メディアグランプリ

間取りを考える、それはお弁当を作ること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:久保有美(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「家賃を払うのと、ローンを返すの、どっちがお得だと思う?」
「そりゃ住宅ローンの返済でしょ、家賃払っても自分のものにはならないんだし」
賃貸VS分譲。そんなうたい文句の雑誌の特集が幾度となく繰り返されている。
 
誰もが一度は、自分の理想の暮らしを妄想したことがあるはず。
暮らしに欠かせない住宅。部屋をどうするか問題は切っても切り離せない。
持ち家にするかどうかは置いておいても、家具のレイアウトに悩んだり、部屋のテイストやインテリアに悩んだり。いろいろやりたいことがあると考えた時、賃貸ではできることは極めて少ないことに気づく瞬間がある。
そうなると、分譲マンションの購入を考える、家賃とそんなに変わらない気もする。
「じゃぁマンション買っちゃう?」
結婚3年目、共働きで子どもはこれから。生活に余裕が少しあって、貯金額もお互い溜まってきた、もうちょっと広い部屋探してみる? そんな流れ。
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同棲2年、結婚3年、私も幸せな日々を過ごしてきた。幸せだと思っていた。
理想の暮らしを思い描き、引っ越しするまでは……。
 
 
家賃と比べてマンションの購入がいいのではないかと義理の親に勧められ、援助までしてもらえることになった。義理の親からの援助ということもあり、旦那さんの意見がふんだんに取り入れられた家づくりがスタートした。
 
「理想の部屋なんて、ないよなー」
「どんな部屋が理想なわけ?」
「ほら、朝ごはんは一緒に食べたいし、子どもができたら朝はゆっくり過ごしたいじゃん?」
「うん、やっぱり対面キッチンがいいよね、それに明るいリビングがいいし南向き!」
「そう! それに書斎ほしいんだよ、書斎。憧れるわぁ」
 
理想とする条件をあげれば、きりがない。
果てしない旅が始まってしまう。それに、理想ばかりを詰め込んでも、金額的に理想ではなくなってしまう。住宅ローンの返済で毎日の生活がつらい、なんて悲しすぎる。
 
お部屋探しといえば、ほとんどの人はインターネットで検索。
一般的には既にあるお部屋や間取りの中から探すはず。私たちもまずは大手ポータルサイトを徘徊。広さ・金額・間取り・こだわりの条件を入力して……検索該当0。
だから理想の部屋が見つからない。だったら、自分で理想の部屋を、間取りを作ってしまえばいいのではないかと。
 
実は、分譲マンションでも間取りを自由に設計できるマンションもあるし、賃貸でもカスタマイズやDIYで部屋を自由にできる仕組みが最近はあって、注目されているらしい。
戸建ての注文住宅はまさに、自分の思い描いた家ができる仕組み。でも自由設計できるのは、戸建てに限らずマンションでもできるらしい。
実際に自由設計できるマンションは、東京や大阪などで供給されているらしい。
ほとんど“らしい”、だけど、実際にあるんだからそうなんだろう。
 
自由設計できるって、なにができるの?
そんなの本当にできるの? 難しいんじゃないの?
 
そんあ想いを持ちながら、中古マンションを購入してリノベーションするという方法も考えながら、まずは部屋の感じを考えてみた。
 
まずは大きさ。部屋の面積を決める。そう、お弁当箱の大きさから選ぶように。
大きめの四角い箱なのか、コンパクトだけど2段の箱なのか、平べったい楕円の箱なのか。
 
大きさと形を考えたら、つぎは中身。
ご飯の量はどれくらいにする? おかずは何種類入れようか? 洋風にする? 和風にする? 卵焼きは必須だよね。
そうそれは、リビングはどれくらいの広さがいいかな、と間取りを考えることと一緒なのです、実は。対面キッチンはこのあたりに、お風呂はこっちの窓が作れる壁際にして、書斎も欲しいって言ってたしこの辺に入れてあげる?
ほら、お弁当のどこに何を詰めるのかを考えるのと似ているでしょ。
 
あのお弁当を開けた瞬間、どんな顔になるかな、喜んでくれるかな、と考えながら作ってくれるお母さんのお弁当、愛妻弁当、最高においしいですよね。
具体的に暮らしをイメージつくした間取りが幸せへの一歩かもしれない。
 
そう、考えているうちは楽しかった、でもそのあと私は苦しかった。具体的にイメージできていなかったのだ。
家づくりにお金を出すのは旦那さんとその親。住宅ローンを返済するために生活費を入れることは決まっていたが、明確に返済の何%を負担ということにはしていなかった。もちろん区分所有の持ち分もなかった。
不満があったわけじゃない、自分で納得したつもりだった。でも納得できていなかった。
せっかくの新居が出来上がるころには、私の心の居場所も新居の居場所もなく、孤独だった。周りから見れば、新居を構え素敵なインテリアに囲まれた幸せな家族に見えたかもしれない。でも実際は、家族一人だけのこだわりが詰まった、私にとっては居心地のよい空間ではなかった。だから家を飛び出した。この環境から逃げたくて。
 
これから家づくりをする人に伝えたい。
理想の暮らしを考えることはとても幸せかもしれないが、どうか自分の理想と相手の理想やこだわりに妥協しないでほしい。どこかで妥協してしまうとあとあとしこりができてしまう。空間のこだわりなのか、金額的なことなのか、それは人それぞれの考えとこだわりがあると思う。ちょっとでも諦めや妥協はしないでほしい。とことん喧嘩してでも相手に自分の意見をぶつけてほしい、飲み込んじゃだめだ。でも、相手に押し付けてもだめだ。相手を我慢させてしまう。
 
二人でおいしいお弁当を一緒に食べてほしい。
きっとふたりで一緒に作るものは、お互いを知るいい機会で、一緒に作ることが一番おいしくなる調味料だから。

 
 
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2018-06-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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