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世界は他力で回っている


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:西嶋祐子(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「受かると思うなよ。ただ試験の練習が1回多くできるとだけ思って行け」
先生からのアドバイスを胸に、1人で自転車をこいで行った大学の推薦入試。
 
うちの高校からは、受験した前例がないようだった。
今までの傾向からいくと、
進学校から合格することが多いとのこと。
 
それはそうだろう、私から見てもわかるくらい偏差値が違いすぎる。
 
誰にでも、受験資格をもらえる試験ではない中、
受験資格をギリギリ満たしていた私は、
恥をかくのを覚悟で、試験を受けさせてもらうことにした。
 
その日の試験は、小論文と面接だった。
小論文のお題は、今でも覚えているくらい書きにくく、
時間ギリギリになんとか書き終えた。
 
手応えは全くなかった。
 
次は、面接。
どきどきしながら椅子に座った。
 
「あなたの高校の卒業生から、うちの大学に来られている方は
優秀な方が多いですが、一体どのような校風なのですか?」
 
私が通っていたのは、女子校だった。
 
夏の暑い日に、教室の机の下で、
みんなが一斉に、
スカートをパタパタあおいでいるところしか思い浮かばなかった。
 
私は、それをそのまま言ってみた。
 
世間の人は、わりといい校風だと思っていること。
だけど、現実は、違うこともあること。
いいことも悪いこともどちらもあると。
 
大爆笑された。
 
私には、何が起きたのかわからなかった。
 
でも、嘘をつきたくなかったし、
お世辞が言えるほど、器用でもなかった。
 
そのあと、何を話したのかも、
どれくらいの時間が経っていたのかも、全然覚えていない。
 
面接を終えて、控え室を出る頃は、もう夕方だった。
その日の最後の受験生だった私は、取り残された部屋の電気を消して帰った。
 
それが、あの時の私にできる唯一のアピールだった。
 
合格発表の日、私は、遊びに出かけていた。
不合格であろう掲示板を、見に行く気にもなれなかった。
全く自信がなかったし、落ち込む私を、わざわざ感じたくもなかった。
 
家に帰ったら、合格通知が届いていた。
 
誰も期待していなかったし、
何がよかったのかも、正直わからない。
 
ただ、合格通知だけが届いていた。
うれしさと同時に不安がこみ上げた。
 
翌日、ひとりで自転車をこいで、大学へ行った。
合格手続きをするためだった。
 
大学の気が変わらないうちに、
合格を取り消されないうちに、
手続きをしなくてはいけないと思ったからだ。
 
大学の事務の方も、私のことを覚えてくれていた。
 
「あら、あなたが合格したのですね。覚えていますよ。おめでとう」
 
私は、そっと電気を消して帰ったのがよかったのかもしれないと、
見当違いなことを、また思っていた。
 
自分の力以外のものがはたらくというのは、こういうことなのだろう。
推薦入試という選択肢は、高校生である私の頭の中にはなかった。
あまりに緊張しすぎる私の性格を知っている先生方が、
私に度胸をつけさせるため、練習させるために探してきてくれたのだった。
 
私は、目の前に差し出された選択肢を、受け取っただけ。
他力以外の何物でもなかった。
 
先日、断捨離をしていたら、
2014年年始に書いたメモを発見した。
 
私は、毎年恒例で、
こうなったらいいなという夢を100個書き出している。
そのメモだった。
 
その中の1つに、ブログの読者2000名達成と書いていた。
 
私は、ブログを書いている。
最初は、軽い気持ちではじめたものだが、今は、仕事としても使っている。
でも、その夢は、2018年の今、まだ叶っていなかった。
 
私はそのメモを見ながら、
4年経っても、まだ叶えられていないのか、
まだ同じ位置にいるのかと、正直がっかりした。
 
だからといって、私のブログが、
どうしたらたくさんの人に読んでもらえるようになるのか、
具体的な方法は、ひらめかず、そのままにしてあった。
 
そしてまた、いつも通り、ブログを書いていた。
 
あるとき、仕事でお世話になっている方々が、
私のブログを、ご自身のブログで紹介してくださった。
 
何かを変えたわけではない。
ただ自分の想いを、ストレートに書いていただけだった。
お世辞が言えないのも、書けないのも、高校生のころから変わってはいない。
 
朝、起きて、いつものようにスマホからブログをチェックした。
そしたら明らかに、いつもと違うことが起きていた。
 
突然、読んでくださる方の数が増えていたのだ。
 
こういうことが起きるんだ。
 
私は、数多くの方が、読んでくださるということは、
こういう気持ちになるものなのだということを、初めて体験させてもらえた。
 
ただただ、うれしかった。
 
そして、自分の力ではなく、
明らかに他力によって、体験できたのだということを、しみじみと感じていた。
 
自分一人の力でできることは、ほんとにちっぽけだ。
そこでなんとかしようとすることを諦めたら、何かが変わりはじめた。
 
世界は、他力で回っている。
そして、4年越しの夢だった、ブログの読者2000名は叶えられたのだ。
 
 
***

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2018-03-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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