メディアグランプリ

パソコンの前では別の顔


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:蔵本貴文(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「なぜ、オレがマイクロソフトの言う事を聞かないといけないんだ」
 
パソコンを使っていると本当にイライラすることが多い。目当てのファイルがすぐみつからなかったり、間違って設定を切り替えてしまって元に戻せなくなったりして、一人で怒っている。
 
僕はエンジニアという職業についているので、普通の人よりはパソコンは得意なはずだ。そして、知識や経験は確かに豊富であろうと思う。ネットワークを構築するくらいなら自分でできるし、プログラミングもある程度はできる。しかし、僕はパソコンをさわるのが大嫌いだ。
 
なんといってもパソコンは究極の石頭である。ダメといったら絶対にダメで、杓子定規で融通は絶対にきかない。
 
例えば、エラーメッセージ。「同じ名前のファイル名は開けません」頭がカッとする。
「なんで開けないんだ。開けないのなんてエクセルだけだろ。ワードだったら普通に開けるぞ」一人で怒っている。しかし、コンピュータは涼しい顔だ。
 
最近はソフトのメーカーも気づいたのか、「申し訳ありません、同じ名前のファイルは開けません」とエラーメッセージが低姿勢になっている。しかし、本質は何も変わらない。慇懃無礼でむしろ腹が立つくらいだ。申し訳ないと思っているのなら、開けるようにしろよと。
 
人に言われるのであれば、仕方ないと思えることも、コンピュータに言われると腹が立ってしまう。これは申し訳のなさが伝わってこないからだろう。
「申し訳ありません」といいながら、こいつは絶対にそんなことは思っていない。本心では「できない命令をするお前の方が悪い」ときっと思っているはずだ。
 
また、プリンタも大嫌いである。設定がうまくいかずにプリンタが認識できなかったり、紙送りがうまくいかなかったり、トラブルを起こした記憶しかない。挙句の果てに、インクの無駄使いと思われるクリーニングが開始されて一人で「グー、グー」と動いているのを見ると、叩き壊したくなるのだ。
 
本当はプリンタなんて買いたくなかった。でも、嫁がどうしても年賀状を自分で作りたい、というから根負けしてしまった。それにしても、プリンタは嫌いだから、「プリンタの設定や印刷は絶対に俺はやらんからな」と宣言している。
 
ここまで激しいことを書いてきたので、僕は短気で怒りやすい人間だと思われるかもしれない。でも、人間相手には結構おおらかな方だと思っている。家の中で、みんながカリカリしている時でも、一人笑っているタイプなのである。
 
それではなぜ、パソコンの前ではあんなに怒り狂ってしまうのだろうか。いや違う。パソコンの前で怒り狂うのではなくて、むしろ人の前でなだめられていたのだ。
つまり、残念ながら僕は感情的で怒りやすい人間なのだ。でも、人の前だとそれが抑えられているのだ。
 
そう考えると、車を運転している時に、妙にイライラすることにも納得がいく。
車を運転していると、どうも周りにイライラする。
「急にスピードを落とすなよ」「そのくらいでクラクションを鳴らすなよ」「早く曲がれよ」なんで、こんな残念な思考になるのだろうか?
道を歩いている時には、少々遅い人がいたとしてもそんな風には感じないのに。
 
それは、車を運転していると、他の車を物体として見てしまうからだ。車は人が運転しているので、人の意思で動いている。しかし、自分が車を運転している時は、それは人として認識されず、ただの物体と認識してしまうのだ。だから腹が立つ。
 
逆に、物体であっても擬人化すれば、人は愛情を持ち、負の感情を抑えることができる。とても気に入った車だと、少々調子が悪くても「しょうがないな~」と友達のように流すことができる。感情がプラスの方向に向かうのだ。
 
だから、モノに当たりたくなった時には、それが人間であると考えるのが良いかもしれない。パソコンを触っていて、思うように動かなくて腹が立つ。でも、それが自分の子どもだと思ったらどうだろう。少しくらい思うように動かなくても当たり前、原因を突き止めて何とか解決しようと前向きな気持ちになるかもしれない。
 
また、それを開発した人の気持ちになってみるのもいいかもしれない。モノの誤動作だと思うと腹が立つが、「作った人はこんなところまで気がつかなかったんだなぁ」と思うと少しは優しい気持ちになれるのではないだろうか。
 
パソコンの前では別の顔。僕のように、モノに怒りをぶつけてしまうタイプの人は、そのモノの先にある人間を想像してみるといいと思う。それを操作している人、それを作った人、それを持っている人。また、そのモノ自体を擬人化してもいいかもしれない。きっとモノの先の人が、怒りを消していってくれると考えている。
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《3/4までの早期特典有り!》

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2018-03-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事