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正しいFacebookの誕生日メッセージのやり方?


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記事:多田 進(ライディング・ゼミ平日コース)
 
 
目を覚ますと、
今朝もFacebookからメールが届いていた。
いつものように「お誕生日をお祝いしましょう」と書かれていた。
 
「今日、あいつの誕生日なんだ……」
 
誕生日を迎えた友人のアイコンを見て、
僕は、お祝いメッセージを贈るかどうかを悩んだ。
 
「みんなどんな誕生日メッセージを贈るんだろう?」
Facebookにログインした。
 
友人のフィードには、誕生日おめでとうの文字が
4つほど並んでいた。
 
他の人も僕と同じ気持ちなのだろうか。
お誕生日のメッセージは少なかった。
 
「誕生日おめでとう」と一度は書いてみた。
けど、やっぱり止めた。
「おめでとう」と言われてうれしいのだろうか……
そう思ったからだ。
 
 
友人というのは、高校生の時の友達で、
数年前からFacebookで再び繋がった。
「覚えてますか? よろしくお願いします!」
僕の方からメッセージを入れた。
 
めちゃめちゃ友達ってほどでもなかったし、
クラスも同じではなかった。
 
1年の時
講座で一緒だった時期があり、
ときどき話をする程度だった。
 
友人は、高1の頃から学校に黙ってバイクを乗っていた。
原付ではなく、中型のでっかいバイクだった。
高3になると、クルマの免許を誰よりも早く取っていた。
あの頃からバイクやクルマが、好きなんだろうなぁと思っていた。
 
それは、大人になってからも続いているようで、
Facebookの投稿とみるとクルマのネタばかりだった。
ベンツやBMWに乗っていることがわかった。
 
「すげーっなこいつ、なんでこんなクルマに乗れるんや」
同じ高校を出た自分と比較して落ち込んだ。
あいつ、いっつも授業中寝てたのに……
高校の時、右後ろの席だった僕は、
授業中、友人の豪快なねぞうを覚えていた。
 
投稿を見て知ったけど、僕よりも早く結婚したみたいだった。
友人の子供たちは、末っ子が今年成人式を迎えたようだ。
Facebookには時々、家族が写っている投稿があった。
 
「ちゃんと、お父さんになってるんやなぁ」
僕は、自分と似たところを探していた。
 
Facebookの投稿は、相変わらずベンツやBMWのことばっかりで、
クルマにほとんど興味のない僕はいつもスルーしていた。
でも、ある頃から病院からの投稿が増えていた。
 
ふと、読み見返してみると友人は、
自分は「癌」であると告白していた。
 
「えっ、癌なん?」
僕は、目を疑った。
 
友人の投稿は、告白後もそれほどネガティブなものはなかった。
持ち前の明るさがそうさせているのだろう。
そんな友人にどんな声を掛けてあげればいいのだろう……
そう思った。
 
僕は、友人の投稿に一度だけコメントを入れた。
友人のテンションに合わせて、明るい目にコメントをいれた。
「頑張ってね! これからのために」と。
 
友人は、返信してくれた
「頑張りますよー( •̀ᴗ•́ )و」
 
僕に言われなくて、めっちゃ頑張ってるし、
辛い抗がん治療も、友人はがんばっていた。
なんで、頑張っている人に今さら「頑張って」と言ってしまったのだろう……
僕は後悔した。
 
友人は、それからも病院からの投稿を続けた。
僕は、あれ以来コメントできなかった。
 
癌は転移して、手術するのが難しいらしい
そんな投稿を見かけた。
 
「相手の立場になって考えよう」
子供の頃から親や先生、大人たちからそう言われてきた。
 
相手の立場になって、
相手の気持ちを考えるようにしてきた「つもり」だった。
 
でも、それはやっぱり「つもり」でしかなかった。
今の友人の立場になって、僕が考えられることなんて
ないに等しい。
 
友人の今の悲しみや恐怖、不安、心配、痛みのどれひとつ
僕には、なにもわからない。
うわべだけの言葉を掛けても、友人はきっと喜んでくれないだろう。
そう思った。
 
だけど、
「このままでいいのか?」
気持ちが、ざわざわする。
 
友人が、少しでも癌を戦う勇気を持てる言葉を贈ることはできないか……
 
今日1日ずっと悩んだ。
やっぱり誕生日メッセージを贈ることにした。
僕が友人の立場なら、何を友達から言って貰えると
がんばろうと思えるかを僕なりに必死に考えてみた。
 
選んだ言葉は、
「誕生日おめでとう。
たっちゃん、諦めんといてや!」
だった。
 
たっちゃんからの返事が返ってきた。
「ありがと。 任しといて! 何があっても諦めへん╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !」
 
たっちゃんの言葉に力を感じた。絵文字付きで明るかった。
僕の方が勇気を貰った。
 
諦めないで! たっちゃん
 
 
***

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2018-04-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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