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引越しをしたら、気づかなかった自分の一面に気づいてしまった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:幸島佑実 (ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
おととい引っ越しをした。
今まで住んでいた部屋の契約が切れること、部屋が狭すぎること、勤務地が移転したため通勤が大変になったこと、色々な条件が重なったための引越しだ。
初めて一人暮らしをした部屋とさよならしてきた。
 
 
荷物を全てトラックへ積み、なにも無くなった部屋を見渡した。
 
 
真っ白だな。やっぱりこの部屋狭かったな。日当たり結構悪かったな。
 
 
思う事は見たままの事ばかりで、あんな事あったな、ちょっとさみしいなとか、そういった事は全く思わなかった。
久しぶりにあった遠くの友達と別れる時は、泣くほど別れを悲しむくらいなのに、2年お世話になった部屋との別れはなんとも思わなかた。わりと無慈悲な自分に少し驚いた。
 
 
この部屋が嫌だったわけではない。一人暮らしを始めた頃は、寂しさでずっと泣いていた。
寂しさを埋めるように部屋に物が増えていった。服と本はクローゼットから溢れ出るようになった。ただでさえ狭い部屋が好きなもので溢れてもっと狭くなった。
実家には敵わないが、窮屈だけど好きで溢れた部屋は好きだった。
 
 
それにこの部屋に全く思い出がないというわけではない。友人が遊びにきた夜は、気になる人があぁだとか、仕事がこうだとか、くだらなくも楽しい話に花を咲かせた。
嫌な事があった時、ベッドにうずくまり枕を抱きかかえて泣いた事もある。
色々な感情をこの部屋の中にとっ散らかした。
 
 
酸いも甘いもあったこの部屋、もう二度と来る事はないからもう少し寂しがってもいいのに、なんでこんなに何も思わないのか不思議だった。
 
 
荷造りの時もそうだった。いらない物は全て捨ててしまおうと、思い切って断捨離をした。大きめのゴミ袋3袋分は捨てただろう。
 
 
今までの私は、過去の楽しかった思い出にすがりがちな性分で、思い出の品はなかなか捨てられなかった。
子供の頃からそうだった。遠足のしおりとか、図工の時間に一生懸命描いた絵とか、楽しい思い出や思い入れがある物は大事にとっておいた。
その性分は大人になっても続いていた。
フェスのリストバンド、学生時代参加したイベントのノートなど、丁寧にとっておいた。たまに眺めては当時を懐かしんでいた。
でもその思い出の品もほとんど捨てた。
不思議とためらいはなく、無慈悲にぽんぽん捨てられた。
 
 
何が私を変えたのだろう。二十歳過ぎたから? 社会人になったから? 都会生活をしたから?
 
 
たまにこんな話を聞く。昔の友達と久し振りに会ったら、なんか色々と合わなくなっていたという話。
久し振り会って、昔話は盛り上がってもそれ以外の話はイマイチ盛り上がりに欠けてしまう。昔はくだらない話でもあんなに楽しかったのに、今は昔のように話せなくなってしまったといった経験だ。
 
私も何度かそんな経験がある。偶然街で久し振りに地元の友達に会ったけれど昔のように話せなくて、妙に気を使ってしまった。表面上は馴れ馴れしくしたつもりだけど、変に言葉が詰まってしまい上手く話せなかった。
昔はあんなに仲良かったのに、気を使ってしまう関係になってしまった事が寂しかった。
 
 
お互い別々の学校に進み、別々の業界に就職したのだから、生活や浴びる言葉も変わる。国が違えば文化や考え方が違ってくるように、同じ国内でも生活する環境が変わればお互いのズレが生まるのは普通の事だ。昔のように話せなくなってしまったのは少し寂しいけれど、話が合わなくなるのはお互いがそれぞれ成長した結果。悪いことではない。
 
 
思い返せば前と今では大きく環境は変わった。
身の回りの情報量は圧倒的に増えた。普段浴びる言葉も変わった。新しい友人が増えたせいか、SNSのタイムラインの雰囲気も変わった。興味の対象も変わった。
 
 
取り巻く環境が変わればその人が変わってしまうことがあるなら、その逆でその人が変わると環境を変えたくなってしまうのかもしれない。
 
 
 
大切にしていた思い出の品をためらいもなく捨てたことは、今まで取り巻いていた過去を思い切って切り離したようなもの。何がきっかけなのか自分でもよくわからないけれど、心のベクトルが過去から目の前に向いた証拠だと思う。
 
今まで過去にすがりがちで、先が見えない明日は不安で、とりあえず流されるように、とりあえずなるように生活してきた。けれどそんな自分に気づかないうちに嫌気がさしていたのかもしれない。そんな自分に今気づいてしまった。
 
 
もしかしたら、今回の引越しは、人生の分岐がすぐあることを気づかせてくれたのかもしれない。
環境は変わった。気づかなかった自分の一面に気づいた。あとは行動すれば、もしかしたら本当に人生の分岐になってしまうかもしれない。
 
 
まだ真っ暗な前を見るのは怖いけれどせっかくの機会だ。一歩踏み出してみよう。
安定志向で決めた今の職、本当は全然やりたいことじゃない。
まずは転職から始めてみようか。

 
 
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2018-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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