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男嫌いの私が神社を嫌いなわけ


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記事:姫蝶(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私は男嫌いだ。
 
小学生のころ、髪の毛はショートで、いたずら好きでやんちゃな子供だった。男嫌いだったが、男の子の友達はいた。
性格はさばさばしていて、女の子同士のお喋り(うわさ話し)は嫌いだった。
学校の先生からは、「くん」付けで呼ばれていた。でも、決して男の子になりたかったわけではなかった。
 
男嫌いだからといって、自分が女性であることを否定しているわけではない。
いつ頃からだろうか。性格が男の子っぽいので、せめて見た目が女の子っぽく見えるように、髪の毛を伸ばし、ひらひらした服を着ることが多くなった。
 
社会人になり、20代のモテ期には、男性に言い寄られることもあったが、言い寄られることがすごく嫌だった。
あるとき、会社の先輩に「どうして男嫌いなの?」と聞かれて、「あっ!」と思い当たることがあった。そういえば、私は男嫌いだが、別に父親が嫌いなわけではない。
 
そうだ。私は男性が嫌いなのではなく、男性が羨ましかった、妬ましかっただけなのだ。
そして、男性から「女性」として、恋愛対象として見られるのではなく、一人の人間として認められたかったのだ。
 
 
私が生まれて、両親、祖父母が、神社にお宮参りに行ったときのことだ。
その神社は、絶大なご利益があるということで、大阪ではパワースポットとして有名なのだが、私の生年月日を見た神主さんが「男の子だったらよかったのに!」と言ったのだ。
神主さんいわく、私がもし男の子だったら、ものすごい最強の運勢だったらしい。
 
その話しを両親から聞いたのは、いつ頃だっただろうか? その話しを聞いて、幼心に傷ついたのかすら、全く覚えていない。記憶の奥深くに押し込めて、すっかり忘れていた。
そういえば、小さいころ、祖父母が「男の子だったらよかったのに!」と言うのを、たびたび聞いたような気がする。
私の結婚式のとき、祖母は「お嫁に出すのが惜しい!」と悲しんだ。また、母は女の子しか生めなかったことを悔やんでいた。
そして、私は父方の家を継ぐことを決めた。
 
 
私は大学を卒業し、男女雇用機会均等法により、総合職として就職したが、会社では教育訓練や昇進面において、男女の差は歴然としていた。女性だからという理由で、出張制限があり、研修を受けられなかったし、留学にも行かせてもらえなかった。
 
社内では女性というだけで、なにかと目立ち、叩かれることも多かった。でも、次に続く女性社員のために、負けたくなかった。
女性活躍推進法が成立する少し前に、社内で数%の女性管理職に昇進したが、もしかすると、私はずっと、「男の子だったらよかったのに!」という「呪い」に縛られ、会社で戦い続けたのかもしれない。
 
私は家を継げる男性が羨ましかった。自分より仕事ができない男性が留学に行かせてもらえるのが羨ましかった。
そして、私を「男の子だったらよかったのに!」と言った神主さんを許せないと思った。神に仕える神主さんが、男女の差別をしていいのか? 神社の権力を使って、私が女性であることを否定するなんて!
私は勝手に傷ついた。だから、私は男嫌いだし、神社嫌いなのだ。
 
 
そして、私は占いも嫌いだ。
なぜなら、占いで人生が決まるはずはないし、人生は自分で切り開くべきだと思うからだ。
私を「男の子だったらよかったのに!」と言った神主さんは、四柱推命かなにかの占いに基づいて、私の生年月日を見て、勝手にそう判断したのだと思う。まったく、失礼極まりない!

そんな占い嫌いの私だったが、四柱推命を学ぶ機会があり、自分の生年月日を分析して、納得できたことがあった。
確かに、私の命式(生年月日を干支に置き換えて表したもの)は一般的に女性に適した、家庭的で穏やかなものではなく、エネルギッシュで、男性っぽいものだった。
でも、だからと言って、「男の子だったらよかった!」ということではない。それは、単に、神主さんの価値観に基づく判断だ。

 
 
人間の価値観や思考は、些細なことで決まりがちである。
 
自分が無意識にこだわっていること、直感的に嫌いだと思うことは、もしかすると、無意識レベルで傷ついた経験から、それを本能的に避けようとしているのかもしれない。
 
「男の子だったらよかったのに!」という言葉は、両親や祖父母が、私に「期待」する気持ちの裏返しだ。そして、その言葉に私は勝手に捕らわれてしまった。
しかし、嫌いなことを単に避けるのではなく、それに立ち向かうことで、得られるものは計り知れない。四柱推命を学ぶことで理解できたこともあったし、会社では男女差別を受けたが、女性だからチャレンジできることもあったし、女性だからこそできることも多いということも学んだ。
 
今はもう、男嫌いだとか、男性が羨ましいとか、男性と戦うとか、そんなことはどうでもいいと思っている。もし戦う相手がいるとすれば、それは自分自身なのだから。
 
 
今年の誕生日、父がくれたメールに「男だったら、すごい運勢だったと神社で言われた」と書かれてあった。父は、いまだに無神経にそんなことを、娘に言う。
父のメールを見て、むかっとした。
 
女で悪かったね! 男とか、女とか、関係ないじゃない!
でも、やっぱり、父には、「娘でよかった」と言ってもらいたいなあ。

 
 
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2018-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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