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メディアグランプリ

やっぱり始めなければ良かった、ライティング・ゼミ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小濱 江里子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 

「く……」
 ダメ! 口に出しちゃ、ぜーーーーったいに、ダメ!
「悔しいっ……!」
 あぁ……、言ってしまった。ダメだって言ったのに……。
 メディアグランプリの結果を見て、どうにも止められなくて口をついて出てしまった。そこには、1位に私ではない別の人の名前が書いてあったのだ。それも、ブログの記事が面白いと、時々読んでいた人の名前だ。
 ライティングを学びたくて、ライティング・ゼミを受け始めたけれど、そこで行われているメディアグランプリの順位なんて、私には関係のないことだと思っていた。Web天狼院に掲載されること、それが私の目標だった。順位なんてどうせ下の方だろうから、わざわざ確認する必要なんてない。そう思って、ランキングページなんて見たこともなかった。それが、ネタを探すため、偶然ランキングページにたどり着き、5位と書かれた横に自分の名前があるのを見た時は、正直心臓が止まるかと思った。
 「私!? 私が5位!?」
 その頃から、見てはいけないものを見るようになってしまった。それは、メディアグランプリで1位を取る、という目標だ。Web掲載をしてもらえるようになってから、面白いと思ってもらえるような記事を書きたい、そう思うようになり、その結果としてのメディアグランプリ1位を取りたい、と。
 目標は秘密にしておくもの。達成できたら、えへへと微笑む。
 「有言実行」よりも「無言実行」がかっこいいじゃん。
 そう思っていた。

 「悔しいっ……!」
 その言葉が口から出た時、自分にびっくりした。

 悔しいってどういうこと? そこに行けると思ってたってこと?

 目標と、定めておきながら、それを夢見ることすらおこがましいと思っていた自分がいたことに気づいたのだ。目標を、目標だと口に出せないのは、そこに立つ自分を想像できないからかもしれない。想像できないどころではなく、そこに立つ自分を想像することすら、自分に許可していないのだ。
 だから、「悔しい」という感情が出てきたこと、そしてそれを口に出すことさえ禁止していた自分に気づいてびっくりした。心の奥底に沈めて見えないようにしていた、私の中の本当の欲求が姿を現した瞬間だった。
 
 4ヶ月のライティング・ゼミの最終講義が終わってしまった。終わってみて、今私は崖っぷちに立っている。足の先には道はないし、風は吹き荒れていて風に煽られてよろけたら、一気に真っ暗な崖の底に落ちてしまいそうだ。足元の砂利がパラパラと暗闇へ落ちていく。
 メディアグランプリで1位を取りたい! なんて願ってしまったものの、文章の上手な人はゴマンといる。後から入ってきた人が上位を占めていく様子を見て、ランキング1位を取りたいなんて、やっぱり私には無理だったのかも、と泣きそうになる。
 自信がない。
 やっぱり私の書く文章は面白くない。
 気を抜くと、というか、いつでもどんな時でも現れてくるこの感覚。
 私くらいのスキルなんて、すぐに吹き消せてしまうほど、小さなキャンドルの炎みたいなものだ。挑戦してみようと思ったことも、やる気も、一向に育たない「私にもできる!」という感覚も、バースデーケーキに灯されたろうそくが一気に吹き消されるかのように、私の中にある幾つかのともし火がすべて消えてしまいそうに思えた。
 
 やっぱり始めなければ良かった。始めなければ、奥底に沈めておいて、気づかないようにしてきた願いも、なかったことにしておいたいくつかの希望も、そのまま私の世界から消しておくことだってできたのに。

 「僕、才能ないって思ってますから」

 天狼院書店店主・三浦さんの言葉が頭の中で聞こえてくる。
 本で体得したマーケティングの知識を使って、世界をどんどん広げていっている三浦さん。現実なのか小説なのか、読みながらわからなくなって登場人物が実在するんじゃないかと錯覚する「殺し屋のマーケティング」。カラフルに夢を叶えていく三浦さんを、「私もそこに行きたい!」とわくわくして見ていたはずが、近づいて見れば見るほど、私より少し身長高いかなと思っていたのに近づいてみたらスカイツリーみたいに高かった、みたいな感覚に襲われる。上を見上げて、あまりの高さに絶句する。
 だけど。
 三浦さんだって、最初からスカイツリーだったわけじゃない。
 
 「僕、才能ないって思ってますから」

 あっけらかんとそう言ってのけるのは、努力でそれをカバーできると知っているから。

 改めて足元を見てみると、やっぱりその先に道はない。遮るもののない場所で、風は吹き荒れている。少しでもバランスを崩せば奈落の底だ。
 だけど、道を作ることはできる。いつだって自分次第。気づかないようにしてきた願いも、なかったことにしていた夢も、現実にするかどうかは私にかかっている。怯んでいる場合じゃない。私の人生だ。まだやりかけの未来を、掘り起こした私の夢を、現実にするまでやってやる。

 

***

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2017-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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