メディアグランプリ

ライティング・ゼミ……読書への誘い


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:荒野万純(ライティングゼミ平日コース)

 

10月からライティング・ゼミに参加している。

申し込んだのは忘れもしない9月28日。天狼院書店の存在を知ったのは、

そのほんの2、3日前だった。時々チラ見をするだけのFacebookをたまたま見ていたら、知合いが天狼院書店をいいね! していたのだ。

 

正確に言うと、過去に2度ほど、Facebookで見かけていたが、怪しそうな見かけにスルーしていた。3度目に見た時についにクリックしたのだ。

なんだこりゃ? 見慣れないメニューの数々。ゼミとか、メディアグランプリとか、部活とか……。

ここは本屋なのに本は売ってないのかね? と思っていたところに、私が求めていたものを見つけてしまった。「締切り」だ。

 

9月は丁度、生活にひと段落がついたところだった。

昨年の秋から、両親の介護問題が持ち上がり、実家を売却して両親が老人ホームに入所するというプロジェクトが走っていた。

何もかもが初めての経験だった。実家を売却するための不動産屋との交渉は、本当にタヌキとキツネの何とやら状態で、大きなお金が絡んでいたこともあって、とてもスリリングだった。荷物がいっぱい詰まった築50年の戸建ての片付けは途中、気が遠くなったし、行き先の老人ホームを決めるのにも右往左往した。

 

すったもんだの末に両親が老人ホームに入居し、実家を引き渡し、やれやれと一息つけたのが9月。それまでやっていた自分の会社も方向転換のためにひとまず眠らせて、いつまでに何かをしなくてはいけないという縛りがなくなった。ずっと待ち望んでいたゆったりと過ごせる日々がやってきた。

 

しかし、急に不安になった。

追われるような毎日がぱたっと終わったら、そこには喜びよりも大きな虚無感があった。

 

そんな時に、毎週月曜日に課題の締切りがあるライティング・ゼミを見つけた。

書くことは全く得意でないけれど、文章の書き方を学ぶのは良いことだし、何よりも求めていた日常の縛りに惹かれて、何も深く考えずに申し込んだ。

 

一番最初の講義で、三浦さんは「文章が書けるようになるのに必要なスペックは、申し込みをしてここに来ることが出来たならそれで十分」、「難しい言葉を知らなくても良いし、今まで、学校の感想文なんかが不得意であっても問題ない」とのたまわれた。

それなら私にも出来るかもと希望を持った瞬間だった。

 

しかし、しかし、甘かった。書き続けることはきつくて、辛い。

あんなに欲しかった「締切り」が悪魔のように思える。

まずはネタが見つからない。運良くテーマが決まって書き始めても、わかりやすく適切な表現や言葉が自分の中から探せないのだ。

「時たま」よりも読みやすくて、「時々」より頻繁で、でも「しばしば」では頻繁すぎる。きっと作家はそういう言葉のストックをたくさん持っているのだろうな。

そして、思った。もっと本を読まなければ。

 

今までも本は、仕事柄ビジネス書を中心にそれなりに読んできた。ビジネス書に疲れると、その時に流行っている小説を読んだりもする。しかし、書くお手本になるしっかりした文学を読まなければと痛切に思った。

そして、子供の頃から、読書家の父が「良い本を、しっかりした文学を読まなければだめだ」と言っていたことが、初めて理解できた。

 

基本に立ち返って、明治大正文学から読み始めるのか、それとも2000字の文章のお手本になりそうな、ショートショートや作家のエッセイ集が良いのかなどと考えながら、近所の本屋をそぞろ歩きする。

気になった本を立ち読みすると、それまでは気がつかなかった表現の巧みさや言葉遣いに、いちいち感心する。

 

ふと、ある本が目に入った。『〆切本』(左右社編集部編)という本。

何だろうと手に取ると、締切りに苦悩する作家たちのエッセイや日記、書簡などを集めた本だった。表紙には「どうしても書けぬ」だの「拝啓 〆切に遅れそうです」などと書いてある。今の心情にあまりにぴったりで、思わず手に取り一目散にレジへ。

家に帰るのも我慢ができず、カフェへ一目散に向かいページを開く。

 

そこには古今東西の作家、夏目漱石、川端康成から、村上春樹をはじめとした現在も活躍する90人近くの作家が締切りについて、嘆き、苦悩する姿が描かれていた。

最初から最後まで言い訳ばかり書いている谷崎潤一郎、ガスストーブと電気ストーブを取っ替え引っ替えしているうちに書く時間がなくなってしまう内田百間、飛行機の窓から見える景色に見とれて原稿を書けなかった吉本ばなな。

書くために生まれてきたような才能溢れる作家達がこんなに苦しむ姿を見て、レベルは全く違うにしても、なんだ、私だけが辛いんじゃないんだと、肩の力が抜けた思いだった。

 

そして、この本は2000字の文章に取って格好のお手本だった。

実にばかばかしいことを書いているのに、その作家らしい文章の品格は保たれていて、平明で淡々とした表現で爆笑と共感を誘う。

ゼミで習った、GAPやストーリーが散りばめられているのだろう。

少ない字数の中でも風景の描写は美しく、その様子がありありと目に浮かぶ。

 

ライティング・ゼミで書くことを学ぶつもりだったのに、読書の新たな扉が開いた。

今まで読んだ本を読み返してもきっと新しい風景が見えるのだと思うと少しワクワクするなどと思っていたら、昨日の第3講で本の読み方を学ぶリーディング・ゼミのチラシが配られた。何というタイミング……!

もしかしたら、これは天狼院の仕組まれたマーケティングなのだろうか?

第3講あたりになると、本が読みたくなるのをわかっていて仕掛けるという。

その手には乗らないぞ、と思いながらも心が揺れる今日なのである。

 

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2017-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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