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踏絵の連続のようなお受験に意味はあるのか?


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記事:渡邊壽美子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
12月下旬。小学校のお受験のすべて終わっている頃だ。良い結果になっても、ならなくても、お受験を頑張ったお子様、親御様には本当にお疲れ様と言いたい気持ちだ。そして、これからお受験させようかどうか迷っている方もいらっしゃると思う。お受験の話は少しデリケートで人に聞きにくかったりする。
 
2年前の今頃、私は、娘にお受験をさせる気持ちなど全くなかった。むしろ「5~6歳の子供に受験なんて」と思っていた。そんな私がなぜ、小学校のお受験を経験することになったのか?
 
きっかけは、占いである。
あるご縁で、占いの先生に私と家族の運勢を見てもらう機会があった。先生に娘の生年月日を伝えると、
「この子は、伝統校に行かせなさい」
と、言われた。なぜ伝統校なのかはよくわからないが、あまりにきっぱり言われて、理由は聞けなかった。客観的にみると本当に馬鹿げているかもしれない。しかし、どうやらそこから私と娘のお受験が始まったのだと思う。
 
とはいうものの、お受験ってどうしたらよいのか全くわからない。グーグル検索で、「小学校 お受験」と調べると、実にいろいろな情報が出てきた。私立名門小学校は1年間の準備では無理らしいということがわかる。私立がだめなら、国立? しかし、抽選が通らなければ試験も受けられない。頭がくらくらする。この時点では本当にお受験をしようとはあまり考えていなかった。さらに検索すると、国立小学校の受験専門塾が自宅の近くにあった。軽い気持ちで体験コースを受けてみることにして、インターネットで申し込んだ。
 
体験コースの当日、娘と一緒に行ってみる。娘と同じような年齢の子供たちが、親に手を引かれて塾に吸い込まれていく。先生とあいさつして、子供たちは親と離れて勉強や運動をするらしい。娘は母親の私と離れるとき、泣き出してしまった。あ~、この子には受験は無理なんじゃないか、と思った。
 
親は別の部屋で「お受験」についてのお勉強をする。こんな世界があったのだ。まさに「あなたの知らない世界」だ。お受験専門塾の先生は、その道何十年。各校で「どんな問題が出るのか」「どういう言動の子が合格するのか」「学校によって好みの生徒がどう違うのか」など、詳細に説明している。本当に色々研究されている。そして、「親御さんの心理」のケアまでしてくれる。感心しながらも、少し冷めた気持ちで聞いていたが、周りの親御さんは私よりもっと真剣に聞いているようだった。1時間ほどたつと、子供の勉強や運動の時間は終了である。
 
親と離れて勉強していた娘と再会すると、何やらとても満足そうだ。子供の勉強や運動を観察している先生がいて、それぞれの子供に対して、「人の話をよく聞いているか」「お友達と仲良くできるか」「きびきび動けるか」など点数をつけた紙をくれる。小さい保育園でおっとり育っているから、こういうところに来て、学校の練習をするのも悪くないかなとも思った。
 
何日か経って、塾から郵送物が届く。「入塾テスト 合格」の文字。そういえば体験コースは入塾テストを兼ねていたのだ。騒がしいお子様がいると、うまく授業が進まないということで、そういう選抜もあるのだろう。
主人に相談してみることにした。
「今から塾ってどう思う?」
「う~ん。はーちゃんはどうなの?」
「結構楽しそうだったよ」
「じゃあ、通ってみたら?学校の準備にもなるし」
「そうしようか」
そして、本人にも聞いてみる。
「この間行ったところ、また行きたい? 学校の準備するところだよ」
「行きたい!」
という声に、入塾することにした。決して安くはない受講料だが、娘が辞めたくなったら辞めればいいかということで、週に1日通うことにした。毎回、お絵かきやパズルやお手伝いの宿題が出る。共働きを理由に、宿題は適当な取り組みだったが、先生方の指導もおかげで、娘はだんだんしっかりしてきた。受験に合格しなくても、何かの役に立ちそうだなという感じで取り組んでいた。
 
そうこうしているうちに、あっという間に、秋が来て、願書を出す時期になった。願書はどのタイミングで出すか、願書を出すときの服装や試験のときの服装など、色々な指導があった。そこまでやるかな、という疑問をもちながらも、せっかくここまで準備したのだからと、寒い朝に、早くから学校に並んで願書を出したりもした。何箇所か間違えて訂正印付の願書を出した学校もあった。やれやれ。ダメなママである。
 
国立大の付属小学校は、応募者が多いので一次が抽選、二次が試験、三次が抽選という形式をとるところがほとんどだ。娘は四校願書を出し、二校試験を受けることができた。親子で遊ぶという試験も経験もした。しかし、最終抽選を経ると、どこもご縁がなく、あっけなくお受験は終わってしまった。本人は、近くの学校にお友達と一緒に行けるし、赤いランドセルがもてるとケロッとしていたのが救いだった。
 
小学校受験は、まさに親の受験である。我が家の場合、親が今一つ中途半端だったようだ。「ここまでできますか」ということを突き付けられて、疑問を持たずにやりきることができなかったのだ。お受験は踏絵の連続だ。やると決めたら、次々と踏絵を踏んでいくしかない。踏絵を笑顔で踏んでいける人が合格するのかもしれない。お受験するかどうか迷っている親御さんは、自分達は踏絵を踏んでいけるかタイプかどうかを一つの判断材料にされてもよいのではないかと思う。
 
娘は今、近所の公立小学校に、毎日楽しそうに通っている。私立や国立にはない幅のある多様性の中で色々なことを学んでいる。そして、お受験で準備したことは本人にとっては無駄にはなっていない。結果ではなく、努力することが大事という、一番重要なことを学んでくれたと思う。
 
 
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2017-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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