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メディアグランプリ

『控えめな私をクレイジーに豹変させる方法』


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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関亮輔(ライティング・ゼミ平日コース)
 
“cảm ơn”
フォーを持ってきてくれたおばちゃんに対して、慣れないベトナム語を話す。
 
ベトナム語には一つの母音に対して6つ位音程があるらしく、
「あー↑」と、「あー↓」と、「あー?」で、全く意味が違う。
例えば、「ガー」は、「駅」と言う意味だが、「ガー↓」は、「鶏肉」と言う意味だ。
伝わりづらかったら申し訳ない。私の文章力ではこの表記しか思いつかない。
 
冒頭で私はおばちゃんに対して、「ありがとう」と伝えているつもりなのだが、多分発音的には間違っている。「まあ、観光客が言うことだし、ありがとうって言ってるんだろうな」と判断してニコリと笑ってくれているのだろう。
 
今もベトナム語を話せない私は、昔ベトナムに英語留学をしていた。
 
TOEICのスコアが足りないけど留学したいなーという安易な考えから、
ベトナムでも珍しい、英語で授業が行われる大学に留学することになったのだ。
 
学生は皆ベトナム人。先生もベトナム人。でも授業は英語で行われる。
初めの方の勉強は大変だったが、学生のみんなは非常に優しく、留学生に対して気さくに話しかけて友達になってくれた。そして、ご飯を食べに行ったり、週末は旅行に行ったりもした。
ベトナム人は自由な人が多くてカルチャーショックを受けたが、数ヶ月かけて何とか心と体を慣らすことが出来た。
 
そんな私は日本ではどちらかと言うと控えめで、人を笑わせたりはしないタイプ。
でも、ベトナムにいた時は、「クレイジー」とか「面白い」とか言われることが多かった。
日本人の常識が外国の人にとって面白かったのだろうか。
自分が控えめすぎて面白かったのだろうか。
いや、どちらも違う。海外にいた私はおそらく本当にクレイジーで変な人だった。
 
よく海外旅行に行く方はわかってくれるかもしれないが、
ベトナムに限らず、海外に行っている時はなんだか自分が別人のように開放的になる。
それは南国の陽気のせいだったり、日本では見られない建物の美しさだったり、謎の香辛料や得体の知れない野菜で彩られた食べ物だったり。
いつも暮らしている日本とは異なるもの全てが、人々を開放的にしてくれるのだと思う。
 
ただ、一番の要因になっているものは「言語」だと私は思う。
言語力が足りなかったこともあり、私の英語は凄くシンプルだった。
日本語では「本当はすごく行きたいんだけど、ちょっと予定があるかもしれないから行けたら行く」と言いたい場面でも、
英語では”hmm… Yes!”としか言えないシンプルさ。
あんまりやりたくないことにも参加するのは大変だったけど、そのおかげで色々な物を知ることが出来た。
 
もしかしたら日本語には、私を縮こまらせる機能があるのかもしれない。
日本語には敬語と言うものがあるが、それが私を遠慮がちで控えめな人にしているのかもしれない。
 
例えば、テーブルの上に醤油があるシーンを考えてみよう。
英語では相手が誰であれ、「そこのお醤油とって」だ。
日本語のように人に応じて変に遠慮したりしない。
友達には「そこの醤油とって」
先輩には「そこのお醤油取ってもらえますか」
更には、「差し支えなければ、そちらにあるお醤油を取っていただくことは出来ますでしょうか」などと外国人は使い分けないだろう。最後のはちょっと極端かもしれない。
 
私は言語学を学んでいないのでよくわからないが、言葉はそれぞれ成り立ちが違うと聞く。
エスキモーと言う極寒の地域に住む民族は、「雪」という意味を表す言葉を52個も持っているらしい。
うわあ、すごい! と思う方もいるかもしれないけど、
日本語だって、”rain”という意味を表す言葉が何十通りもあることが、海外の方に驚かれている。
 
言語には、今までの話者の歴史が詰まっているのだと思う。
多分英語を話してきた人たちは、日本人よりもズバッと物をいう人が多いのだろう。
英語のシンプルな文法は、私をシンプルに、素直にさせてくれた。
 
そんなズバッと物を言うようになっている私に、ベトナムの自由な文化が折り重なってきたのだ。
言語と環境のダブルの衝撃は、日本の奥ゆかしい、控えめな文化に抑え込まれていた「クレイジーな私」の目をさましてしまった。
 
言語と環境で、人は変わる。
それまでずっと日本で暮らしていた私にとって、この変化はめちゃくちゃおもしろかった。
 
別に外国語を学ばないといけないわけじゃない。
同じ日本語でも、仕事をしている日本語と、恋人とイチャイチャしている日本語は違う言語だ。小説家が使う日本語や、プログラマーが使う日本語も多分違う。
 
今まで踏み入れたことのない世界に進んでいけば、またあのめちゃくちゃおもしろい気持ちになれるだろうと夢見ながら、今日も私はパソコンと格闘を続けて自分の世界を広げる。
***

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2018-01-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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