メディアグランプリ

スマホがブラックアウトしたら、自分の再起動を学べ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:青空(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
「あっ、壊れた!?」
 
――それは突然やってきた。
母と泊まっていた雪深い温泉旅館で、しんしんと降り続く雪を見ながら、春には沖縄に旅行に行こうと計画を立てていて、宮古島の観光協会に電話で問い合わせた時のこと。
通話が終わって、いつものように「通話終了」のボタンを押した瞬間、スマホの画面が真っ暗になった。
 
電源ボタンを押して再起動をしようと思っても、画面は真っ暗なまま、何も反応しない。
何年か体調を崩していた母がやっと元気になって、出かけられるようになり、今度は飛行機に乗って沖縄にも……という気になったというのに、計画が先に進められないじゃないか。
いや、その前に、私の仕事が困る。
電話をかけた後にやろうと思っていたいくつかの急ぎの仕事、どうしようか。
 
あぁでも、これは「あのパターン」なのかもしれない。
 
先週も、スマホの画面が真っ暗になって、どこを押しても反応しなくなって困り果てたことがあった。その時は自分の容量オーバーの難しい仕事で疲労困憊していて、だいぶ頭が忙しくなっていた。
ちょうど午後から休みを取る予定だったので、スマホに構わず整体を受けに行ってリラックスしたら、なぜか翌日には画面が戻っていた。
 
その前にも、ノートパソコンが突然wi-fiに反応しなくなったことがあった。
パソコンは普通に作動しているのに、普段右上に表示されているwi-fiの表示だけが跡形もなく消え去っていて、再起動してもどうにもならない。
その時はたしか、重たいノートパソコンをいつもリュックに入れて、毎日持ち運んでいた。急ぎのメールに対応するためには仕方ないと思っていたけれど、1kg以上は優にあるその重みを肩で受け止め続けることが、実はしんどくなっていた頃だった。
それを機に、ノートパソコンの持ち運びをやめて、出先ではスマホと外付けキーボードだけで対応するようにしたら、生活がずいぶん軽くなった気がした。
そして久しぶりにスイッチを入れた時には、なぜかパソコンがwi-fiを読み取るようになっていた。
もちろん、修理に出したりは一切していない。
 
もっと前には、眼鏡が無くなったことがあった。
あの時は、パソコンとにらめっこ時間が長くて、今思うと目の疲れが溜まっていた。
毎週一日だけ知人のお宅に泊めて頂いていて、夜眠る前にベッドサイドの本棚に眼鏡を置いて寝たのに、朝目覚めたら無くなっていた。
知人にも探してもらったけれども見つからず、その後何回か泊めて頂いた時にも無かったのに、眼鏡なし生活に慣れて目の疲れも落ち着いたある時、目覚めたら本棚に眼鏡があった。
この時は本当に驚愕した。どういうことなのか分からなかった。
 
今でもどういうことか分からないけれど、振り返ると同じようなパターンの出来事を何度も経験しているということは分かる。
目や頭が疲れすぎた時、目や頭を使うためのツールが、私にとって使えない状況になる。
 
今回も、「あのパターン」だったらいいな。
 
そういえば、年明けから怒涛のように続いていた仕事が一段落して、こうして温泉旅館に来ていて、今はゆっくり身心を休めたい時だ。本当は仕事なんかしたくない。
だから私に休養を与えるためにスマホが動かなくなったのだろう。
それならば、今は休んでおけばいい。今日やるはずだった仕事は、明日に延ばしても大丈夫だ。
 
逆に、「あのパターン」でなくて、本当にスマホが故障してしまったのだとしたらどうしよう。
修理代が高くつくかもしれない。それどころか、そろそろ機種変更を勧められるかもしれない。
せっかく馴染んだスマホだったのに、操作を一から覚えなくてはいけないのか。
そういえば、アドレス帳や写真のバックアップも取っていないかも。
まぁでも、スマホが壊れてしまったとしたら、少しくらい連絡が滞っても大目に見てもらえるかな。この機会にもう少しのんびりモードを続けるのも良いかも。
 
どちらにしても、今はのんびりしなさいということだな。
 
――勝手にそう解釈して、温泉旅館から戻ったあとに、実家のパソコンから「スマホが壊れました」という連絡を各方面に送って呑気に過ごしていたら、何ということか、翌日から仕事の嵐がやってきた。
考えてもいなかった調整作業が山のように発生して、各方面に急ぎの連絡をしなくてはならない。
スマホが無かったとしたら、夜は何時までネットカフェに籠ることになるのか、見当もつかない。
さて困った。私にはスマホが必要だ。
 
「私は十分休みましたから! だからスマホはもう復活して大丈夫です!」
誰にともなく、自分勝手な祈りをつぶやく。
でも、スマホはどこを押しても、全く何も反応しない。
 
本当に故障なのか……。
半ば諦めて携帯ショップに向かいながら、改めて今までのことを振り返ってみる。
 
思えば、今まで「あのパターン」だった時は、自分の疲れを自分で自覚できていないで、スマホやパソコンや眼鏡が使えなくなることを理由にリフレッシュしていた。
もし、本当に私が疲れたせいで、それらのものが使えなくなったとするならば、試験の前にお腹が痛くなる子供と同じようなものではないか。試験がいやだという気持ちを受け止めきれず、試験に行けない状況を創り出しているような……。
 
これからは、自分のことをもっと自分で意識しよう。疲れてリフレッシュが必要ならば、そういう時間を取るようにしよう。
無意識的にせよ、「あのパターン」に頼ることがないようにしよう。いえ、そうします。ぜひそうしますから、どうかスマホが直りますように。
スマホが直ったら、楽しみながら頑張って仕事をしよう。そうしよう。
 
――すっかり働く気に満ち溢れて携帯ショップに着いて、係のお姉さんが私のスマホに触れる。
固唾を呑んで見守る私の目の前で、お姉さんが電源ボタンをちょっと長押しすると、ただそれだけのことで、あっけなくスマホは起動した。
 
「その操作、私もやってダメだったんですけど……」
やっぱりどういうことなのかよく分からない。分からないけれどもありがたい。
ネットカフェに籠ることなく、楽しみながら頑張って、しばらく経ってどうにか山を越えることができた。
 
――そういえば、そろそろ疲れが溜まっているかもしれない。
またスマホか何かが使えなくなる前に、そろそろ自分を一度休めて再起動することにしよう。
まずは母との旅行の計画を考えながら、南の島にゆっくりと思いを馳せようかな。
 
 
***

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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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