メディアグランプリ

なんとなく廃絶宣言


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:金城唯仁(ライティング・ゼミ日曜コース)

「先生俺受験諦めようと思う。ありがとう」
そういってまた一人僕の目の前から生徒が去っていった。必ず全員を受験する場に立たせる。そう毎年決意して臨むのだが、全員を送り出す事はまだできていない。思えば、予備校業界に勤めて4年目色んな生徒と向かい合ってきた。嬉しい事にも沢山出会えてきたけど、自分の力の無さに悔しい思いをした数の方が多いかもしれない。

入塾当初は「1年間がんばります」と入塾してくるのだが、いつの間にかその思いは消えフェードアウトしてしまうのだ。なぜ、彼らはそんな思いを持って入塾してきたはずなのに、諦めてしまうのか? それはきっと、流されて受験に臨んでしまっているからではないかと僕は思う。

自分で決めた道でないからこそ、諦める時も何かのせいにしてしまう事も多く、いつの間にか逃げ道を作っている感じがするのだ。でも、だからといって彼らのせいだけかといえば、一概に彼らだけの責任でない気もしてくるのだ。

そう思うようになったきっかけは、ある女の子との出会いからだ。

毎回入塾する時に、
「なんでその大学に行きたいの? 本当にそれはあなたが行きたい所なの?」
と質問するようにしているのだが、いつもと同じように彼女にも質問をぶつけた。
すると彼女は、「う〜んお母さんが自分みたいに苦労して欲しくないから、絶対に資格を取れって言われた。だから私は〜大学に行くの」と答えたのだ。「ちょっと待って、大学ってお母さんが行く所じゃないよね? 本当に行きたい所にいった方が良いんじゃない」
との僕の問いにも「う〜ん、あんまりやりたい事もないし、とりあえずお金は出すって言っているから大学は行っておこうと思う」と全てが、自分ではなくお母さんが言ったからという理由だった。

もちろん、そんな思いで入塾すると当然のように勉強に熱が入っていない。塾に来るたびに居眠りをし、勉強しているかと思ったら、絵を描いているという始末。おいおいおいと思いながらも、やっぱり彼女が入塾時に話した事が気になり、呼び出して話しをする事に。

「お前さ、入塾時にも聞いたけど本当に大学行きたいの? 今のままだと正直どこも行けんよ。というか、この調子が続くなら正直働いた方が自分のためだと思うんだけど」
と今回はかなりきびしめの口調で彼女に話しをした。正直、ここで変わって欲しかったし、本当の思いに触れたかったから。

すると、急に泣き出してある事を話してくれたのだ。片親でお母さんに育ててもらってきたこと、高校受験の際に受験に失敗してお母さんをがっかりさせたこと。それからは何にも自信が無くなり、常にその場しのぎで生活してきたこと。

「だから、お母さんに喜んでほしい。それで大学行きたいと思ったんだけど、全然勉強に集中できなくて、そんな自分がまた嫌になって」と色んな思いを全部吐き出してくれた。その言葉は、今まで彼女から聞いたどの言葉よりも本気の思いを感じた。

「だからこそ、自分の本当に行きたい所に本当にしたい事にチャレンジするべきなんじゃない? きっと最初はお母さんも反対するかもしれない、だけど自分のしたい事じゃないときっと君は受験を諦めると思う」

彼女は無言で聞いてくれた。

聞いてくれたのだが、その話しの1ヶ月後彼女は塾をやめた。
でも、やめた理由はマイナスな感じではない。1ヶ月間本当に見違えるように、受験と向き合い、僕と毎日話しをし彼女はやめたのだ。今は「デザイナー」になりたいという夢を叶えるべく、バイトをしながら専門学校に行くお金をためている。

「お母さん最初に話した時は、物凄く怒っていたけど、今はたまにファッション誌買って置いてくれるんだ」と。そして「先生私、おしゃれな洋服を作って1番始めにお母さんにきてもらうんだ。それが私の夢なの」と笑顔で話してくれた。

この子との出会いで、周りの環境の大切さを知ったし、人が変わる可能性に触れる事が出来た。人間はいつからだって変わる事が出来る。でも変わるためには、本気になる事が必要なのだが、本気になるためには自分だけではどうしようもない事が多くある。

だから、僕はライティングゼミの受講を決めた。

受験生の気持ちになり、何かに挑戦したいと思ったし、もっと生徒に伝えられる事があるのではないかと思ったから。そして苦しくなった時でも、本気の人たちの中でなら頑張ろうと思えるのかを僕自身が感じ、その経験を元に伝える事が出来れば、もっとなんとなく受験を減らせるのではないかと考えたから。

でも残念ながら、まだ生徒に伝える経験は出来ていない。
それは未だ掲載出来る記事を書く事が出来ていないから。

だって、どうせ挑戦したからにはしっかりと結果を出し「わかるわかる、めちゃくちゃ気持ちが落ちる事もあるよな。でもさっ、本気の仲間たちが周りにいるから頑張れるよな。エッ! なんで先生が知っているかだって? 先生も同じように挑戦を始めたからさ」

なぁんて伝えたいから。

だから今日もパソコンに向かう。

全員がなんとなくではなく、やりたい事を見つけ、諦めずに受験に向かう。
そんな最高の未来を夢見ながら。
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2018-01-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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