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「なんで感情を感じる必要があるの?」感情を切った男性が経験を通じて学んだ感情を感じる3つのメリット


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岡村茂(ライティング・ゼミ 特講)
 

 

人は誰しも大人になるにつれ嫌なことのひとつやふたつあるものです。いや普通はそんなではすまない、両手で足りないくらいはあるかもしれません。そしてそういう嫌な思い出は、「見ざる聞かざる言わざる」と封印したくなるし、それにまつわる感情なんて考えたくもないものです。
 
つらい体験を思い出せば痛みを感じるし、そうすると仕事や勉強の邪魔になる。気分が悪くなって日常生活に支障が出ることだってあります。日々を乗り切って行かなきゃいけないんだからそんな昔のことを振り返って感じている暇はありません。
 
本当は、過去のつらい体験を聞いてもらったり、吐き出したりして胸のつかえを取り除きたい。スッキリしたい。わだかまりを解消したい。気持ちを癒したい。
 
でも……
 
でも、痛い思いは嫌なんです!
仕事の邪魔になるのは嫌なんです。
もう一ミリだって傷つきたくないんです!
 
実はこれ、かつてのわたしの心の叫びでした。
 
感情なんてなくなればいいと思っていたし、何のためにあるのか、なんの役に立つのか、さっぱりわからなかったのでした。感情さえなくなればビクビクしないですむ、悲しまないで済む、痛い思いしないで済む、というわけです。
 
感情を閉じて思春期を過ごし、30才になる頃にはほとんど感情を感じなくなっていました。
 
おかげでビクつくこともあまりなく、いっぱしの社会人としてうまく立ち回っているつもりでした。感情を切ることで嫌なことを感じることも少なくなり、さっさと動けたり頑張れるようになった気がしていました。
 
けれども何年もそんなことを続けていると、嫌なことも感じない代わりに楽しいことや嬉しいこと、好きなこともよくわからなくなっていきます。「何のために働いてるんだっけ?」「何したくて生きてるんだっけ?」だんだんとロボットのような感覚になっていったのを覚えています。
 
表情もなくなり毎日に潤いがなくなっていくよう。体の調子もイマイチです。なんか最悪な感じでした。生きている実感がなくなっていきます。
 
そんな日が続き、「何か変だ、何かがズレてる……」と思い、とあるワークショップを見つけ参加しました。(これは今でもほんとにいい選択した!、と自分を褒めたくなります。)そのワークショップの課題のひとつに、目の前のモノや気持ちを感じたり味わったりする「感じる練習」というのがありました。
 
まずは、モノや人といった外にあるものを感じて味わって、そして次に、内面の出来事や事柄を思い出して「感じる」「味わう」、という練習でした。
 
「大の大人に何をやらせるんだ。子供じみてるな……。」なんて思いました。
 
で、実際いざ始めてみたら……できません。
やり方がさっぱりわかりません。
 
「えっ、感じられないってどういうこと??」。
 
そのときやっと、自分は長い間感情を感じないようにしすぎて「感じられなくなってる」ということがわかったのでした。自分はどちらかというと感じやすい子供だったので、感じられないっていうのは想定外だったんです。(今なら感じやすい子が感情を切るのはよくわかります)
 
ワークショップでは朝から夕方まで、感じよう味わおうと取り組みましたが、ただ時間だけが過ぎていきます。周りの人たちはどんどん先へ進んでいきます。自分は?といえば、「この練習の意味は何?」「どんな手順を踏めば感じられるんだろう?」「そもそもなんで感情を感じなきゃいけないの?」とまぁ、思考がグルグルぐるぐる回りっぱなしでひどい状況でした(笑)。理屈ばかりを追いまわして気持ちや外にある対象物を感じることができなかったのでした。
 
1日、2日と日が経ち、ようやく3日めくらいで「感じる」という感覚が戻ってきたのでした。ここまで感じられなくなってたのか……とわかったときには愕然としたものです。
 
その日から少しずつ自分の感情や感覚が認められるようになって、感じ始めました。はじめのうちは、辛かった、悲しかった、怖かったというネガティブな感情ばかりが湧き上がってきます。小さな頃からいろいろ我慢していたのでしょう、怒りも相当溜まっていました。
 
それをかたっぱしからどんどん感じていくと、だんだんと体が柔らかくなっていったり、喉や胃のこわばり、胸のつかえやわだかまりが取れていくのを感じました。
 
さらに、当時は嬉しいことや好きなこともよくわからなくなってたんですが、だんだんと空の色や木々の緑を感じては楽しめるようになり、陽のあかり、湖面に反射するきらめき、人と目があったときの喜び、恥ずかしさや照れ、あたたかさ、そんな忘れていた感覚が戻ってきたのでした。
 
これは当時の自分にとっては驚きと喜びでした。もうずいぶん、いや物心ついた頃から忘れていた感覚だったからです。
 
そこから僕の人生は息を吹き返した気がします。
そこから感情や、人の心、自分の気持ち、相手の気持ち、自分の本心、自分のやりたいこと、やるべきこと、心からの望み、そうしたものに気づくようになりました。以前もわかってたつもりでしたが、より深いレベルで感じられるようになりました。
 
そして以来、だんだんと自分らしさを取り戻し、仕事もより本来の自分に合ったものへと変わってきました。自分がより喜びを感じるもの、より人の力になれることは何なのか?が感じとれるようになったからです。
 
このような経験を経て、感情を感じることは、こわばった気持ちや身体を楽にするだけでなく、本来の自分に気づいたり、そこへ戻っていくのにもとても大切なことだと実感しています。
 
すでにおわかりのように、タイトルにある「感情を切ったある男性」はわたしのことですが、その経験から「感情を感じる」メリットを3つ挙げます。
 
まずひとつめ、楽しくなる。
感情を感じるようになると、感覚が開いて敏感になります。逆をイメージするとわかりやすいかもしれません。感情を閉じたり切ったりすると鈍感になっていきますよね。
 
敏感になると日常にも様々な驚きや喜びがあって、美しいものや楽しみに囲まれていることに気づきます。また些細な変化にも気づきます。変化は主体的に感じれば味わいになります。ある程度感情のわだかまり解消されれば、それが激しすぎなければ悲しみや悔しさですら味わえるようになります。
 
ふたつめ、楽になる、癒される。本来の自分に還れる。
癒しが必要な理由や状況は人それぞれです。
 
不安や怖れから言いたいことが言えなくなったり、やりたいことができなくなる。イライラや怒りから人間関係がギクシャクしてしまう。多少ならともかく、行き過ぎると自分らしく生きられなくなります。このような感覚は、感じないようにした、いわゆる「未処理の感情」が溜まるとおきてきます。
 
普段は潜在意識下にあって気づかない、より根深い原因もあります。ありのままでいることが許されなかった家庭環境や、学校でのいじめやからかいなどから生じるインナーチャイルド。現代の出産方法やストレスの多い胎内環境から生じる出生時の心理的外傷バーストラウマがあります。さらには過去生から持ち越した心の傷や痛み、果たされなかった思いが影響する過去生トラウマもあります。
 
原因は色々あるし、療法もさまざまです。
けれどもどの療法も「感じる」こと抜きに癒しは完了しません。ですから感じられることは癒しをすすめる上で必須の要件といえます。また屈託なく感じられれば、それが心のわだかまりであろうと身体のこわばりであろうと、ほぐれてそれ自体が癒しを進めます。そして自分らしさに気づけるようになります。素の自分に還ります。
 
最後みっつめは、行動の原動力になる。
わだかまりの少なくなった癒された感情は、行動を促す原動力になります。喜びやワクワクとともに行動できれば消耗せず活力を感じながら活動できます。怒りや悔しさを原動力に頑張れる、ということもありますよね。消耗しますが……。
行動の原動力になる、これも感情を感じるメリットのひとつです。
 
以上、子供のころ感受性が強くて感じすぎるのが辛くて感情を切ることにして、30歳になる頃には人生が味気なくなったのでもう一度感情を感じるようにしようと思った男性が、ふたたび感情を感じられるようになる過程で気づいた「感じる」ことのメリットをまとめました。
 
感情を感じるのになんの意味があるの? 感情ってめんどくさい……。 感情を感じ始めたけどこれからどうなっていくんだろう? そんな疑問をおお持ちの方の参考になれば幸いです。
 
感情は潜在意識からのメッセージ。いろいろなことを教えてくれます。感情を感じてうまく人生を生きていきたいものですね。
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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