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コスパのよい失恋だった


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記事:綿貫美紀(ライティング・ゼミ特講)
 
 
失恋した。
いや、23~27歳の貴重な時間をおじさんに捧げてしまっており、それを私から断ち切ることができたのだから、喜ばしいことかもしれない。
だが、後悔や喪失感、未練が残る感じ、これは失恋である。
 
何がダメだったのか?
記念日も祝わないし、会っても主にセックスしかしなかった。
 
それは、付き合っていたのか?
多分付き合っていなかったのだが、彼からの頻繁な浮気してないよねチェックや、私の願望がまざり、付き合っていると思い込むようにしていた。
それほどまでに、新しい示唆をくれるところ、独特の世界観やゆるぎない自信など、全体的に超好きだった。
 
別れるきっかけになったのは、彼が私の友達にちょっかいを出したからである。
これまでもしょっちゅうそういう事はあったが、私の好きで相殺して付き合いを続けていた。しかし、実際は相殺できていなかったらしい。ある時、彼が女の子と2人でタクシーに乗って帰るのを見たとき、私の悲しみの器が決壊。別れようと決めた。
 
受け入れられる悲しみが0になった。もう会いたくない。
 
そうLINEして、そのままLINEの連絡先を消去。
彼は意外と執着を見せ、Facebookと電話で連絡をくれたが、そこも削除&着信拒否をし、たまたま私の引っ越しも重なったので住所も不明となり、彼とのつながりを一切絶ったことになる。
嬉しかったので、Facebookメッセージのスクリーンショットをとって手元に残しているのはみっともない話だが、彼はそんなこと知らない。私はいい女風に別れることに成功したといって良いだろう。
 
この恋愛では学ぶことが多かった。
まず、人は他人が原因でこんなに悲しい気持ちになれるのだと知った。
私が想像する他人の痛みはかなり甘かった。人は何の気もない行動で、他人をこういう気持ちにさせることができるのか……と無知の知が更新された。
次に、自分で自分の責任を取るということ。
私は彼のおかげで常に背伸びしたい気持ちが芽生え、仕事もプライベートもアンテナ立ててがんばろう! と思っており、そう言う気持ちにさせてくれる人こそが魅力的な人間なのだと考えていた。私も、誰かにそう思ってもらえる人になろう、と。
そういう意味で、私って恋愛体質だから好きな人がいるとなんでも頑張れて人生楽しい! とよく言っていた。
 
なので、失恋して、自分はこれからも頑張ろうという気持ちを保てるのだろうか、という弱音を吐いていた時、知人から
「彼のおかげで頑張れるなんて言ってほしくない。お前は自分で頑張れる」
と言われ目が覚める気持ちになった。
結果として背伸びさせてくれる人は大事だけれども、自分がやりたいこと、やっていることの根本的なモチベーションは、自分で責任を取るもの。
周囲の人は彼なしの私そのものだけで評価してくれているわけだから、恋愛体質というカテゴリへの逃げは、その人達に対しても失礼なことなのだ。
もういい大人なのだから。
 
私の大好きだった彼は、自分の発言や行動、作るものにとっても自信がある人で、それは直に接していればもちろん、SNSの投稿でもわかることだった。
「笑」を使わないのだ。
 
ちょっと自信がなかったり、返答が面倒くさい時など、文末に「笑笑」「wwwww」をつけて紛らわしたことはないだろうか? 私はある。
もちろん冷たい感じを消すためにつけたほうがいい場合もあるが、笑が楽すぎて、とりあえずつける。笑を使うことで、詳細な言語化や気遣いのために考えることを放棄する。
 
私は、彼がもうおじさんだから絵文字とか顔文字とか笑とか使わないのだと思っていた。だがこれだけスマホが普及したこのご時世、使う人は使うし、年齢は関係ない。
 
自分の投稿に責任を取れるから、笑を使わないのだ。
私はそう解釈し、彼のその部分だけ真似することにした。
 
今年の1月1日から、コミュニケーションで笑、wを利用しない自分ルールを制定した。
ただ全面的に一切禁止だと苦しくなってしまうので、ちゃんと考えて、これは利用した方がいい、という結論になったときは時々使っている。
 
これがなかなか難しく、「あ、笑って打ちたい。ここで笑をつかわず、かつ相手をムッとさせないようにするにはどうしたらいいのだろう?」と思うシーンはたくさんあり、返信に時間がかかるようになった。
同時に、一つ一つの発言についてコントロールできる感じがあって、すごく楽しいのだ。
 
3年半も費やしてしまったけれども、一緒にいる間は楽しかったし、大きな感情の振れ幅や学びがあって、この失恋、損か得かでいったら確実に得だったと思う。
 
だけど、失恋をコスパで評価したって仕方がない。
得だからよかったじゃん、とはならないのだ。
 
2か月たった今でも信じられないくらい辛いし泣きそうだし、連絡先消しといて本当によかった、未練が残っていて全然ダメだ。
次の恋を始めるにはもう少し時間がかかりそうだ……
 

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2018-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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