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20年間運動と無縁だったおじさんがフルマラソンに出場してわかったこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:おしごと社長(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ある日、取引先の担当者であるAさんとの商談が終わり、雑談をしていると、何気なく趣味の話になった。ややぽっちゃり体型のAさんであったが、マラソンが趣味とのことで、体格と似合わなそうな趣味に失礼ながら少し驚いてしまった。
 
さらにAさんの話を聞いていると、マラソンをはじめたのは一年前であるが、はじめてから人生が変わったと、マラソンのメリットをことさらに強調されていた。Aさんの話にすっかり気分が乗ってしまった私は、もう20年近く運動らしきものをしてこなかったにもかかわらず、「私は40歳をすぎていますが、いつかフルマラソンを走るのが夢なんですよ」と口をすべらせてしまった。
 
「あっ、ちょっと話を盛りすぎたかな」と思ったけれども、時はすでに遅かった……。Aさんは私の発言を聞き逃すことなく、「それなら、やるのは今でしょ!」と、まるで林修先生のようにこちらがのけぞるぐらい前のめりで私に迫ってきた。
 
「走ってよかったと絶対に思いますから」と嬉しそうな笑顔で話すAさんと固い握手をしながら、4ヶ月後に行われるフルマラソン(42.195km)の大会に一緒に走ることを約束してしまった。
 
商談が終わった後、その場のノリで発言してしまったことを後悔していた。だが、Aさんは取引先の担当者でこれからも顔を合わせるため、なかったことにするわけにもいかず、フルマラソンを走るしかないと覚悟を決めた。
 
お付き合いではじめたマラソンではあるが、きちんと完走しようと思って、Aさんから練習方法を教えてもらい、ウェアやシューズなどの備品も一通り揃えて、走る練習をはじめた。毎日の通勤で多少は歩いているので、20kmぐらいは走れるだろうと思っていたけれども、とんだ見込み違いであった。
 
はじめて走ったときは、800mほどで息が上がり、脚も痛くなってしまい、もう走ることはできなかった。「42kmも走るのは無理だろ」と思ってしまったが、Aさんと一緒に走る約束がいいプレッシャーになり、めげずにこの日以降も何とか走る練習は続けた。
 
4ヶ月間という本格的にマラソンをしている人からすれば短い練習期間ではあったが、週末の土日はどちらか一日を使って走ったし、平日も早めに帰宅できた日は家の周りを走っていた。すると、だんだんと走れる距離が延び、スピードを上げても息が切れないで走られるようになってきた。
 
いよいよマラソン大会の当日を迎えた。折り返しの20km付近までは順調で、「このままだと楽勝にゴールだな」と余裕を感じながら走っていた。しかし、少しずつ走るペースが遅くなり、30kmを過ぎたあたりから脚が痛くなって、ゼンマイ仕掛けのロボットのように少しずつしか脚が出なくなってしまった。
 
それでも何とか6時間近くかけて完走することができた。20年近くまったく運動をしてこなかったおじさんが初のフルマラソン出場で完走することができたのである。Aさんと一緒に完走できたことを喜んだのを今でも覚えている。
 
Aさんから教わったことではあるが、マラソンは練習を裏切らないスポーツといわれている。正しい練習を積み重ねれば、完走できる可能性がぐっと高くなり、練習した分タイムも伸びるという。練習すればそれだけ長い距離を走れるというのは、今回身をもって実感したことであった。
 
逆に練習不足では完走するのは無理な話になってくる。大会前に走り込んでいないと、脚の筋肉ができあがらず、4,5時間近く走り続けるという負荷に耐えることができないからである。何回かマラソン大会に出場しているが、練習不足の場合、後半の20kmを過ぎたあたりから脚がいうことをきかなくなるのを何度も経験している。
 
今ではマラソンが趣味といえるようになったが、「走って本当によかった」と思っている。まさにAさんが言っていたとおりである。40歳を過ぎてから趣味がひとつ増えたことはもちろん嬉しいが、「努力は裏切らない」ことを体感できたことである。
 
同じスポーツでも、団体戦ならチームの調子がよければ勝てるし、1対1の競技なら相手や運次第では勝てるときもある。マラソンでは普段からちゃんと練習していたら走れる。練習を怠っていれば走れない。しかも、距離が延びるほど、如実にこのことが問われる。これだけ純粋に日々の努力が評価される世界は珍しいと思う。
 
確かに努力することの大切さは頭では知っていた。だが、歳をとってくると効率を求めるようになり、地道な努力は避けて、目先の楽な手段で目標を実現しがちになっていた。例えば、社会的評価を高めたいとき、努力して才能を伸ばすよりも、上司に追従して立場をよくしようとするなどである。でも、それはつまらない生き方ではないだろうか?
 
取引先の担当者との雑談をきっかけにマラソンにチャレンジすることになったが、練習の大切さを体で知ることができ、人生にとってかけがえのない経験となった。努力の大切さを聞くだけでは、わからない人にはわからないものである。だが、マラソンに出れば一発で理解ができることは、運動に無縁だったがマラソンを完走した私が保証する。今年は一本マラソンにチャレンジするのはいかがだろうか? 今年の秋冬に開催されるマラソン大会の申込み受付がそろそろはじまろうとしている。

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2018-05-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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