メディアグランプリ

くまモンは裏で輝く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:久保友美(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「やっぱり、くまモンに似ているよね」
 
熊本出身の私は、くまモンに似ていると言われることがよくある。
 
「それは体型が似ているんでしょ」と突っ込みが入りそうだが、私は「自分が親しみやすい雰囲気を持っているから似ているんだ」とポジティブに捉えるようにしている。そんなこともあってか、よく人から聞かれたり、頼まれたりする事が多い。
 
私は、びっくりするほどの方向音痴なのだが、まちなかを歩いていると、なぜか道を聞かれる。
 
ホームで電車を待っていると、観光客から「この電車って○○に停まりますか?」と聞かれることも一度や二度じゃない。
 
そして、頼まれごとナンバー1はイベントごとの運営だ。結婚式や送別会の幹事、講演会の受付、旅行の行程づくり……。数えたらキリがない。
 
大変そう、と思われるかもしれないが、全くそんなことはない。むしろ、そんな裏方業務はとても気持ちが良い。パズルのピースがカチッとはまるように
自分が準備してきたことが、イベントの本番でうまく使われると「やった!」と心の中でガッツポーズをとる。
 
先日も、50人くらいの規模のイベントの裏方をすることになった。15人近くのゲストをお呼びして、一人20分くらいずつテーマトークをしてもらうという内容だった。
会場にはお菓子やコーヒー、お茶などを置いて、くつろぎのスペースをつくることになっていた。
 
本番前日。準備の段階になって、私は妄想を始めた。
 
まずは、自分が参加者になったつもりで会場に入る姿をイメージした。最初に目に入ったのは狭い受付だった。当日は、開場から開演まで30分しかなかった。来場者の多くは、本番の10分〜5分前に受付に殺到する。当日は運営スタッフも少なかったので、そこでもたついたら参加者がイライラするだろうなと思った。そこで参加者への配布資料はまとめて1セットにして、あらかじめテーブルに置いておくこととした。
 
次に目に入ったのはお菓子・お茶ブースだ。会場の外にごみ箱もあったが、ちょっと距離があって捨てに行くのが面倒臭い。ひょっとすると机の上に、お菓子の包み紙等をそのまま放置する人も出てくるかもしれない。だったら、簡易のゴミ箱を会場内に設置しようということで準備した。
 
そして、イメージ上の私は会場の座席につく。そのイベントは、昼休憩も含めて7時間ほどの長丁場のものだった。しかし、50人の人数の割に、コンセントは会場で4カ所くらいと少ない。どのコンセントも参加者の座席からは離れていた。
ひょっとすると途中で携帯やパソコンの充電をしたい人が出てくるかも。私は延長コードを3本ほど準備した。
 
そんな感じで、次はゲストの立場で、そのまた次は実際に運営する側の立場としてイメージを繰り返しながら、準備を進めていった。
 
当日は、周りの協力のおかげで大きなトラブルが起こることなく無事に終えることができた。受付もスムーズに、そしてお菓子・お茶スペースもごみが出ることなく、きれいなままだった。
 
「延長コードってありますか?」予想通りの問い合わせもあった。私は心の中で小さくガッツボーズをとった。
 
そもそもなんで、私はこんなに裏方が好きなのだろう。その答えの一つとしてたどり着いたのは、私が一人っ子であるということだ。
 
私の経験からすると一人っ子は、2つのタイプに分けられると思っている。
 
まず思い浮かぶのがわがままでマイペースなタイプではないだろうか。親から甘やかされて育って、何でも自分の思い通りに行くと思っている。うまくいかないと駄々をこねる。でも時間が経ったら忘れてしまう。ちょっとやっかいで面倒臭い奴。
 
私が「一人っ子です」と答えると、だいたい、「マイペースでしょ」とか「食べ物とかおもちゃとか自分の思った通りに買ってもらえたんでしょ。いいよねー」と言われる。
 
もう一つのタイプは、空気を読むタイプ。最近では、昔ほど親戚付き合いが活発じゃない。だから、年の近いイトコと遊ぶという機会もめっきり減ってきている。
そうなると、身近な家族は、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんといった大人ばかり。大人に囲まれて生活をすることになる。そして、一人っ子の親ほど、周りに甘やかされて育っていると思われたくないと思って厳しく育てる家庭も多いように思う。
 
だから、一人っ子が日常生活を心地よく過ごすためには、周りの大人たちと仲良くやっていくスキルが求められるのだ。
 
すると、自ずと相手の立場にたち、「今、何を考えているのか」「自分はどう行動したらいいのか」と読み解く力がついてくる。
 
私自身は、どちらかというと「空気を読むタイプ」に当てはまる。それも度を過ぎるほどの。
 
小さいときに家族と食事に行ったときでも、「この後も予定があるから、すぐに食事を終えられるように早く出来上がるものを頼もう」と考えるような子どもだった。
友達と遊んでいても、「この子は家が遠いから、もうちょっとしたらお家に帰らないとご家族が心配するだろうな」といったように。
 
いろいろな場面で気を遣うことが多かった。そしてその気遣いが周りに気づかれることもほとんどなかった。その度に「つくづく、私って損な性格だよなぁ」と心の中でぼやいた。
 
でもよくよく考えて見ると、その気遣いこそが裏方仕事に役立っているように思う。そして役立つことに喜びを感じている私がいる。
 
それに気づいて嫌だと思っていた自分の性格がちょっと好きになれた気がした。
 
 
***

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2018-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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