メディアグランプリ

「好き」と言われるとフッてしまう、こじらせ女子の生まれ方


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記事:柴田香名(ライティングゼミ・ライトコース)
 
「ごめんなさい。お付き合いは、ちょっと」
 
高校2年生の冬だった。秋の修学旅行の女子会で彼の顔が好みだと話したら、誰かがこっそり伝えたのかデートに誘われた。実際、その子犬のような顔はかなりのストライクだった。デートは典型的な高校生そのもので、近くのショッピングセンターで映画を観て、ご飯を食べて、たわいもない話をした。2回目も誘われて、きっとまた同じような典型的なデートで、きっとどこかで告白されて、付き合うのだろうと思っていた。そのはずだった。
 
しかし私の口から出てきた言葉は、断りの返事だった。
 
理由は色々ある。まず、私が告白をOKするかどうか、授業中に聞こえる声で賭けをしていたのが無理だった。きっと誰でもよくて、たまたま許容範囲に入る女子が自分に好意を持っていた、ただそれだけだったのだと思う。それから歩き方がだらしないだとか、話し方が頼りないだとか、些細なことが嫌だと感じるようになってしまった。しかし2回目のデートに今さら断りの連絡を入れることもできずーー実際それは優しさではなく残酷さなのだけどーーそして予想通り彼から告白され、私はお断りした。
 
申し訳なかったが、上手い言い訳を考えてデートを無しにすることも、一度好きではなくなってしまった人の告白を受け入れることも、どちらも当時の私にはハードルが高すぎた。次こそはきちんと断ろう、好意がなくなった時点で。あと顔で選ばないようにしよう。そう、心に決めたのだった。
 
でもダメだった。大学生になっても、同じ過ちを犯してしまった。
 
大学1年生の時に一目惚れした彼とは、同じサークルの新入生プロジェクトで知り合った。子犬のような顔とあどけない外見が超絶好みで、一緒にいる時間を増やしたくて、彼がリーダーを務めているチームの班長に立候補してプロジェクト活動に力を入れた。彼が私の気持ちに勘づき距離が縮まるのに時間はかからず、ある日、サークルの一大イベントである夏合宿の肝試しでペアにならないかとお誘いを受けた。もう秒読みだ。ここでOKを出せば、あとは自然な流れで付き合えるだろうポイントだった。
 
しかし、またしても私は断ってしまった。
 
歩き方のだらしなさを見て気持ちが冷めてしまったからだ。些細な理由だが、一度冷めてしまった気持ちは元に戻らない。しかもタチの悪いことに、今回も上手い言い訳が思いつかず、「予定があるから」と夏合宿自体をキャンセルするという暴挙に出た。キャンセル代は5000円。大学生には痛い金額だ。それでも、そのお金を払う価値があると思えるほど、とにかく逃げることに必死だった。
 
ここで私は反省した。顔の好みを恋愛の「好き」と勘違いしてはいけない。深く傷つけてしまう段階まで突っ走る前に、相手の内面をきちんと知って、それから恋をしよう、と。もちろん歩き方のチェックも怠らないように、心に誓った。
 
次に好きになったのは、同じ学部の尊敬できる同級生だった。
 
今度は顔ではない。いわゆる地頭の良いタイプで、要領が良く、授業に出席せずともテストで良い点を取れる人だった。真面目一辺倒で授業もテスト対策も万全を期すタイプだった私には非常に魅力的で、その要領の良さの秘密を知りたくて取る授業を合わせていた。ノートを提供して要点の掴み方を教えてもらったり、2人でご飯に行き切り抜けた武勇伝を聞いたりした。そうして勇気を出して遊園地に誘い、その帰りに告白した。返事は、NOだった。
 
他大に彼女がいたのだ。実はアプローチ前から彼の友人から聞いて知っていた。しかし聞いたのはかなり前の時期だ。再度自分から聞く勇気はなかった。「2人で遊びに行くことをOKしてくれたし可能性あるかも」「彼女とは今うまくいってないのかも」そんな都合の良い妄想ばかりが膨らんでいた。本人からも「女性と2人でご飯に行ったり遊びに行ったりするのはよくあることだ」と聞かされていたにも関わらず、ただの遊び人であるという現実を直視できないでいた。
 
初めてできた彼氏も遊び人だった。1ヶ月に一度しか連絡がこない、誕生日も祝わない、クリスマスも前日に「予定が空いたから会おう」と LINEをしてくるような人だった。私と付き合う前に四股かけていた噂は聞いたことはあったが、「今回は大丈夫」「元々連絡がおざなりなタイプだから、連絡が来ないのは私だけじゃない」と都合の良い解釈をし続け、途中で耐えられなくなり振った。
 
ここで私はある仮説を立てた。
私は、私を好きになってくれない人を好きになるのではないか、と。
 
だってそうだろう。私を好きになってくれた人への気持ちは立て続けに冷め、私を好きになることはないであろう遊び人に熱を上げた。幸せな恋愛から遠ざかるような、あえて自分を傷つけるような行動を取っていた。なぜそんな行動を取ってしまったのだろうか。
 
きっと、自分に自信がなかったからだ。
 
好きになってくれる人に対しては、「こんなダメな私を好きになるなんて、きっとこの人もダメな人だ」と思ってしまい冷めてしまう。好きになってくれない遊び人に対しては、「こんなダメな私は、これくらいの扱いで十分」と我慢が当たり前になってしまう。「好きだよ」と言われるとフッてしまう「こじらせ女子」は、自分への自信の無さから生まれていたのだ。
 
男性からのひどい扱いを自分のことのように怒ってくれる友人がいたから、今は必要以上に卑屈になることはない。自信を持って、純粋に好きと言える人もできた。こじらせ女子から卒業して、人を愛する女性へと成長の一歩を踏み出したところである。
 
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2018-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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