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メディアグランプリ

街中の「王様」方。「家臣」の手助けを堂々と受け入れてください!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:NORIMAKI(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「どうぞ」「あ、いいの? すみません。ありがとう」――今日の電車の中の会話だ。近くにお年寄りの女性がいたので、席を譲った。たったそれだけのことだが、この塩梅がじつはなかなか難しい。「どうぞ」と言っても「まだ、私は若いから」と返されることもあるし、あからさまに「大きなお世話」という顔をする人もいる。それに、本当は座りたい気持ちがどこかにあるのに、遠慮して「いえいえ、お気持ちだけで」という場合もある。
 
同じように、この前マンションのドアのところで、ベビーカーを押したお母さんがいたので、ドアを開けておこうとしたら、「大丈夫ですよ」と何度も言われたので、結構悩んだ挙句の果てに、「そうですか。では……」とその場を去った。その後、じつはその人を遠目で観察していたのだが、やはり自分でオートロックの鍵を開けて、ドアを押さえながら、「よっこらしょ」という感じで、ベビーカーを片手で押しながら入っていった。それを見て、「やっぱり、強引にでも開けておくべきだったよなー」と再度自問した。
 
これらのことで思い出すのが、3年前まで生活していたロンドンでの出来事だ。よく覚えているのは、大量に荷物を抱えてバスに乗ろうとしていたおばあさん。その場に居合わせた人が誰ともなく、「持ちましょう」と言って、なかば強引に荷物をバスの車内へと引き上げていったのだった。当のおばあさんは、素直に「ありがとう。助かったわ」とお礼を言って、「何事もなかったかのように」普通にバスに乗ってきた。
 
他の事例を挙げよう。今度は地下鉄のプラットフォームでのシーン。ロンドンの地下鉄は古い駅が多いので、意外かもしれないが、エレベーターやエスカレーターが整備されていないところも多い。そういう場合、ベビーカーだと担いで上がらなければならない。その時も、お母さんが一人でベビーカーを押していたが、またしても、どこからともなく優しいお兄さんがやってきて、お母さんからベビーカーを取り上げて、軽々っと階段を上がっていった。その時も、お母さんは「ありがとう」とサッパリとした様子で言って、お兄さんもあくまで「当然のことをしたまで」という感じで、特に恩着せがましくするような素振りも一切見せなかった。
 
これらの日英のケースを比較して思うのは、相手の「すき間」への入り方が違うということ。日本では、他人の「すき間」へ入るのがとても難しい。席を譲る場合でも、ドアを押さえる場合でも、担い手の方が受け手にどれだけ「積極的」に関与していくか。その「すき間」感覚が、繊細なのである。同時に、受け手の方にもどこかしらの「遠慮」があって、じつはサポートを「受け入れたい」のにもかかわらず、なんとなく相手に「悪いな」という気持ちが先行して、ストレートな思いを飲み込んでしまう。だから、お互い悪気はないのに、なんとなく「後味が悪い」なんて場面が出てきてしまったりもする。一方のロンドンの場合。受け手の側がある意味「堂々と」サポートを受け入れていたように思う。いい意味で、受け手には「遠慮」がまったくない。言ってみれば、「受け手は王様」なのだ。だから、「家臣」たる担い手の方は、ガンガン「すき間」に入っていきやすい。受ける側も担う側も、お互い「上下関係」を受け入れていて、「当然でしょ」という暗黙の了解が成立するので気持ちがよい。
 
日本は、これからどの国よりも速いペースで高齢社会に突入していく。また、働きながら子育てをする母親も増えていくことが予想される。むろんそこには、年金・介護の問題や、会社の育児支援など、国レベルで解決すべきさまざまな課題がある。そのような課題に比べれば小さなものかもしれないが、冒頭で上げたような、ちょっとしたサポートのニーズも高まってくるに違いない。そのような「ちょいサポ」は、担う側からすれば、特に経済的な負担を求められるものでもないので、積極的に協力したいと思う人がほとんどだろう。だから、受け手側の気持ちがうまく変革されれば、日常生活レベルでの課題は、割と簡単に解決することができる。だから、おばあさんもお母さんも、ロンドンのように、堂々と「王様」になってほしいと思う。「遠慮」というのも、われわれの美しい文化の一つだと思うけれど、「世のため人のため」という言葉が示すように、サポートすることを「遠慮」と同じように美しいと感じる「家臣」も、この国にはたくさんいるはずだ。「王様」の皆さん、街中で「家臣」を見つけたら、胸を張って「ありがとう」を言ってください。「家臣」の皆さん、街中で「王様」を見つけたら、胸を張って「お助けしましょう」と手を差し伸べてください。
 
 
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2018-04-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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