メディアグランプリ

部屋も恋人も決められない。迷ってばかりの時はどうしたらいいのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山口なつ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
引っ越しをしなければならなくなった時、少し緊張する。いい部屋に出会えるか不安になるからだ。30も半ばも過ぎてくると若い頃のように、「住めればいいや」とか「少しでも家賃が安ければラッキー」という気持ちもなくなってくる。自分のライフスタイルもできてきて、何が自分の快適さに関係するのかもわかってくる。こだわりが多くなって、自分に相性のいい部屋を見つけるのが大変になってくる。
 これって、恋人を見つけることにも似ている。若い頃は勢いだけで付き合って、別れたって、泣いて友達に電話して騒いだら回復できた。すぐ次のチャンスは来るもの。でも、年齢を重ねると自分としっくりくる人がそうそういないこともわかってくる。恋人はいたらいいけど、とにかく恋人ができたらいいってものでもないし、お互い好きならうまくいくわけでもないこともわかってくる。
 慎重になるし、頑固にもなる。自分の弱さもわかってくるから、それをカバーしてくれる部屋とか人じゃないと一緒に過ごせない。時間とかお金とかのリソースにも限りがあるって思い知らされている。じゃあ、どうやって、部屋を見つけ、恋人を選ぶの?
 最初は出会いだ。出会うためには、見当をつけないといけない。部屋も男も情報も今の時代は過剰だから、自分で指針を固めないと情報に小突き回されて何の成果も上がらないのがオチだ。まずは自分が求める条件を整理する。書き出すのがいい。大事なものは何? 広さ? 駅からの近さ? それとも築年数? 恋人だったら、頼れる人? それとも自由にさせてくれる人? 仕事のできる人? それとも趣味のあう人? いっそのこと外見に走る? 自分の欲望に正直になって、優先順位を10個考えてみる。それを眺めて求めるものがわかったら、行動に出る。
 部屋探しなら、不動産屋っていうプロを訪ねる。条件10個全部叶う物件は、まずこの世に存在しないから、優先順位の高い3つを伝える。これなら候補はたくさん出てくる。とはいえ、それでも現実を思い知ることになる。「あ〜私が出せる家賃だったら、このくらいの部屋が妥当なんだ」って。現実を飲み込んで、その中で探すのも1つ。書き出した条件のうちから妥協点を考えてみるのも賢い手だ。駅近は捨てよう、とかね。条件を減らしてもいいし、順番を入れ替えてもいい。そうすれば違う可能性が見えてくる。
 でも、いくつも部屋を内覧して、いい部屋に出会わないと自信がなくなってくる。どうしてだろう? 出会いがないのは私の責任じゃないのに。思うに、1つの部屋を見るたびに心の中でケチをつけるせいじゃないだろうか。「広さはいいけど、全体的に暗い」とか「お手頃だけど、友達にこの程度ねって思われるのが目に浮かぶ」とか。ひどい時は「ありえない!」の一言で心をシャットダウン。ケチをつけていると気分が滅入ってくるのは、脳は他人に言ったことと自分に言ったことの区別がつかないっていうからじゃないかな。でも、そこで自分を曲げちゃダメ。
 いい部屋との出会いは突然やってくる。部屋に入った瞬間にわかる。「なんかいいかも」って、フッと思う。インスピレーションが降ってきたら、幸先がいい。でも、問題が2つある。1つは、そのインスピレーションを自分で疑うこと。疑うことに慣れてるでしょ? もう1つの問題は、条件から外れること。
せっかく自分と向き合って書き出した10個の条件にも合ってない。それどころか予想外の欠点を抱えていたりする。わたしが見つけた部屋は、畳の部屋が2つもあった。一人暮らしで畳の部屋は2つもいらない。恋人候補だったら、楽しい時間は過ごせたけど、ものすごく頑固とか。過去にそういう人と付き合って失敗したことなかった? って頭の中でささやきが聞こえるような人。
そういう時に限って、他に条件の合う部屋とか人に会う。希望通りの間取りで、値段もそこそこ。ワクワクはしないけど、いい部屋。友達にも好評かもって思える。恋人だったら、安定した職業についていて、性格はおだやか。トキメキはないけど、友達にもいい人見つけたねって言ってもらえるかも。
 部屋を探す人と恋人を探す人は、こんな風に迷いがち。そして、未来を考える。そっちを選んだら、どういう生活が待っている? こっちだったら? 内覧はたいてい一回だし、恋人候補ともそう何回も会えないかもしれない。少ない手持ちの情報で未来を想像する。いや、妄想かも……。妄想は大抵次の妄想を呼んで終わらない。
 それじゃあ、どうやって決断するのがいいのか。決断するには、最初のインスピレーションを信じるのが一番だ。迷ったら、最初に戻る。どんなに経験値があがっても、エイやっと自分を信じるしかないこともある。完璧な部屋も完璧な人もいないんだから。そう思って、私は、床暖房付きの手頃な部屋じゃなくて、和室と押入れが2つもあるけど、桜が見える部屋に引っ越すことに決めた。恋人? それはこれから。

 
 
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2018-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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