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違和感だらけの新人アピール


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:島田弘(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「新人の石塚と申します。わからないことばかりですが、よろしくお願いします」
 
あなたもこういう挨拶を受けたことがあるのではないだろうか。
ちょうど4月、5月くらいにこういう挨拶をよくされる。
 
私は昔からこの挨拶に違和感を感じている。好きではない。
 
「新人です」と自己紹介すると、何かミスをしても許される、逃げられる、言い訳になる
みたいなのが私は嫌なのだ。
 
 
「新人です」と言うことで、まるで免罪符を手に入れているみたいに。
 
こんなことはおかしいと思う。
 
似たものに「研修中」とか「アルバイト」とか書かれた、
名札や腕章をつけるというのもある。
 
研修中だから、バイトだからなんだというのだろう?
 
何かミスをしてしまった時に、
「一人前ではないので許してください」
と先に謝られているように感じるのだ。
 
これらは提供する側の理屈であり、
受け取る側にとっては何も関係のないこと。
 
受け取る側にとって大事なのは、新人だろうがベテランだろうが、アルバイトだろうが
一定水準以上のものを提供してもらうことのはずだ。
 
 
私にはこんな経験があるのだ。
 
中学生の時に、「ラッキー」という床屋さんに通っていたことがある。あるとき、老け顔の私とあまり年齢が違わないくらいに見えるスタッフが「顔を剃らせていただきます」と椅子を倒した。
 
「終わりました」と椅子を起こされ、鏡に映っている剃り終わったばかりの私の顔はなんか変だ。
なんと、眉毛がほとんどなくなっていたのだ。
そんな注文を私はしていない。
これを「新人だから許してやって欲しい」と言われて許せるはずがない。
 
ちなみにこの一件で、当時生徒会長をしていた私に話しかけてくれる人はほとんどいなくなった。
さらに、卒業アルバムの私の顔に眉毛はない。
卒業アルバムを開きたいとすら思わない。
 
もちろん誰にでも失敗はある。この新人と思われる床屋さんのスタッフのように。
新人の頃は失敗の数も多くなるのが普通かもしれない。私もそうだった。
でも、その失敗を「新人だから」という理由で許してもらえるような風潮はよくないと思うのだ。
 
私は高校生の頃からいくつもアルバイトを経験し、社会人になってからはラーメン屋で修行もしたことがある。
アルバイトの時も、修行中の身でも、それを免罪符のように使ったことは1度たりともない。
ちょっと大げさかもしれないが、いつでも「プロ意識」を持っていた。
お客様からお金をいただくということはプロの証だから。
 
私はプロ意識というものをとても重要視している。
 
なので、私の仕事と同じ業界に
「新人は相場の半額で仕事を受けなさい」と指導している人がいることに驚いている。
 
なぜ新人だと自ら名乗る必要があるのか、心の底から疑問を感じている。もちろん、お客様から聞かれた場合には新人だと答えなければならないのは当然のこと。嘘は絶対にダメだ。しかし、聞かれてもいないのに、新人だと名乗ることについては理解できない。どんな意図があるのか全くわからない。
 
私が理解できない理由は、新人だという情報を伝えることによって、
お客様を不安にさせてしまうかもしれないのに、なぜわざわざ伝えるのかという点である。
 
つまり、どうして自分の価値を下げてしまう上に、お客様を不安な気持ちにさせてしまうかもしれないという状況を作り出すのかがわからないのだ。
 
 
誰にでも、どんな仕事でも、新人の時代があり、
リアルな人間を相手に、職種によっては体に触れたりしながらサービスを提供するわけだ。
ある意味、1人目、2人目、場合によっては3ヶ月とか半年くらいの間は
お客様に実験台となってもらっているわけだ。
 
とは言え、新人だからミスを認める、新人だから安くするという考えが好きになれない。
 
新人でも、高いプロ意識を持ち、求められている水準以上の仕事をして、
しっかりと対価をいただくことは当たり前だと思うのだ。
 
出さなくて良い情報は出すべきでないと私は考える。
「新人です」のように。
 
できる人ほど、自ら新人アピールなんてしない。
これはプロとしての自覚を持ち、プロとして仕事をしていく上で大事なことだと私は思う。

 
 
***

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2018-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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