メディアグランプリ

まわりは王子様だらけ


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記事:よっこらしょっと(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
久々に、王子様に出会った。
 
ヨノナカの女子にとって、王子様という言葉は、はやり特別だ、と思う。王子様を嫌いな女子はいない。物心つくころには、シンデレラストーリーに出会い、沢山の王子と姫の物語に出会い、リアルに王子様と出会えることを願うようになる。10代20代の女子は言う由もがな、アラフォーになったって、還暦を過ぎたって、余命いくばくもなくなって、もう自分がオトコだかオンナだかわからないような体裁に老いさらばえようが、そんなことは関係ない。
 
オンナの心には必ず王子様がいる。
 
ところで、王子様って、どんな人?  
世のオトコたちが、いつの時代も、可愛くてナイスバディで清純健気なアイドルに鼻の下を伸ばすのに相対するように、
イケメンで、引き締まった肉体を持つ、爽やかな人なら、王子様? 
 
先々週の土曜日、私は久々に「王子様」に出会った。
それは、近所の区民センターで開かれた、低料金のピアノリサイタルの、兄弟ユニット。まだ20代後半だろうか。爽やかで色白の青年2人が、超絶技巧を駆使して、誰もが知ってる曲を豊かにアレンジして、ピアノを縦横無尽にかけめぐるのに出会ってしまった。
 
音が、呼吸してる。
小さな子供たちが何人も騒いでいるのをものともしない。
どこまでいっても、高速アレンジの二人の息が乱れることがない。
激しく、優しく、ロマンチックな音色が二人の、一見ただの爽やか青年によって紡がれていく。
 
聴き入りながら、思いを馳せる。
いったいここまで来るのに、どれだけ血のにじむ訓練をしてきただろうか。
 
私も幼少からずっとピアノを習ってきた。毎日毎日、1時間ピアノに向かってきた。そこでたどり着いた私の到達点なんかいうに及ばない、至高レベルで5本指を操る、この王子兄弟。
 
私は、自分の子供たちにもピアノを習わせているが、男の子にピアノを習わせるのは、女の子の何倍も難しい。
小学校にも行っていない、ピントのぼけた幼い男の子に、毎日練習させることは、私のエゴでねじ伏せるようなもので、サリバン先生とヘレンケラーのごとく、まさに闘いの場だった。小3になった今も、戦いは続いていて、我ながら閉口してしまうし、こんな風に無理くりピアノをやらせてていいのか、と毎日自問自答してしまう。
 
天性もあるだろう。導き方もあるだろう。でも、あそこまでの実力を、兄弟でつけることは尋常じゃない。まだ右左もわからない、自分の意志も何なのかわからないうちに始めなければ、ここまでいかないであろうそのテクニック。
あぁ、彼らの幼少期、小学生時代、すべての自由を犠牲にしてピアノに向かってきただろうと思うと、きっとお母様もすべてをそこに振り向けて育ててきただろうと思うと、もう、クラクラする。すさまじい努力の先のコンテンツは、圧倒的で、何人も寄せ付けない。これぞカリスマっていうんだと思う。
この、すべてをピアノにささげてきた爽やかな青年兄弟に支払われる対価の低さに、愕然とし、腹立たしさも覚え、応援せずにはいられなくなる。
はいっ、きました。王子認定。
 
王子様は、ただふわふわと、見目麗しく壁ドンすればいいわけじゃない。
オンナたちは、その陰にある努力の結晶を見極めて、王子認定するんだと思う。そこのところの嗅覚が、オンナをオンナたらしめていると思う。
水面下で必死に足をばたつかせてても、一見そんなそぶりを見せないのが王子様。
でも、私は、あなたの必死のバタ足をわかってるのよ。むしろ、私だけは、わかってあげられる。
そんな感情が、王子認定の背後にあるんだなー、と思う。
 
つまりは、よーく考えてみれば、私の周りには、沢山の「王子様候補」がいるんじゃないの?  
私には、夫がいて、2人の息子がいて、職場の仲間がいて、私の世界を取り巻くあらゆる場所に、オトコ達。
誰もがまだ道半ば。ヒーローズジャーニーの道の途中を歩いているんじゃないの。
そうよ。
かつて至上最高の王子だった、中年の夫も、まだまだ王子様。
息子たちは、まさにこれから王子様。
職場のあらゆる年齢の男性のお歴々も、まわりにいる挨拶程度の男性たちも、誰もが、ヒーローの栄光に向かって、必死に汗水たらしてる。
 
女である私は、こんな沢山の王子様候補を応援することができる。伴走することができる。愛でることができる。
なんて幸せ。世の中に王子様候補は半分もいる! 
 
これって、時代と逆行してる?
今どき、オンナこそが、活躍することを求められてる?  
 
でもね、どんな世の中になったって、オンナたちは、やっぱり王子様が好き。
そして、オトコは誰も、オンナたちの王子様候補。
しがないアラフォーのおばちゃんの私も、あなたが王子様になるのを信じて、日々を生き、あなたを愛で、ともに喜びあいたいと願っているのです。
 
あっ、王子様は可愛い姫がお好き?
失礼をば。

 
***

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2018-02-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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