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自分史上最高の自分孝行


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記事:猪瀬祥希(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
「自分のこと、いつも後回しにしているでしょ?」
その日初めて会ったセラピストは、私の背中を軽く触れただけでピタリと言い当てた。
 
たしかに、自分でもお人好しだと思う。
他人から、面と向かってそう言われたこともある。
例えば、友人と食事に行くときは、自分がお店選びと予約をするのが通例だ。
よく食べ歩いているので、安くて美味しいお店をたくさん知っている。
そのせいで、頼りにされているうちにその役割が定着しているのだ。
あと、人の悩みを聞いたり、解決するのも得意だ。何気ない会話から、悩み相談に発展してしまうことはよくある。
他にも、写真撮影のこと、イベントの手伝い、ホームページ制作など、相談や依頼は多岐にわたる。
器用貧乏と言えばそれまでだが、何でもそれなりにこなしてしまうので、周りからすればなかなか便利なのだろう。
もちろん、すべてに対応できるわけではない。
しかし、困っている人を黙って見過ごすわけにもいかないので、可能な限り対応するようにしている。
本来なら仕事として料金が発生するような場面でも、つい手を出してしまうこともたまにある。
この点がお人好しなのだろうが、自分が役立つことをして目の前の人の喜ぶ顔を見ることができる。それは、自分も嬉しいこと。
それでいいじゃないか。お人好しの何が悪い。
つい先日まで、本気でそう思っていた。
 
突然、イライラが止まらなくなった。
昼も夜も、関係ない。
家でイライラ、電車でイライラ、外出先でイライラ。
一人だろうが誰かと一緒だろうが、関係なくイライラ。
何が原因なのかさっぱりわからないので、余計にイライラする。
誰かに話を聴いてほしいと思ったが、誰に何を話していいのかもわからない状態だ。
でもこのままでは、おかしくなりそうだ。
そう思い、勇気を振り絞ってフェイスブックで助けを求めた。
そこで、ある人に紹介してもらったのが、普段は地方で活躍しているセラピストだった。
たまたま東京に来ているタイミングだったので、診てもらうことができたのだった。
 
「本気で他人を幸せにしたいなら、自分の順番は最後じゃなくて最初ね」
セラピストは、シャンパンタワーの法則について教えてくれた。
シャンパンタワーとは、グラスをピラミッドのように積み上げ、一番上のグラスからシャンパンを注ぐと下のグラスが徐々に満たされていく演出のことだ。
一番上にあるグラスが自分自身だとすると、最初に満たされるのは自分。
その後、徐々に周りにいる人たちが満たされていくのだ。
だから、周りを幸せにしたいのなら、まずは自分を溢れるほど満たす必要があるのだ、と。
 
羽を広げる。羽を休める。
昔、人間の背中には羽が生えていたのだろうか。
そんなことを感じさせる言葉が、存在する。
羽があれば、どこへでも好きなところへ飛んでいくことができる。
空を自由に飛べることへの憧れは、飛行機が飛び交う現代であっても昔と大して変わらない。
では、今もし羽があったとしたら、自分はどこへ行ってみたいのだろうか?
とても恥ずかしいが、今はこの質問に答えることができない。
 
自分のやりたいこととか、実現したいこととか、そうしたいわゆる夢がない。
だから、人のことをまるで自分のことのように扱ってしまう。
相手の想いや願いが実現できるように、自分の持てる力を振り絞って全力で支援する。
支援を頼まれれば断ることは苦手だし、そもそも他人中心でものごとを考えてしまう癖がある。
その結果、相手は想いが実現して満足するかもしれないし、そのことで感謝してくれるかもしれない。もちろん、それはそれで嬉しい。
しかし、そんなことを続けたところで、自分は自分のために何かを残せているのだろうか。
むしろ、たくさんの時間とお金を使うだけなのではないか。
お人好しの理由は、こんなところにあるのかもしれない。
 
いつの間にか、寝てしまっていたようだ。
セラピストに起こされると、不思議とイライラは消えていた。
そして、驚くほど身体も心も軽くなっっていた。
まるで、羽が生えたような感覚だ。
やっぱり、人にはもともと羽が生えていたに違いない。
実際に空中に飛ぶことができるかどうか。それは、大した問題ではない。
肝心なのは心に羽が生えているかどうか、だ。
心に生えている羽を、肉眼で直接見ることはできない。
しかし、心を自由に飛ばせる人には、夢がある。
夢は、他人に語ったり、実現に向けて行動したりすることで実現する。
もちろん、夢を実現することが人生のすべてではない。
しかし、夢がなければ何も実現しない。
 
そのために、まずは自分の心に羽を授けることにしよう。
その第一歩が、自分孝行なのだ。
 
よし、決めた。
今年の年末年始は、好きな食べ物、好きな場所、好きなこと、なんでもいい。
自分史上最高の自分孝行をすることにしよう。
 
そうすれば、来年は自分史上最高の一年になるに違いない。

 
 
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2017-12-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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