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あの頃の私に伝えられることがあるとしたら、桜がキレイだなって思えているから大丈夫


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:西嶋祐子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「あなたは、そんなにワシらの事を信用できないのかね。
 みんながやってくれん、やってくれんっていうのは、そういうことなのかね」
 
私は、言葉につまってしまった。
なんて、返事をしたのかも、返事ができたのかも覚えていない。
 
桜の季節に、思い出すことがある。
忙しさのピークにきていた、会社の中で、それは起きた。
 
それが、他の人に言われたのなら、
まだ笑ってごまかせたのかもしれない。
 
でもその言葉を伝えてくれたのは、
私が、ひそかに一番信頼していた方だった。
 
静かに怒っておられることは、ひしひしと伝わっていた。
 
私は、なんてことをしてしまったのだろうという気持ちと
私が、そんなことを思っているんだという、
どこか冷めたような他人事のような気持ちでいっぱいになっていた。
 
私は、こんなに一生懸命やっているのに。
なんで、みんな私の足をひっぱるのだろう。
あんなに何度もお願いしたのに。
締め切りは、いつまでって、ちゃんと言ってあるのに。
データがそろわないと、私は、次の仕事ができない。
いつもいつも待たされる。
ちゃんとやってくれたら、私は、もっと早く帰れるのに。
私は、ちゃんとやっているのに。
なんで。
 
私が勤めていた会社は、3月4月が忙しいところだった。
その期間だけは残業が続き、休日出勤をしても、
それでも仕事は終わらないというときもあった。
 
その時期だけのこととはいえ、
締め切りまでにデータをそろえて提出しないと、怒られるし、迷惑もかける。
 
そしたら、私の評価がさがり、
最悪の場合は、もう明日から来なくていいよと言われ、
クビになるのではないかと思うと
それも怖かった。
 
くたくたになって眠っていても、
上司に怒られる夢で目が覚める。
どこにいても、何をしていても、その時期は、仕事のことが頭から離れなかった。
 
テレビのニュースを観て、
お花見に行って楽しんでいる人をみると、
うらやましくて悲しくなった。
 
楽しそうでいいな。
いつか心から楽しんで、お花見ができる日が、私にもくるのだろうか。
いや絶対ないな。
 
うらやましいという気持ちすらも認めたくなくて、
ニュースもみたくなくなるほど、
勝手に私は追い詰められた気持ちになっていた。
 
信頼している人を、静かに怒らせてしまったあの日から、
私は、行動を変えてみることにした。
 
自分の事だけ、考えていないか。
どうしたら、信頼関係ができて、仲間の一人として、
仕事がスムーズに進められるようになるのか。
そのためには、どういう言葉かけをしていったらよいか。
 
思いつくことから、1つ1つやってみた。
そうしているうちに、
私が勝手に一人で仕事をかかえこんで、
勝手に一人で自分を追いつめて、苦しくなっていることがわかってきた。
 
とても残念な話なのだが、
私の仕事を、周りの人に、触らせないようにしていたのは、私だった。
 
そのことに気づいてから、
私は、意識的に、助けてもらうことにした。
 
今までなら、自分のやり方が絶対で正しいと思っていたことを、
周りの人にも、意見を聞いて、どんな風にしているのかを教えてもらうことにしたのだ。
 
そしたら、どんどんスムーズに、仕事が進みはじめた。
なんだったんだ、今までのは。
 
桜の季節になると、しょっぱい気持ちを思い出す。
 
 
あれから、私は、会社を卒業し、個人事業主となっていた。
今日は、出張先で、桜を観に行くことになった。
 
ただただ、キレイだなと思う私がいた。
やっとゆっくり桜が見られて安心した。
 
しょっぱい気持ちを思い出しながらも、
桜の時期の思い出をいいものとして、
上書き保存できた気がして、うれしかった。
 
 
桜の下でも、携帯をチェックしている私がいた。
うわっ、また通知がきた。
月曜日が来るたびに、フェイスブックの通知に敏感になる。
 
月曜日は、何があるのかというと、
今、勉強しているライティング・ゼミの
宿題を提出する締切日なのだ。
 
今日も、何のネタも思いついていないまま、締切日がやってきた。
 
早々に宿題をやり終えた方々が、次々と、提出されているという状況が、
わかってくる。
 
さっさと書いてしまえばいいのに、
誰かが提出を終えたという通知が届くたびに、
携帯をみてしまうのだ。
 
そして、自分で、自分の事を、焦らせてしまう。
 
どうしよう、私、まだ、何を書くかすら、思いついてもいないのに。
いいな、また一人、終わった方がいるんだ。
 
勝手に追い詰められる気持ちになる。
 
この感じは、どこかで感じたことがある。
そうだ、会社にいるときの、あのせっぱつまって仕事していたときの
あの感じだ。
 
ただ、今違うことは、
それは私が私を勝手に追い詰めているだけだということを
知っている私がいることだ。
 
桜をみながら、
そうだ、今日は、この桜の事を記事にできないかなと考えてみる。
 
そんなに自分の事を、追い詰めなくていいよ。
可能性は、無限にあるのだから。
 
あの頃の私に伝えられることがあるとしたら、
未来の私は、桜がキレイだなって思えているから大丈夫だよ。
と、言ってあげたい。

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2018-03-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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