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試験に落ちないと、勝利の女神が微笑んでくれない人生の法則


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記事:松尾英理子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
受験シーズン到来。毎年この時期になると決まって思い出すことがある。
35年前の2月2日。
前日に受験した第一志望の女子中学の合格発表を見に、母親と一緒にバスに乗った。
試験に手ごたえがあった私は合格する自信があった。
学校前のバス停に到着すると、合格者の受験番号が書かれた掲示板にめがけ、笑顔全開で一気に走った。
今でもはっきり覚えている私の受験番号は、141。掲示板に自分の番号を探した。
139、140、142、145。
「あれ、ない? うそでしょ」
ぱっと見た感じ、合格倍率は2倍ちょっと。信じられない思いで、落胆して帰ろうと思ったその時、掲示板の隅にかかれた「補欠となった皆様へ」の文字が目に入る。
合格者の受験番号の半分程度の大きさで書かれた5名程度の補欠番号に、私の受験番号141があった。
補欠って。 
不安な気持ちで、学校の事務所に向かった。
「現時点では補欠です。明日以降で入学できるか決まります」
「合格できる可能性はありますか?」
「現時点では何とも言えません。合格の場合は後日連絡します」
「入学したいです。どうかよろしくお願いします!」
そう言って何度も頭を下げた後、掲示板の前で合格を喜ぶ受験生を横目で見ながら、学校を後にした。
それから2日間、生きた心地がしないまま過ごした。
翌々日、学校から連絡があった。
合格だった。泣いた。
受験番号前後の子が合格だったこともあり、私が補欠で繰上げ合格であることは友達の誰もが知ることになった。
今思えばたいしたことのない話だが「補欠だったらしいよ」と常に影で噂されている気がしていた。
最初のテストで平均点以上を取ったら「補欠入学だったのにすごいね」と先生に言われ、私は補欠のレッテルを貼られたまま、学校生活を送らねばならなかった。
でもいつの間にか「補欠のレッテル」は私のカンフル剤になっていた。
そして6年後の卒業式。
「補欠で入学したのに、ここまでよく頑張りましたね。これからの人生も現状に甘んじずあきらめずに、向上心を持って進むのですよ」
先生からもらった言葉に、明日から「補欠の私」から解放されることに喜びを感じた。
 
その後大学を卒業し、新卒で勤めた会社が長続きせず、20代で2回の転職を繰り返した。
30歳手前で、やっとやりたいことが見えてきた時、それが実現できそうな会社名が新聞の採用情報に掲載されていた。
「営業拡大につき、営業社員若干名募集」
すぐにエントリーし、その後試験と面接を重ね、最終面接まで行き着いた。
最後の面接は、言いたいことも全て話し切って悔いなし。
「採用の連絡は1週間後にしますからね」と担当者から笑顔で見送られ、相当の手ごたえを持って帰宅した。
採用の連絡が入る日はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日翌日だった。
私はボジョレー・ヌーヴォーを買い、合格の知らせを受けたら母と飲もうと計画し、タンスの中に瓶を忍ばせた。
翌日、電話が鳴り、喜び勇んで電話に出る。
「とても残念ですが、今回はご縁がなく申し訳ありません」
予想に反した電話先の担当者の言葉に、咄嗟に「わかりました。また機会があったらチャレンジしたいので、よろしくお願いします!」と、なぜここまでポジティブになれるのかと思える空元気で答え、電話を切った。
予想外のゲームオーバーに落胆した後、気持ちを切り替え始めた1ヵ月後、その年もあと2週間と言う時、電話が鳴った。
落ちた会社の採用担当者からだった。
「実は一人、辞退者が出ましてね。もしまだお気持ちあれば、入社されませんか。お断りのお電話をした時、ポジティブな言葉を返されたことがずっと気になってはいたのですが。偶然にも辞退者が出たので、これもご縁。是非前向きに考えてみてください」
その電話で入社を即答し、タンスで1ヶ月熟成したボジョレー・ヌーヴォーを取り出して母と乾杯。
2週間後に迫った年明けの入社式への準備を急いだ。
入社式に出席した20名のうち、私以外は既に複数回、内定者の会で顔を合わせていた。
入社式の日、全員から「あれ、君こないだまでいなかったよね?」と言われた。
そう、中学受験の再来だ。
私は「一度落ちたけど、運よく入社できた人」として第2の会社人生をスタートすることになった。
 
私の人生、一度落ちないと、勝利の女神が微笑んでくれない法則みたいだ。
ライティング・ゼミも同様。今回はイケるはず、と思って自信満々でスタッフのレビューを待っていると「○○が足りなかったですかね~」というコメントが必ず入ってくる。
それが悔しくて奮起すると、次回は掲載してもらえるという繰り返し。
 
人生、一筋縄ではいかないことだらけ。
たまに1回でうまくいくこともあるけど、そういう時は決まっていい状態が長く続かない。
皮肉なことに、一度×がついてから逆転勝利するほうが、いい状態の持続力がある。
そんなことを何度も積み重ね、最近は「失敗するのも悪くない」と思えるようになった。
だって、次はきっと、勝利の女神が微笑んでくれるはずだから。

 
 
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2018-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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