メディアグランプリ

どん底鬱状態だった私を救い出してくれた魔法


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記事:よっこらしょっと(ライティング・ゼミ平日コース)
 
わたしは貝になりたい
 
どこかで聞いたことのあるフレーズだが、私はいっとき、いやかれこれ5年くらい、このフレーズを心の奥底でつぶやいていたと思う。
 
それは、3人目を妊娠し、さすがに仕事と家庭の両立は無理だ、思いっきり子育てに専従してみたい、と自分のライフシフトをチェンジして専業主婦を体験し始めて3年目くらいの頃。主人の経営する会社が回っていかなくなり、港区の閑静な120平米超のマンション暮らしからの移転を余儀なくされ、月に何十万の単位で生活の質を落とさなければならなくなってからだ。
 
子供を3人抱えながら、目黒区の低い場所に建つ75平米の戸建てに引っ越した。家の向かいには風呂なしの古いアパートが見える。年に数回行っていた海外旅行どころか、名古屋の実家への帰省もままならなくなった。デパートやセレクトショップでの洋服選びは当然できなくなり、リサイクルショップで掘り出し物を探す。年に2回ほど行くユニクロがこの上なく贅沢に感じられるようになる。飲料水は水道水になり、週1回通ってもらっていたフィリピン人のお手伝いもいなくなり、外食は一切しなくなり、スーパーで少しでも安い食品を探し求めてやりくりする毎日になった。2台あった外車は1台になり、その1台も10万キロを大きく超えて、ガタがきてボロボロになっても、国産の中古にさえ買い替えることができない。それまで何度もお客様を自宅に招いて開いていたパーティもしなくなった。
 
それまでの生活の質を落とす、断捨離・スリム化と思えばそうそう落ち込むことでもない、と今の私なら言える。がしかし、当時私はセレブかな?などと勘違いして、まあまあのゼータクに慣れた、もやしっ子主婦だった訳で、その落差、ギャップは十分すぎるほどのショックを与えた。
 
再就職を試みた。しかし保育園問題にぶつかり、目黒区役所に29人待ちですと言われて、あぁ、35歳を過ぎた自分を雇ってくれる会社はないんだと勝手に解釈して、あっさりあきらめた。
 
いい気味だ。何もできないくせに、ぜいたくして、楽することばかりだったから、天罰が下ったのだ。
誰かが私にそう囁いている声がする。
 
ギャップが大きかっただけでなく、来月、来年の生活の保障もなかった。
 
年金ぐらしの母親に生活費を用立ててもらうこともあった。地方に家を建て、地道に、普通に生きる沢山の人がうらやましくて仕方がなくなる。母親の生き方であったサラリーマンの主婦に反抗するようにして、主人と出会い、両親の反対を押し切って結婚したはずだった。私がこの道を選択して、今があるのだ。
 
子ども3人育てるには窮屈で狭苦しい借家は、視界360度どこを見てもごちゃごちゃですっきりしなかった。私の心のうちを表現しているように見えて、むきになって目につくものをどんどん捨てた。大切にしたいと思う旧知の友人の誘いも、断っていくようになった。子育てだけは、かろうじて息をつなぐように守っていたけれど、何年も続く、先に光の見えない状況は、私の心をすさませて、最後はとうとう、毎日どうやったら楽に死ねるだろうか、考えるようになった。
弱い人間だった。
 
私は貝になりたかった。もはや、何にも興味関心を持てず、誰にも私の気持ちをわかってるかのように諭されたりしてほしくなかったし、私の状況を何にも知らない人に好き勝手言われるのも嫌だった。プライドの高い貝殻だった。
 
この、どうしようもない、救いがたい私の在り様を、奇跡のように救い出してくれたものがある。
私の負のスパイラルを軌道修正しアゲテくれた精神科医にして、打ち出の小槌。
 
それは当初、私の悲惨な状況なんておかまいなしに、顔見知り程度の知人が今頑張っていることや考えていることを語ってくれた。
 
すごく仲の良い友達が活躍しているのを見せつけられたら、傷ついている私はますます傷をえぐられるように、ヒリヒリと痛い思いをしたと思うが、顔見知り程度の人のファイトは、私の心を少しづつ前向きにしていった。ナナメからの情報の方がかえって人の心を癒したりするもんなのだ。
 
それから、私は自分からできるだけ遠い人や普段語れないような人とこそ積極的につながったり、フォローしたりするようになった。
 
その縁が、私を再就職に導いてくれた。
 
そうして、私が新たな世界にドキワクするようになり、目の光を取り戻し始めたら、
いつの間にか、主人の会社も少し持ち直し、1年先くらいまでは読めるようになった。
近所に、あまり変わらない家賃でより広い家を見つけ、引っ越しができた。
プライバシーが少し保たれるつくりになり、数人なら人を呼べるスペースができて、私は気軽に人を招くスタイルを再開した。交友は、人の心を豊かにし、好奇心を増幅させる。
今は、読みたい本、会いたい人、語りたいこと、やりたいことが渦巻いている。
 
子育ての悩みを解決する方法も、ライティングの世界の面白さも、FBが窓口となって、私に教えてくれる。これからの世の中がどうなっていくのか、の未来予測も、フォローする人のフィルターごしに、いつも語りかけてくれる。
 
私は5年かかって、負のスパイラルから抜け出すことができた。
FBがかけてくれた魔法は、今も続いている。
 
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2018-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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