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メディアグランプリ

婚活とエンディングノート


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鈴木佳文(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
妻と出会ったのは、結婚紹介所の紹介だった。
婚活を始めてから1年半、出会った数は56人。
振り返ってみると自分でもよく続けたなぁと思う。
それでも続けたからこそ、ちょっとした法則性やコツのようなものを掴めたと感じている。
何人かに頼まれてコツのようなものをお伝えしたら、全員が半年くらいで結婚が決まったので、まぁまぁいい感じなのかも知れない。
婚活に興味のある方に、ここでその一部をお伝えしていきたい。
 
結婚紹介所のイベントやセミナーで知り合った男達は結構疲れていた。
男の僕から見て、さぞやモテるだろうと思うようなイケメンや年収3000万円という人でも、もう1年以上婚活を続けているのだという。
「スペックは凄いけれど、コミュニケーションに難があるよね」
心の中で、何故か妙に上から目線で彼らのことを評価した僕の活動は……
 
当然のことながら、うまくいかなかった。
 
「とても良い方だとは思うのですが、お断りしますとのことです」
ああ、またか……
もう半年が過ぎるのに3回以上のデートに進めない。
既に出会った人数は10名。
月に1人~2人と会っている状態が続く。
断られるたびに自分の中の何かが削られていくのが分かる。
 
「まぁ、高スペック達が苦しんでいるんだから、自分はもっと掛かるさ」
ありがとう、高スペックの婚活難民達。
皆さんのお陰で僕は前に進んでいくことができる。
開き直った僕は、一度ゼロベースに戻って考えることにした。
そこで思いついたのが、婚活計画書を作ること。
 
話をすると「なにそれ?」と、驚かれることが多いが、
婚活が上手くいくための第一歩目は、自分の望みを書き出して可視化することだ。
これは、エンディングノートを作る作業によく似ている。
 
エンディングノートは、死んだ後にどうするかを記すものだと理解している人が多いのだが、専門家の話を聞くと良く生きるために作るものらしい。
セミナーに参加して、実際に作成にチャレンジしてみたが、自分が作った婚活計画書のプロセスと共通しているところが大きかった。
 
もちろん、計画書を作ったからと言って、うまくいくわけではない。
紹介所だけでなく、友人や両親の紹介、街コン、合コン、様々な出会いを求めて活動し、フラれ続けた。
精神的に実に辛い。
自分という人間が認められない辛さ、否定される辛さ、報われない辛さ、
まとめてどっと押し寄せてくる。
ただ、計画書を作ったことで、この辛さがゲームに変わった。
理想の異性と出会うために、仮設と検証を繰り返していくゲームだ。
 
紹介所ではお断りのメッセージも紹介所が間に入って伝えてくれる。
そうすると、受け止める側が辛くないようにオブラートに包んで伝わってくるので、仮設の検証に繋がらない。
絶対にクレームをしないという約束で、そのままのメッセージを流して貰うことにした。
 
「おしゃれに鈍感で、私服があまりにもダサかった」
パーソナルコーディネートを頼んで、似合う服装を研究した
「上司とランチミーティングをしているみたいだった」
事前に届くプロフィールから、提供する話題を複数用意するようにした
「デートをリードしてくれないので頼りなかった」
下調べを念入りにするようした。
 
お断りメッセージは、自分が成長するための助言がいっぱい詰まっている。
お断りされ続けても、少しずつ相手の反応が良くなっていくのを実感できる。
婚活が上手くいくための第二歩目は、仮設と検証を繰り返して自分を成長させることだ。決して相手に非を求めてはいけない。
 
もう40人を超える出会いがあったのに、やはり先に進まない。
成長の実感もあるのに、選んでもらえないのはやはり辛い。
改めて、お会いした人との記録を見直してみると、良いなと思っている点が全員違うことに気づいた。
友人からの助言もあり、相手に求める条件を改めて明確にすることにした。
125個の条件を書き出し、最後には3個にまで絞った。
相手に求める、絶対に譲れない自分の価値観が表れている。
 
条件を絞り込んだことで、出会った後に先に進む相手の質が変わってきた。
3つの条件のどこかが一致する相手なので、お互いに良い感じだったと思う。
結婚紹介所のシステムでは、はっきりと決まるまでは並行してお付き合いすることも奨励されていた。
妻との結婚を決意するまで、どうしても交際を止められなかった人がいた。
最後のデートをして、交際の中止を伝えた時の表情が忘れられない。
婚活は、断られるより断る方が辛い。
初めて実感した。
断られながら自分を成長させようと努力していた時が実は楽しい時だったのだ。
相手に求める条件を3つに絞り込んでいたからこそ、この苦しい、断る瞬間に踏み切れたのだと思う。
 
婚活が上手くいくための第三歩目は、終わり方を明確にすることだ。
自身の価値観を明確にし、相手に求める条件を絞り込むためには、「どのように死にたいか」を考えることを避けられない。
これは、良く生きることを目的にエンディングノートを作成することと同じ。
恐らく、ここが最も大切な事。
終わりに向けて死を考えるのではない。
これからのスタートに向けて死を考えることが必要なのだと思う。
 
結婚がゴールではない。その先の長い結婚生活が待っている。
お互いの価値観がすり合わせられているとすれば、その後の波を乗り越えていくのも二人が一緒だ。
 
妻と一緒になる前に婚活計画書を作成した。
こんどは、妻と良く生きるためにエンディングノートを作成してみよう。

***

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2018-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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