メディアグランプリ

確かに人生は変わる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:北古賀昌子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
確かに人生は変わる。
それは本当に、間違いなかった。
 
本当は、私は「人生を変えたい」と思っていたのかどうか、正直なところ分らない。
ただ、ある日のFacebookから流れて来た記事に、私は目を奪われ、随分と長い間考えあぐねた。
「人生を変えるライティング・ゼミ」という表題に相当のインパクトを持ったものの、障害を持った息子を家に残して出掛けることが難しい、自分にはハードルが高いと思った。
でも、この表題が流れて来る度に同じ文章を読み返し、いつの間にか募集要項を過去のタイムラインから探し出してまで読み込んでいた。
そしてとうとう、私は主人に口に出して言ってしまった。
 
「勉強してみいたんよ。行かせてもらってもいい?」
 
主人は最初、それが本物かどうかを疑った。
いや、疑ったのは私の意志ではなく、ゼミについてだった。
主人自身も調べてくれたようで、信用できると確認できた時点で
「行っておいで。この子は見ててあげるから」
と言ってくれた。
この時は感謝の気持ちだけで気付かなかった。
きっと、夜ほとんど外に出歩くことの出来なかった自分自身を、行きたいと言い出せない理由にしていた。
本当は、自分の意志が強かったら、もっと早く言い出すことも出来たはず。
時間はかかったが、ここから歯車は確かに動き出したのだ。
 
ゼミ会場に着くまでは普通に歩いたが、看板が目の前に来た途端に足が重くなった。
本当に大丈夫なのか。本当は私なんかが行けるような場所ではないのではないか。
会場になる店内に入ると足がすくんだ。
確認した訳でもないのに(実際そうだったんだけど)一番年も取っているようだし、やっぱり私みたいなのは無理なんじゃないか。
 
あの感情はさすがに今はない。でも、あの感情あってこその今だ。
周りのこの雰囲気に負けちゃいけない!
それがいつの間にか
自分自身に負ける訳にはいかない!
そう思うようになっていた。
年を取った私では無理ではないか……というネガティブなものは
年を取っても出来ることだ! という思いにスライドした。
私は年齢を、やはり出来ないことへの言い訳にしようとしていただけだ。
 
すでにこの段階でも私の何かは変わり始めていた。
ただただ、書こう、書こう、書こう……!
そういう思いだけに突き進むことになった。
 
文章は上手くなったのか?
そう聞かれると、お恥ずかしい限りだ。
ただ、キーボードで最初のお題なるものを一応書いておけば、後は書いているうちに頭に浮かぶことをひたすら書くだけだ。
お題なんて、書いているうちに後からいくらでも変わる。
その文字の羅列が、自分のためではなく、相手へのサービスでなくてはいけないと教えてもらった。
まだクリアしているとはとても言いがたい。しかし、必ず誰かが浮かぶようにはなって来た。
あとは、その人達に向かってまっしぐらだ。
 
勢いだけで書いてしまうようになったが、この是非は別としても、書くことが楽しくなって来た自分と、時々自分ではない自分と出会う驚きとワクワク感は筆舌しがたい。
とうてい自分が書きそうにない文章が頭の中にやってくると、その瞬間こそ喜びになった。
こんにちは、新しい私。
 
あの時のような恐れおののいていた自分と、書く時の孤独感は、今はもうない。
ただ相手がいて、その人に向けて書くことへの恐れについては消えない。
しかし、この恐れは初心を忘れないためにも、書き続ける間は忘れてはいけないだろう。
 
もともと、このゼミの門戸を叩いたきっかけになったのは陳情書作成であった。
障害者の今の現状を打破したいがため、わが子の、大きいことを言わせてもらえれば障害者福祉の明日のため、私は文章を書きたいと思ったのだ。
障害者の実態を、少しでも人々に伝えるために書きたいと思ったのだ。
何ともおこがましいが、正直そこまで追いつめられている現実もあることに、じっとしていることはできなかった。
 
そんな中、聴覚障害の友人の身に起こった事件が、彼を変えるとともに、文章を書く時の私の考えも変えることになった。
乗るはずのバスが、急に発車場所を変更したことによって乗車できなかったという事件だったが、係員はアナウンスをしたの一点張りだった。
友人はすぐに会社に乗り込んで実情を訴えた。
自分のためでもあったが、聴覚障害者の人々を思いながら。
バス会社は心を動かした。
あの時の彼の行動と同じように、私は私の出来ることを考えた。
そして、何度書いても行政の心を動かせなかった自分の陳情の文章を、彼が相手の心を動かしたように何とかできるのではないかと思うようになった。
 
今までの実情を語った文章は、身内には実に共感してもらえる文章だった。
しかし、私はようやくこのゼミで大きな間違いに気付いたのだ。
最初、友人は聴覚障害者のために動いたと思っていた。
確かにそうだ。実際、バスのターミナルや車内の電光掲示板がすっかり変わってしまった。
それは聴覚障害者のみではなく、高齢者や弱視などの障害者にも貢献している。
けれど彼が相手にしたのはバス会社であり、バス会社に「ここで変わったら、この会社の評価は上がる。必ず乗客は増える!」
と持ちかけたのだ。
 
そう、そこだったのだ!
私が書くべきは、障害者のためであるとともに、行政に対してのサービスも提示しなければならないのだ。
「是非、この自治体で全国の先駆けとして、日本中の話題に上るほどの手本となって欲しい」
今はこの一文も書き加えている。
これからも行政にサービスとなる文章を、あの手この手で考えよう。
提示する内容はギャップが必要だ。さて、どうしたものか。
的確に相手を落とせる文章が頭の中にやって来るように、まだまだ修行は続くのだ。
 
このゼミも残すところあとわずかだが、私の文章に対する考えがここまで変わるとは思わなかった。
本当にすごいゼミだった。私は前向きになった。
 
そして、あの表題は嘘ではなかった。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」
 
人生は、確かに変わったのだ。

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2018-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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