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メディアグランプリ

私に落ちたひとしずくの水


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:トモコ(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
私はいわゆる「セミナー」なるものがあまり好きではない。
講師の話は、本を読めばもっと深く書いてあることも多いし、本なら何度も読み返すことができる。
話をその場で聞くだけでわかることなどあまりない。みんなが行くから自分も行くというような子どもの塾と同じだ。とりあえず通っておけば安心、ということかもしれないが、何度授業を聞いたところで、繰り返し自分で問題を解いて自分のものにしなければ意味がない。
 
セミナーも、自称「意識高い」人たちが集まって自画自賛し、内輪で盛り上がるような雰囲気だったりもするものもある。
ネットワークづくりが大事という人もいるが、まず自分で学ぶべきことを学び、そうすればやがて、必要な人との関係は必要な場面でついてくるのではないか、と思う。
 
そんな私の今の仕事の大きなウェイトを占めるのは、実はセミナーの企画運営だ。
講師による懇切丁寧な熱い講座を受けられることに加え、そこでしか得られない、そこをきっかけに広がりをみせる参加者同士のネットワーク形成ができることがウリだが、何よりの特徴は、私たち事務局が受講生一人一人を徹底的に個別にフォローすることだ。繰り返し面談して相談にのり、ネックになっている部分の解決方策を共に考え、励ます。3か月間びっちり続くセミナー修了後すぐに役立つように、と心を砕いて最終日まで伴走し、送り出す。
ここまでのフォローがあればこそ、このセミナーは意味がある、と思っている。
裏返して言えば、このフォローがないようなセミナーは、受けても仕方ない、と思っている。
 
そんな私が、天狼院ライティング・ゼミに、ついうっかり申し込んでしまった。
 
きっかけは単純だ
ついうっかり参加したセミナーで講演された方の話がとてもすてきで、その方がFacebookで「いいね!」をしていたからだ。
 
実は、今の仕事には、行き詰まりを感じている。
もちろん私たちが企画運営しているセミナーの内容やフォローには自信があり、引き続き取り組む予定にしているが、その先に、私個人としての向かうべき方向性として、強みとなるもっと何か別の要素が必要だ。セミナーのフォローで受講生に向けてアドバイスをする一言一言が自分に向かってグサグサ突き刺さってくるようで、痛くて仕方がない。
 
そんな状況を打開するきっかけを探している。
そのためにも、今年は勉強する、と年頭に決めた。
でも何を?
いくつか考えてはみたのだが、それを極めた自分の姿がイメージできない。何か違う気がする。
そんな時に出会った、このゼミだった。
 
書くことは嫌いではないし、記事をまとめたり整理したりする機会も多い。
その方向を深めることであれば、違和感はない気がする。
人生が変わるとまでは思わないが、取っ掛かりとしては、まあいいか。
でも、どうせ大したことない、何も変わらない、とも、心の片隅では思っていた。
 
そして迎えたゼミ1日目。
2歳から小学生まで3人の子どもを地方都市で育てている私には、平日夜に都会の書店会場に出かけるなど無理。この日も、下の子たちを寝かしつけながら、そういえば今日が初回だったかなと思い出しもしたが、暖かい布団から出る気にはなれず、そのまま一緒に寝てしまった。
 
翌日になってもしばらく忘れていて、仕事中にふと思いだしてアクセスしたものの、作業しながら音声でも流しておこう、程度にしか思っていなかった。
 
のだが、終わって気づいてみれば、ノートにはびっしりメモ。やりかけだった仕事の作業は全く進まずそのままに、講義にはまり込んでしまっていた。まさに「仕事に戻ろう」スイッチが作動できなかった状態だった。
その上、こうしてさっそく宿題にまで向き合ってしまっている。
 
完全に、乗せられている。
 
なぜだ。
これこそが、講師が駆使するABCユニットの魔力なのだろうか。
 
そう考えて講義を思い返してみると、随所にちりばめられていた言葉たちに気づいた。
きっと大したことないだろう。忙しいのに宿題なんて。人生が変わるなんて大げさな。
そんな気持ちを見透かすようなさりげないコメントで、いつの間にか、「やらない理由」という外堀を埋められてしまっていた私がいた。
 
でも、そうなれば、あとはやるしかない。そう思ったら、妙にすっきりもした。
自分から望んで申し込んだはずなのに、結局は、理屈をこねて逃げていただけなのかもしれない。
 
この先本当にどれだけ人生が変わるかはわからないが、やらないことには絶対に何も変わらない。私は変わりたい、それならば、まずは騙されたと思って精一杯やってみてもいいのかもしれない。今はそう思う。
講師やスタッフの方の熱量、参加者の存在。それを受けて自分自身が変わること。これこそが、セミナーの力なのか。これまでセミナーを開催して、そういった感想を、感動のコメントを参加者からいただいてきたはずだったのに、自分では本当にはわかっていなかったのかもしれない。それに気づいた私は、これから、もっと参加者の目線で、参加者の気持ちで、よりよいセミナーを提供することができる気がする。
 
先日のゼミは、固く乾いた土のようなあまのじゃくの私に、ポトリと落ちたひとしずくの水のようなものだったのかもしれない。これからの4か月、ポトリポトリというしずくから、やがて次第に流れとなって固い塊をほぐし、流していった後、最後に何が現れるだろう。
 
 
***

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2018-02-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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