メディアグランプリ

何で諦めるんですか? 他人に自分の人生決められたくねぇ! と彼は言った


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:べるる(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「げ! 牛乳ないよー。ちょっと買ってくるから子どもを見ててくれない?」
もうすぐ2歳になる娘は毎日毎日牛乳を飲む。飲む! と言い出したら飲むまで諦めないので、牛乳は欠かすことが出来ない。それなのに、さっき全て飲みきってしまったようだ。
夫に子どもを任せて、コンビにまで車を走らせる。
田舎では、コンビニに行くにも数キロ移動せねばならない。
 
やっぱり辞めようかな……。私なんかが受けるような講座じゃないんだ、きっと。
 
「人生を変えるライティングゼミ」をやっと、申し込んだところだった。書けるようになりたくて、でも子どももいるのに出来るのかな、と葛藤してようやく申し込んだ。
最初は、もうやるしかない。ま、主婦が文章を書くのだから、出来なくて当たり前だよ~と軽く考えていた。
でも、どんな文章が書いてあるのかな? と覗いた途端に自信がなくなってしまった。そこには私が到底経験できないような素晴らしい体験を綴ったもの、プロですか? という文章が並んでいた。
 
……出来ない。
きっと出来ない。私なんかが受ける講座じゃない……。
 
ただの主婦なのに、おもしろい素材なんてあるはずがない。書くという以前の問題ではないか。そういえばプロも受講するとも書いてあった気がする。
 
はぁ。
ため息をつきながら、ぐるぐると考える。
書けるようになりたい。でも私なんかが書けるのか。私なんかが講座についていけるのか。
 
だめだ。気分を変えよう。
 
ピッ
ラジオをつけると、トーク番組が流れた。
ゲストの白石さんという方とパーソナリティが、白石さんの経歴について話している。彼は、サッカーの本田選手の専属分析官をしているのだという。
 
へぇ~。
サッカーに全然詳しくない私でも、本田選手は知っている。分析官というお仕事は初めて聞いたが、言葉から察するに、データを分析して作戦をたてる仕事だろうか?
 
白石さんは、高校3年生の時にサッカーに出会い「人生をかけるのはこれだ!」と思い、
明治大学に入学後、サッカー部に入部しプロを目指す。
つもりが、なんと、入部すら出来なかった。
明治大学のサッカー部といえば名門中の名門。入部テストがあり、高3でサッカーを始めた白石さんでは通過出来なかったようだ。
 
ん? ではどうやって、彼はサッカーを学んだのか? と思っていると、なんと、南米に飛んだという。
 
そこまで聴いた時、コンビニが見えてきた。ウィンカーを出して、コンビニに入る。
車を止めてエンジンを切ろうとすると、パーソナリティが
「普通さ、明治大学のサッカー部に入れなかったら、サッカーを諦めるじゃない? プロを多数だしている名門チームだよ? ここに入れないってことは、プロにはなれないって思うじゃない? 凄い行動力だよね。本当に凄い」と言った。
 
そうそう、私もそう思う。この方がサッカー以前にどんなスポーツをされていたかは分からないが、普通はそう思うよね? サッカー部に入れないってことは、スタートラインにすら立てない。自分にはプロのサッカー選手になる才能はないって、諦めてもおかしくないよね?
 
しかし、彼はこう言った。
 
「え? 何で諦めるんですか? 自分の人生を他人に決められたくねぇ! って思ったんです。だから、南米に行ってプロになる道を探しました」
 
何で諦めるんですか?
自分の人生を他人に決められたくねぇ! って思ったんです。
 
私は、鍵を握り締めたまま、動けなくなった。
彼がさらりと発した一言に、身震いした。
なんていう強い言葉なのだろう。
 
彼にとって、サッカー部に入部出来なかったことなんて、サッカーを諦める要素ではないということ。
スタートラインに立てないのなら、自分で新しいスタートラインを作ろう! という行動力。
いや、それよりも、他人に自分の人生を決められたくない! 自分でプロになる道を作る!という強い意志。そんなことを思えるって、素晴らしすぎる。
 
私には「あなたには出来ないよ」「そんなに簡単に出来ることじゃないよね」という周りの声を聞いて、自分のやりたいことを自分で勝手に諦めてきたことが、沢山あった。
やってもないのに「出来るわけない」と、やってみることすらしなかった。
私がしたところで、どうせ出来ないし。やっても何にもならないしって。
 
だけど。
「他人に、決められなくていいんだ……」
 
私の心に、彼の言葉は大きく突き刺さった。
 
書く力が欲しいのならば、書けばいいのだ。
自分が思う道を、自分が本当にやりたいことを、やればいいんだ。
 
例え「全然だめですね」と言われても、書き続けてみてもいいのかもしれない。
「おもしろくないですね」と言われても、書き続けみてもいいのかもしれない。
毎週書き上げられなくても、書き続けててもいいのかも……。
誰にも読んでもらえなくても、書き続けてみてもいい……?
 
書く力が欲しいのなら、書いてもいいんだ!
 
彼がサッカーに人生を掛ける! と思ったように、私も今、書くことに力を注ぎたい。
だったら、すればいい。例え他人になんて言われようと、書けばいいんだ。
 
ぐちぐちと悩んでいた気持ちが、すぅっと晴れていった。
 
はっ!
牛乳買わないと!
 
握り締めていた鍵を回してエンジンを止め、牛乳を買いに行く。
車内に戻りエンジンを掛けると、さっきの番組は終わり、次の番組になっていた。
 
白石さんがその後プロになったのか、どうして分析官になったのかは分からない。
でも、彼はたぶん自分で道を切り開き、プレイヤーとしてやりきったのだろう、と思う。そしてまた分析官としての道も、きっと全うしているのだろう。
 
私も書くことを全うしよう。
誰でもない、自分で自分の人生を決めるのだ。
 
すっかり気分のよくなった私は、ラジオのボリュームを上げた。
ハッとするような言葉に出会えるラジオって、やっぱりいいな。
そんなことを思いながら、家へと車を走らせた。
 
 
***

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2018-02-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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