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「気遣い」の哲学


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:徳永 遥(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
「片付けしてくださってありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそその間にお掃除してもらってありがとうございました」
 
今日、バイト中にあった実際の会話である。
最初の言葉を言ったその人は、全てお客様が出払った部屋を掃除して戸締りをしていてくれた。その間私は、別のお客様がお食事を終えた後の会計や片付けをずっとしていた、というわけである。
こうして、お互いに仕事をしていたことを知った上で、感謝の言葉を添えられる人はとても気が利いている印象を受ける。
 
 
私はまだ大学生なので、アルバイトの経験しか働く経験というものをしていないが、それでも立派に商品やサービスを提供して、お客様からお金をもらって、そのお金でお店から給料として受け取っている。
仕事はどんなでも同じように人と人の関わりから成り立つものであるから、気遣いは必要不可欠であろう。
 
一概には言えないが、飲食店において徹底的に笑顔で接客することを教えられるのは、ただ単に仏頂面がいけないということではない。
店員が仏頂面でレジに立っていると、お客様の立場からすると、お願いがしづらくなるのである。
サービスを受けるにしろ、商品を買うにしろ、黙って持って行ったらドロボウになるので店員に話しかけなければいけない。内面がどれだけ心優しい人だろうと、初対面の人に話しかけられやすくする為には、嘘でも口角を引き上げて丁寧な言葉遣いで接することが必要なのである。
それは、お客様から話しかけられやすい雰囲気をつくるという気遣いの一種である。
これは、不特定多数の人間と接する人には必要不可欠なスキルとなる。
某ファストフード店でスマイル0円なんて言うのは、それだけ徹底して笑顔でいることが教育されているからだろう。
 
だからお客様が全くいない時間帯に仏頂面でいることは、なんら問題ない。当たり前だが、仕事が終わって私生活に戻った瞬間から無理に笑顔でいる必要もない。
 
「気遣い」という言葉の通りで、その行為や言動は「自分の気をつかって」つくられるものである。24時間気を遣い続けていたら、日常生活を正常に送れなくなると私は思う。
 
それが習慣となり日常に溶け込んでいる場合は、気遣いが気遣いとして認識されないから困ってしまう。
 
飲食店の場合に多くみられることではあるが、お客様が店員に対して酷い扱いをするということがある。例えば店員に対して敬語を使わないとか、商品を自分で零したり落としたりしていながら、店員を呼んで謝ることもせず後片付けをさせて大してお礼を言わないこともある。お金を払っているから、店員がして当然と思っている人は、気遣いが欠落した人間なんだなと認識してガッカリする。
 
店員が気遣いをできるのは、気遣いのできる人間に対してのみである。人間だから手が滑ったとか、うっかりミスをして物を落としたり何かしら起こすことはしょうがない。それを処理するのも仕事の一環ではある。が、普通はそういうことが起きない前提で、そうしたイレギュラーには店員は慌てて処理をしないといけないので、多少機嫌が悪くなっても仕方がない。感謝や詫びの言葉一つもかけてもらえないことは、人間同士の関係ではなく、主人と奴隷だ。
 
 
気遣いの姿勢さえ見せたら気持ちが少しでも変わるということが、知られていないことが悲しい。いや、誰もが知っていて、一度は経験したことがあるのではないだろうか。
 
「気遣い」というものが、ある時はハッキリ分かりやすいが、優しい人の積み重ねによりぼんやり霞んで見えなくなってしまうからだろう。
 
家事にしても仕事にしても、世間一般や会社として、これは誰がする仕事だとか法律で決まっていることはない。最終的に課題が解決されていれば問題ないのだ。
 
いつも朝に用意されている朝ご飯や弁当は、必ず母がつくっておく必要はない。子供や父が自分で作ってもいい。
上司から今任されている仕事は、自分の分だけではなく、上司の分を少し手伝ってあげるでもいいし、多すぎる分は他の人に任せてもいい。
 
 
今与えられている環境や状況が、過去の気遣いの上に成り立っているといっても過言ではない。
こうして夜でも電気が点いている空間で、ネットを使い作業ができるということでさえ、電気がこの部屋に通るまでのことを考えても果てしない。
 
その中で私の知らない状況などが発生することは容易に予想がつく。電気会社と家主の取引とか、配線作業など、専門知識をもってこの家に配線工事の段取りが組まれ、専用機械であれこれ作業した上で今、部屋のスイッチを押すだけで24時間いつでも電気を点けられる状況にいる。
 
便利さだって「あらゆる手間をなくした方が楽になるだろう」という気遣いがあって発展していったはずだ。
 
 
気遣いを当然のことと捉えずに、気付いて、感謝する心を持ちたいと思う。その気遣いがわかりやすく直接的なことなら、すぐに気づいて感謝を伝えるところまでしたい。
とりあえず、第一段階の「気遣いに気付く」力をもっと磨いていきたい。

 
 
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2018-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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