メディアグランプリ

31歳の私が10代の先生に教わったこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:仙石美世(ライティング・ゼミライトコース)

 
 
「いつか土壇場になったら自分は努力しようと思っている人へ。出来る人は常に努力をしているんだよ。その人たちを土壇場で抜かそうと思ったら、その人たちの5倍は努力しないといけない。そうなる前に今からコツコツ努力するのってすごく大事なんだ」
 
こんな大人なら誰にも分かるということを私はとある高校の新入生に講演として話をしていた。すごく心配だった。そんなの聞き飽きたよって顔をされないか。
 
実は冒頭と同じ内容の講演を1年前に他校の高校生にもしていた。その時は悲しいことに私が話し始めて10分後には半分以上の生徒が寝ていたし、起きていてもすごいつまらなそうに聞いていた。だから今回もすごく怖かった。また響かなかったらどうしようって。
でも意外なことに、誰も飽きたという顔をしていなかった。皆真剣だった。私の目をまっすぐ見て静かに話を聞いていた。
10代のまっすぐな瞳はとても美しくて、そして力強くて。私は思わず嬉しくて泣きそうになった。そして誓った。
「もっともっと多くの高校生に刺激になるような話が出来る大人になろう」と。
 
私の本来の仕事は高校の先生に対する営業だ。たまに仕事の関係で「うちの生徒に話をしてくれないか」という講演依頼をいただく。今回も依頼をもらい、高校に入学したての生徒に話をしたのだ。
「うちの生徒に社会の厳しさを教えてくださいよー」
よく先生に言われる言葉。
だけど教わったのは彼らではなく、私だった。
 
冒頭の言葉はこの1年間を振り返ってみて、私自身が痛感していることだった。この1年私は仕事を最優先に自分なりに頑張った。仕事をしたくない時もあったけれど、歩みを止めるのが怖くて、泣きながら商談のアポをとったこともある。資料の出来に納得いかなくて、ジョナサンで夜中の2時まで修正したこともある。そんなこと、社会人になって9年目だけど初めてだった。その甲斐もあってか、自分が目指す結果は何とか出すことができた。けれど実際に会社の中を見てみると、自分を遥かに上回る結果を出している人なんてたくさんいる。
理由は分かっている。すごい結果をさくっと出してしまう人たちは元々並々ならぬ努力をしているのだ。そしてそれが当たり前なのだ。私が辛いと感じる努力も、彼らからしたら普通のことなのだ。そんな人達を抜かそうと思ったら、私は常に高いハードルを自分に課して乗り越えないといけない。
何でもっと早くから努力しなかったんだろう。私は後悔した。仕事に嫌気がさしたといって前職でさぼりまくっていた自分を責めた。だがそんなことしたって仕方がない。今出来ることを着々と進めていくだけだ。けど、それでも、タラレバはないって分かっていても苦しくなる時がある。
「ああ、もっと早く気づいて努力してればな……」
 
そんな魂の叫びに似たようなメッセージを今回彼らに送ったのだ。
 
まっすぐに訴えかけてくる若者の瞳を見て私は感じた。
きっと彼らには「本気の言葉」しか通じないんだなあ、と。
 
大人相手に講演するときは気持ちが楽だ。なぜなら本気でそう思ってなくても社会の通念だったりある程度理論に反していなければちゃんと話を聞いてくれる。うなずいてもくれる。むしろ彼らが聞いてなくても、人の話を聞かない方が悪いと言われる。だから話す方はとても気が楽だ。
 
けれど高校生となるとそうもいかない。彼らはすごく正直だ。つまらなければ寝るし面白くなければ早く終われよという顔をする。講演している間にその姿を見ると、心がぽきっと折れる。だからなるべく私は高校生にとって「話を聞きたい」と思わせるような話をするべくいつも話の構成を考えて講演してきた。
だけどもっと単純な話だったんだなあと話していて気づいた。彼らは分かっている。今話している人が本気でそう思っているかどうかを。本気で思っていることに気づけば「なるほど」と感じるし、こいつ本気じゃないと思ったら「他の周りの大人も言っていることだしわざわざ今日聞かなくてもいいか」という風に思うのだろう。
 
となると話の構成も大事だとは思うけれど、1番大切なのは高校生に言いたいことを自分がどれだけ体現出来ているか、痛感出来ているかということだと学んだのだ。そのためにはぐうたらしている大人だったらダメだ。何も学んでいない大人の言うことなんてきっと彼らには響かないだろう。でも心から伝えたいことはきっと彼らは真剣に受け止めてくれる。大人より、遥かに真剣に。
 
高校生という先生に、私は真剣に生きているのか?を問われた気がした。
高校生に社会の厳しさを教えるために呼ばれたはずだったのに、逆に私が、本気で伝えることの大事さと本気で伝えるために日々成長しなければいけないと教えてもらった気がした。
 
大人だからって大層なことが出来る訳ではないと分かっているけれど、それでも若者よりは多くのことを学んでいるぞと胸を張って言える大人で常にいたい。
 
 
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2018-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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