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家選びは人生の選択


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:夏目則子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
今、オフィスを探している。間借りから独立して、いよいよ自前のオフィスを構えるのだ。まだ個人事務所に毛が生えた程度の規模なので、マンションの事務所使用を想定している。早速、知人に不動産会社を紹介してもらい、相談がスタート。まずは条件の設定から。エリア、広さ、駅からの距離、そしてもちろん家賃。条件的には何とか無理はないはずであった。
 
そしていくつの物件の紹介を受ける。何十かの物件情報を見ているうちに、私には大事な要件が別にあったことに気づいた。物件の見た目に妥協ができなのだ。水回りの美しさ、建物のモダンさ、フローリングの木材のセンス、建物に足を踏み入れた時の雰囲気など、感覚的要件が私の判断の邪魔をする。その結果、築浅であることが条件に加わった。築年数が古い物件は、内装をリフォームしてあっても、建物外観に古さが出ていて好きになれない。事務所使用可というもともと高い壁があったのに加えて、築浅にすることで、物件選びの条件は急激にハードルが高いものになった。
 
加えて、街の雰囲気も相当こだわっている自分に気づいた。建物を出た瞬間に感じる感覚や、駅までの道のりで感じる気持ちである。明るく活気があり、あか抜けた様子でないと気持ちが落ちてしまう。さらに贅沢が言えるならば、居心地の良いスターバックスが近くにあることも重要である。もちろん他のおしゃれなカフェでも良いといえば良いのだが、アメリカの映画で描かれるスノッブの象徴としてのブランドは外せない。そうやって立地条件が加わると、さらに選択肢はグッと減る。というわけで現在、私のオフィス選びはかなり苦戦を強いられている。
 
結局は物事の選択において、私はロジカルな条件よりも、エモーショナルな条件を優先する傾向にあるようだ。そのため、ロジカルな条件の何かをあきらめるしかない。エリア、広さ、駅からの距離はエモーショナルな条件にリンクするので、結局妥協したのは、家賃ということになる。今、当初予算よりかなりオーバーなところで、物件候補を絞っている。
 
そういえば、若い頃、初めて自分で自分の住む家を探すときにも、同じだったなと思い出す。当時、離婚して娘と2人の生活をする家を探していた。その時考えたのは、世に言う標準世帯なら狭い家で肩を寄せ合っても幸せかもしれないが、母子家庭だからこそ無理してでも十分に広い家に住みたいと思った。それで自分の収入に対して家賃が高いところを選んだっけ。ファイナンシャルプランナー的なことを言えば、間違った選択だったろう。でもまあ結果、その家賃に年収が追いついてきたので、人生においては良い選択だったと言ってもよいだろう。
 
そうだ。家を選ぶということは、どんな人生を選択するかということなのだ。正しい選択だけが人生を切り拓くわけではない。自分の感覚を大事にし、自分の感情を高めることができる選択をすることで、結果、自分なりの人生を切り拓くことになるのだ。まさに今回のオフィス選びは、自分の会社をどうしたいかというビジョンを決めることだ。だとすると、条件だけではない、自分の直観を大事に選択しよう。会計士に相談したら、利益に対して賃料が高すぎると言われるに違いない。でも、私にはそういう選択をする方が良いだと信じよう。
 
ところで今住んでいる家は、抽選で当たった賃貸マンション。かなり高倍率にも関わらず当選したため、ラッキー! と思って、細かな条件を考えるまでもなかった。そしてそこに20年以上住んでいる。途中、家を買おうと探したが、あれこれ迷っているうちに、結局今の家より好きになれる物件に出会えることがなく、断念して今にいたる。おそらく、もう余程のことがない限り、このまま住み続けるだろう。自分で色々選択した方が却って悔いや後悔が残り、偶然の選択の方があまり色々と気にすることがないのかなと思う。そして、その家に引っ越してから、人生がどんどん変わった。新しい職場に変わり、キャリアアップにつながった。新しい交友関係が広がり、今までの生活とスタイルが変わった。その引っ越しが、私の人生の転機にもなったのだ。
 
家を選ぶという行為は、人生そのものの選択である。
 
今回のオフィス選びも、会社の転機、ひいては自分の人生の転機になるといいなと思う。幸か不幸か、私の条件を満たす物件はごく僅かだから、他の選択肢がないままの選択となるようである。ロジカルな判断をするとちょっと無理めな選択にはなるが、それがきっと会社と自分の人生を切り拓いてくれると信じよう。
 
そういえば、若かりし日の結婚も勢いで、考える間もないまま結婚式の日を迎えたような印象しかない。別れはしたが、人生の最良の選択の1つだったと思う。今の仕事も自ら選んだわけではなく、たまたま紹介されて足を踏み入れ、そのまま天職のように続いている。私の人生は、そんな選択が似合うんだな。

 

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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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