合い」のルールを決めるのはとても難しい。ルールを決めすぎるとギスギスしてしまうから。家族だとなおさら、仕事のように線引きをするのも難しい。
だけど、だからこそ、お互いの「思いやり」だけで乗り切るには限界もあると思う。
お互いを尊重し、いい距離感で助け合うためにも、役割分担は必要なのだ。
 
我が家はまだまだ試行錯誤の途中。
とりあえず、今のところ夫がノリノリで「キャプテン」をこなしてくれているので助かる。この調子でなんでもかんでもキャプテンにしてやろうかなとも思うけれど、我慢我慢。
キャプテン任命権は私にあることを夫はまだ気づいていない。しばらくは気づかれないようバランスよく役割分担をしながら、徐々に半々に戻していくように企んでいる。
 
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2017-11-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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