メディアグランプリ

「遊び」と「創造」の料理


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
 
記事:木村なほこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
帰り道、私は冷蔵庫の中味と、残っている食材を頭の中でリストアップする。
それは多くの主婦が、毎日していることかもしれない。
スマートフォンでレシピ検索をしている人も、電車の中で良く見かける。
もしかして、毎日の献立を考えるのにうんざりしてたりするのかな? 
だけど、今の私にとっては至福の時間。
 
私の母は、あまり料理が好きじゃないと言っていた。
だけど、かなり手をかけ、ていねいなごはんをいつも作ってくれたし、学生時代はお弁当も欠かさず作ってくれた。父も、母の作る料理が大好きで、家で食べるのが一番だといつも言っていた。
母にとっては、どちらかというと、「やらなくちゃいけないからやっている」料理、だったのかもしれない。
そんな母を見て育った私は、料理とは「義務」であって、「やらなくちゃいけないもの」として認識していた。
ひとり暮らしを始めてからも、自分のためだけに、そんなことを毎日出来るとは思っていなくて、お惣菜を買ってきたり、外食で済ませたりすることも多かった。お母さんはすごいなあ、と改めて思っていた。
 
そんな私が、料理に目覚めた。
家でお酒を飲むことを覚えたからかもしれない。
最初は乾きものだったおつまみを、ちょっとドライフルーツとチーズを合わせてみたり、ちょっとしたサラダとドレッシングを作ってみたりしただけで、なんだかとてつもなく楽しくなった。最初は料理と呼べるようなものではなかったけど、これが始まりだった。お酒にあう、おいしい食べものを自分で工夫して用意できる、というおもしろさを発見したのだ。
 
「料理が好き」という人の中には、人におもてなしするのが好き、という人と、食べることが好き、という人がいるだろう。
私の場合は「今ある手持ちの材料で、何を作ろうか」と考えるのが好きなのだ。
もしくは、食材を買いに出かけて、新鮮な野菜かなんかを見つけたときに、これをどう使おうかな、と考えるとわくわくする。
おおげさに言うなら、クリエイティブな料理。
自分の創造性をそこで発揮する。
義務と考えると、つらくなっちゃうけど、遊びの延長で考えちゃう。
自分のためだけにつくるから、正直作るものはなんでもいい。人に出すことを想定しないから、失敗しようが美味しくなかろうが、自分のせいだし、それはそれで面白がってしまえる。
レシピを調べたりすることもあるけど、参考にするだけで、だいたいは自分で適当にやってみる。
あれこれ考えて、やってみて、おいしく出来たときは、それはそれはうれしい。
そう、それは、ほとんど「実験」。
料理って、実験なのだ。
 
そして、何度も繰り返していると、だいたいこんな風にすればいいんじゃないか、と見当がつくようになってくる。
この素材なら、だしは昆布がいいか、かつおがいいか。または干ししいたけか。
パスタソースのジェノベーゼは、この季節ならバジルじゃなくて、春菊や、大根、かぶの葉で作るのもおいしい。きれいな葉っぱがついた、旬の大根なんて見つけようものなら、それぞれで何が出来るか、頭の中はうれしくて楽しくて、大騒ぎだ。
米こうじを発酵させて、甘酒を手作りしてみるのも、「実験」感が増して楽しい。炊飯器で出来るから、気負いも、おおげさな準備も必要ない。
 
野菜をひたすら刻む、ミネストローネスープも、私の定番。
ひたすら刻むなんて面倒くさそう、といえば確かにそう。だけど、ひたすら刻む、という作業に没頭していると、頭が空っぽになって、これもなかなかいい。
習字や塗り絵のように、何も考えずに単純作業を繰り返すのは、瞑想に似た効果があって、気分転換には最適なのだ。頭を使いすぎて疲れた時には、逆にこういう作業がいい。
 
人間、毎日食事をするわけだから、その準備でこれだけ楽しめるというのはお得。
もちろん、食べる楽しみも。
 
 
毎日の食事、自分で作っていますか? 
コンビニ弁当か外食続き? 
それとも、奥さんやお母さんが毎日おいしいごはんを作ってくれている? それはそれで、とってもうらやましい。
だけど、私が思うに、料理はとてもクリエイティブで、ものすごく楽しいこと。
そんな愉悦を、味わわないのはもったいない。
毎日じゃなくても、次のお休みの日に、トライしてみてはどうです? 
新しい趣味、新しいひそかな楽しみに、加えて見るの、おすすめです。
普段作ってくれている、奥さんやお母さんが喜ぶ顔を思い浮かべるのもよし。ただ自分のやりたいように、遊んでみるのもよし。
 
そしてあなたが、毎日作ってあげている、奥さんやお母さんの立場だったら。そしてそれにすこししんどい思いをしているのだったら。
料理研究家、土井善晴先生の「一汁一菜でよいという提案」という本をお勧めします。
毎日豪華に、きちんとした献立を作らなくたって、ごはんと、具だくさんの味噌汁、あとは漬物でもあれば十分ですよ、という提案をしてくれて、肩の荷が下りるかもしれません。味噌汁の具だけでも、バリエーションは無限にあって、作るのも、食べるのも、絶対に飽きないから。
 
要は、毎日ちゃんとした料理を作らなきゃいけない、という強制や義務感からではなく、作りたいものを作る、美味しそうと思うものを料理する。楽しんでやるのがいいのだと思う。
 
さて、今夜は何を作りましょうか。
楽しみだなあ。
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2017-12-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事