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メディアグランプリ

お弁当を作り始めると、お化粧を覚えたての少女の気持ちがわかる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:たけしま まりは(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
日曜日の朝、習慣にしていることがある。
たっぷりの水を電気ケトルで沸かす。
その間に、ピーマンを適当に切り、手ごろなサイズのタッパーに入れる。
冷蔵庫からめんつゆを取り出す。
水が湧いたら、片手鍋に卵8個を入れて、熱湯を注ぐ。タイマーで8分セット。
タッパーにめんつゆを入れ、ふんわりラップをかけて電子レンジで3分チンする。
それから包丁とまな板をさっと洗い、お米を3合とぐ。炊飯器にセットする。
冷蔵庫から豚肉とキムチともやしを取り出す。同時に電子レンジが鳴る……。
 
お弁当を作り始めて一年が経つ。
「彼の胃袋をつかみたい!」とかそんなかわいい理由じゃない。自分による自分のための自分弁当を作っている。東京のランチ代の高さと待ち時間の長さにうんざりして「自分で作る!」と決意しただけだ。
わたしは料理が苦手だ。野菜の正しい切り方を知らない。得意料理は特にない。作り始めの頃は、卵焼き、ウインナー、プチトマトがメインで、冷凍食品のほうれん草などで彩りを加えていた。
お弁当を作り始めて一週間後、わたしは気づいた。卵焼きを毎朝焼くのはとても手間がかかる。そして、ウインナーはすぐ飽きる。コンビニ弁当やサンドイッチで済まそうか……。でも、これらもすぐに食べ飽きる。もう少し試行錯誤してみよう。こうして「自分弁当プロジェクト」がひっそりと開始された。
 
一ヵ月が経過し、お弁当メニューの「殿堂入り」が決まった。ゆで卵と「だしピーマン」だ。ゆで卵は「卵焼きが面倒くさい」というわたしの怠け心から。「だしピーマン」はピーマンを切ってめんつゆをかけて電子レンジでチンしたもので、これらが意外と飽きない。栄養もとれている気がする。彩りもまあまあ良い。
しかもこれらは作り置きが可能だ。休みの日に大量に作り、冷蔵庫にストックしておく。
この「殿堂入り」メニューをお弁当に詰めるだけで80%は完成だ。あとはメイン。メインの料理はわたしの心の余裕に左右される。余裕があるときは豚キムチやゴーヤチャンプルーなど炒め物を作るが、余裕がないときはコンビニのサラダチキンになる。最近では電子レンジだけでメイン料理が出来上がるレシピが豊富で、洗い物が少なく手間がかからないのでもっぱら「レンチン料理」にお世話になっている。ちなみに主食は具なしおにぎりを握っている。
 
……ここまで読んで、料理上手な方は「それはほぼ料理ではない」「栄養バランスが偏っている」とつっこまず、温かい目で見守ってほしい。
今のわたしはお化粧を覚えたばかりの10代の少女なのだ。いやもう27歳だけど。
初めはファンデーションも厚塗りしちゃうし、アイラインもにじむし、マスカラもゴテゴテに塗ってしまう。バランスやテクニックはやっていくうちに身に付いてくるものだ。そして慣れれば身体が自然に動くようになる。
 
三ヵ月経つと、ゆで卵と「だしピーマン」を作るのに身体が勝手に動くようになり、日曜日の習慣が出来上がった。
この頃から会社でお弁当を食べていると「お、お弁当作ってるんだ! エライね」と声をかけられるようになった。わたしは「いえいえ……」と恐縮しつつ、そっとお弁当を隠す。自分弁当のクオリティは自分が一番分かっている。
お弁当を作り始めてから雑誌のお弁当特集やSNSにあげられたお弁当に目がいくようになった。手先が器用な人は、本当にスゴい。スゴいの極みは「キャラ弁」。自分弁当にキャラクターは必要ないけれど、クオリティの高さについ見入ってしまう。
そして料理上手な人はたいてい「ラクうまごはん」もよく作る。
え、この料理、こんなに簡単にできるの? 今度作ってみようかな……。
 
お化粧をひと通り覚えると、もっと上手になりたくなるのと同じだ。ファンデーションがヨレないためにはどうすれば良いか、つけまつげをつけたらどうなるか。宝塚メイクってどうなっているのだろう……とお化粧にどんどん興味が湧いてくる。
そして一度お化粧を覚えるとすっぴんで外に出られなくなる。お弁当作りも同じで、外食の予定がある日以外はお弁当がないと不安になり、お弁当作りがやめられなくなった。
 
お弁当を毎日作る習慣はできたけれど、けっこう失敗している。気合いを入れてハンバーグを作ったら生焼けだったり、味付けに失敗して塩辛い野菜炒めを作ってしまったり。それに気づくのがたいていお弁当を詰め始めるときで、化粧ノリが悪いときと同じ気分になる。
あーもう! 時間がないのに! どうして上手くいかないの!
でも失敗から学ぶことがたくさんある。弱火でじっくり火を通せばよかったんだ、スキンケアを念入りにすれば肌なじみが良くなるんだ、と。そして、できることが増えると自分に自信がつく。お弁当がおいしかったら、顔がかわいくなったら、毎日がもっと楽しくなる。そう思うとまた頑張ろう! とやる気が湧いてくるのだった。
 
まだまだ発展途上の「自分弁当プロジェクト」だが、これからも“美女”を目指してコツコツ作り続けようと思っている。
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-03-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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