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メディアグランプリ

1日1時間の「しりとり」を繰り返して、気付いたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:相澤綾子(ライティング・ゼミ 特講)

 
 
6歳になった次男との間で、最近一番はまっているのは、しりとり遊びだ。家と保育所の片道30分、朝と夕の車の中でしりとりをしている。1年くらい前は、私がヒントをあげながらやっていた。すぐに最後に「ん」がつく言葉も言ってしまった。正直、しりとりに付き合っている、くらいの感じだった。でも今は、言葉も増えてきて、ポンポン言葉が飛び出してくる。かえって私の方が思いつかず、うなってしまう。そうすると勝手に次男が続けてしまったりするくらいだ。実は、かなり私も楽しんでいる。
次男の今のブームは恐竜で、だから恐竜の名前が次々と飛び出す。「なんとかザウルス」と最後が「す」になることが多いので、「す」から始まる言葉をたくさんストックしておかなければいけない。
こんな言葉も知っているのだと驚くこともある。「それ、どこで覚えたの?」と訊いてみると、テレビ、とか、図鑑、とか、保育所、とか教えてくれる。もう私の知らないところで、いろいろなことを吸収するようになったのだ。
なるべく私は次男が知っていそうな言葉を使うようにしている。でも苦しくなると、マイコプラズマ、とか、ルーマニアとか、次男が知らない言葉を返したりする。「それは何?」とか訊いてきたりするかな、と思ったけれど、スルーだ。ひょっとしたら私がでたらめな言葉を言ったとしても気にしないかもしれない。要は、次男は最初の文字から、何か言葉を思いつくのが楽しくてたまらないのだ。
前に言った言葉を気にせず言ったりもするけれど、その辺りは甘く見ることにしている。もちろん私は言わないようにしているので、ちょっと苦しい。
障害のある長男は黙っているし、まだ3歳になったばかりのお兄ちゃんが言った言葉をまねして叫んだりしているけれど、みんなでしりとりができるようになったら、もっと楽しくなるだろう。楽しみだ。
 
しりとりの面白さは、相手が言葉を返してくるまで、何から始まる言葉を考えればいいのか分からないことだけではない。相手が答える番の時も、なんとなく一緒に考えてしまう。そうすると、相手が返してきた言葉とはたいてい違って、その違いも面白かったりする。
 
子育てと似ているところがあるなあと思う。
 
こんな風に返ってきて欲しいと思って、声掛けをする。でも子どもは期待通りには動いてくれず、考えてもみなかった反応を示したりする。それが「面白いな」と思えることもある。例えば早く寝させたくて、「もう寝る時間だよ」と声をかけると、「この動画が終わったらね」と返ってくる。翌日が休日なら、「いつの間にか、そんな返し方をするようになっんだなあ」としみじみ成長を喜ぶこともできる。
でも大抵は、思いがけない方向に流れていく。自分の方が疲れていて早く寝たいと思っていたり、翌日に早く家を出たいと考えていたら、「早く寝て欲しいのに、困ったな」と思う。それでも、動画があと数分で終わるのなら、待っていようと思い直せる。でもあと20分かかることが判明する。「もう9時半を過ぎてしまう。明日ちゃんと起きられるだろうか?」と心配になる。まるで、しりとりで、今までに出てきていない言葉がどうしても思いつかなかったり、「ん」で終わることばしか思いつかなくなったりする感じだ。ああ行き詰った、もう怒るしかないのか? これではしりとりで負けるようなものだ。
 
夫は仕事が終わるのが遅いので、平日の夜は大抵いない。けれど、もしその場にいて、何か私とは違うことを言ってくれたとしたら、すっと次男が動いてくれるんじゃないかな、と考えることもある。実際、お互いどうしても譲れない状態になった時に、仕事中の夫に電話して、夫らしい声掛けをしてもらい、解決したこともある。夫だけではない。長男が何かしたり、娘が舌足らずな話し方でおかしなことを言ったりすることで、その場の雰囲気が変わることもある。
しりとりが二人だけでやるより、三人、四人、五人でやった方が面白いのと、きっと同じだ。子育ても、関わる人が多い方がいい。もちろん二人だけで向き合う時間も大切かもしれない。でも、行き詰りそうな時には、誰かがその場に入ってきた方が、流れが変わるような気がする。
 
夫に早く帰ってきて欲しいといっても、なかなか難しいだろう。だからとりあえず、夫ならこんな時にどんな風に返すか、訊いてみよう。まずはバーチャルで参加してもらい、どんな反応を見せたか夫に話す。少しは早く帰ろうという気になってくれたらありがたい。徐々にリアルに巻き込んで、みんなで、しりとりみたいに子育てを楽しみたい。
 
 
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2018-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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