メディアグランプリ

フェスに行ったら、やりたいことの見つけ方が分かった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山谷幸太(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「自分のやりたいことは何だろう?」
学生の頃からよく考えていた。SNSを開けば、やりたいことをしている人達で溢れている。会社を辞め起業した人、フリーランスで活躍している人……。
彼らを見ると焦ってしまう。やりたいことがないことに後ろめたさを感じてしまう。
人並みに、美味しいものを食べたい、旅行に行きたい、というやりたいことはあるけれど、彼らのように「熱中できるもの』がないのだ。
「そもそもやりたいことは、どうやってみつければよいのだろう? 自分のやりたいことは何だろう?」私は悩んでいた。
そんな私の悩みを解決してくれたのは、フェスだった。沢山のアーティストが集まるフェスに行ったら、やりたいことの見つけ方が分かったのだ。
 
「うりゃおい! うりゃおい!」
去年の夏、気づいたら目の前のアイドルに夢中で声援を送っていた。名前も知らないアイドル。興奮しながらも冷静な自分が問いかけてくる。
「あれ? お前、このフェスにバンド見に来たんだよな?」
 
私はある音楽フェスに来ていた。
お目当てのバンドが出演するからだ。私はそのバンドの熱狂的なファンだった。
今回は久しぶりに最前列で見たい! という思いで演奏時間の1時間前から最前列を陣取っていた。大規模なフェスでは、かなり早い時間から陣取りを始めないと近くでは見ることができない。この場合、前の出番のアーティスト達も最前列で見ることになる。
 
お目当てのバンドの出番を楽しみに待っていると、見知らぬアイドルが出てきた。隣にはハッピを着たアイドルのファンらしき人たちがいる。一瞬にして異様な盛り上がりと声援で埋め尽くされた。私はアイドルに全く興味がなかったから、その光景に少し怖さを感じていた。バンドの盛り上がりは好きだけれど、アイドルの異様な盛り上がりは少し苦手であった。アイドルにハマるファンの気持ちは私にはわからなかった。
 
ライブが始まる。早く終わってほしい。ライブの様子を冷ややかに見ていた。冷ややかに見ているはずだった。彼女たちはひたむきに歌い、踊る。高校球児さながらの全力パフォーマンス。それに呼応するファンの熱気、一体感。興奮が抑えられず、気づいたら彼女たちに声援を送っている自分がいた。一瞬にしてアイドルを好きになってしまった。自分がアイドルを好きになるなんて思ってもみなかった。自分にびっくりした。同時に、このアイドルを好きになった過程こそが、やりたいことを見つける過程と同じだと気付いた。
 
私はやりたいことを、これまでの人生で楽しかったことから探していた。フェスに来たのもお目当てのバンドを見に来たのも過去楽しかったからだ。ただ、楽しかったことからは、やりたいことは年々出てこなくなっていた。楽しかったことは大抵過去も今もやっていることだ。今やっていること以上のやりたいことは出てきづらい。
 
アイドルを好きになった過程は真逆だ。今までアイドルは苦手なものであった。お目当てのバンドの待ち時間がなければ出会っていなかった。それが大好きになった。お目当てのバンドが過去楽しかったものから見つかったとすると、アイドルは苦手なものから見つかったのである。苦手なことからやりたいことが見つかる。アイドルを好きになったことでこの事実に気づいた。考えてみると、過去このような経験は多々あった。単位が必要でしょうがなく出た大学の講義が面白くて、そのゼミに入ったこと。社会人になり、苦手な営業に異動になったが、働いてみると人と話すのが好きになったこと……。
 
それからの私は、苦手なことをあえてやってみようと決めた。運動、英語、料理、パソコン。もちろん苦手なままで終わってしまうことも多かったが、やりたいことも見つかった。それはランニングだ。とにかく体力がなく、走るのが昔から苦手だった。無理やり近所のジムに入会してウオーキングから始めた。はじめは苦痛でしかなかったが、徐々に走った後の達成感、開放感が癖になった。体力もつき、先月フルマラソンも完走できるまでになった。ランニングは、やりたいことになった。
 
そして今、新たに苦手なことに挑戦している。そう、それは文章を書くことだ。
子供の頃から、文章を書くことは苦手だった。仕事でもよく上司から文章を直されている。でもだからこそ文章を書くことが、やりたいことになるのではないか? アイドルやマラソンのように熱中できることになるのではないか? そんなことを思いながらこの文章を書いている。
 
 
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2018-03-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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