メディアグランプリ

あそこの毛、全部抜く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ほしの(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
まず最初に、この記事を開いてくださった男性陣にひとつだけお断りしておきたいことがある。もしあなたが女性に対して美しい幻想を抱いているなら、今すぐこの文章を読むことをやめて、終了ボタンを押していただきたい。
 水面を優雅に泳ぐ白鳥が、水の中で足をばたつかせているのと同じく、女子にも水面下にはお見せしたくない姿がある。その最たるものがムダ毛処理で、今回はそのことについて書きたいと思っているからだ。
 
「人生に無駄なものなんてない」と言われるが、人体にはムダな毛がある。
遠い昔の人類には、現代人以上の体毛があったがムダではなかった。
フサフサの体毛は、裸で草むらを走り周っても皮膚が傷つくことを防ぎ、太陽からの紫外線もカットしてくれた。他の野生動物同様、保湿や保温という効果もあったようだ。
当たり前のことだが、今は裸で草むらを走る必要はない。むしろ裸で走らないほうがいい。服を着るということが発明されて以降、人類にとって体毛は必要ないどころか、ムダなものになりさがってしまった。
 
この時期、電車に乗ると目立つのは「夏までに間に合う!」と書かれた脱毛サロンの広告だ。自然のままが一番という声も一部にはあるけれど、日本女性の多くがいわゆるムダ毛の処理をしている。特に、ワキの下の毛の処理はほとんどの女性が行っているのではないかと思う。
 
わたしも十代の頃は、カミソリで剃ったり、脱毛ワックスや、脱毛クリームで処理していた。これは結構めんどくさい。肌が弱いのでカミソリ負けを起こしてしまったりする。かといって一本一本抜くのは時間がかかるし、一気にワックスで抜くのも痛みを伴う。当時(30年くらい前)も、脱毛サロンはあったが、高額でなおかつ施術は痛みが強く、女子中高生のムダ毛処理の選択肢には入らなかった。あの頃の私たちがムダ毛処理に費やした時間とお金と労力は、どれくらいになるだろう。青春の一部はムダ毛処理に消えていった。
 
それから数年後。彗星の如く現れたのが、光レーザー脱毛だ。その名の通り、レーザーを毛が生えてくる部分に当て、毛根にダメージを与えるというものだ。今までのサロンでの脱毛法に比べ、費用も手頃で痛みも少なく、それでいて効果はほぼ永久とうたわれていた。
とはいえ、痛くないと言えども輪ゴムではじく程度の痛さはあるとか、安いと言えども格安ハワイツアーくらいの値段だったりで、当時の私はまだ積極的にやろうとは思えずにいた。
 
そこからさらに数年後。20代も半ばを過ぎた頃、子どもを連れてママ友とプールに出かけたある日。ママ友のワキの下が何気なく目に入ってしまったのだが、それはそれはきれいに処理されていた。
「いいなぁ。わたし肌が弱いから、ワキの下カミソリ負けしちゃうんだよねぇ」
恥ずかしながら悩みを相談したところ、
「え? レーザー脱毛してないの? やりなよ! すっごく楽だよ!」
と言って、通っていたという脱毛サロンの名前を教えてくれた。
 
ハワイに行けるくらいの費用がかかると思っていたが、聞けばグアムレベルまで値下がりしていた。何より仲のいいママ友が言うのなら間違いはないだろう。さっそくワキの下脱毛コースを申し込んだ。
 
まずはカウンセリング。回数にすると十数回、月に一度のペースの施術が必要になるとのことだった。正直、あまり体毛が濃いタイプではなかったので一年近くサロンに通うなんて思っておらず、面倒だなぁと感じた。説明によれば、毛の生える周期にあわせて施術をうけることが必須であり、それが月に一度ぐらいのペースになるらしい。ふむふむ。
 
説明に同意した後、いよいよレーザー脱毛開始。簡単な着替えを済ませた後、ワキの下にジェルを塗られる。冷たくって、くすぐったくて、他人にワキの下を見せるのはなんだかちょっと恥ずかしい。サロンのお姉さんはそんなこと気にする様子もなく、手慣れた手つきでコンビニのバーコードリーダーのような器具を肌に当て「いきますよー」と同時にピピっとレーザーを照射した。
「いてっ」
たしかに、すごく痛いわけではないけれど、ちょっぴり刺激はある。輪ゴムではじかれるような感じとは言い得て妙だなぁ。
 
時間としてはあっという間。その場では特に毛が抜けたという手応えはない。数日後、すこし毛が生えてきたかと思うと同時に、ポロポロっと抜け落ちるような感じ。この時は痛くもかゆくもない。
2回、3回と続けて通ったが、毎回気が重かった。めんどうだし、気持ちいいものではないし。とはいえ、やるからにはちゃんと通わなければ最大限の効果は出ないと言う。効果を引き出したくて、なんとかペースを守って通い続けた。
すると、回数を重ねていくうち毛の量は少なくなり、最後はツルツルになった。
「あぁぁ〜、スッキリ!!」
 
「やって後悔するのと、やらずに後悔するの、どっちがいい?」という問いがある。わたしは「やって後悔するほうがいい!」と答える派なのだが、このワキ毛脱毛体験はそれを支える根拠のひとつになっていた。
脱毛が完了した爽快感と一緒に感じたのは、「もっと早くレーザー脱毛すればよかった」という後悔だった。もちろん結果的に脱毛したので、永遠の後悔にはならなかったけれど、「やらなかった時間」は巻き戻して取り返すことはできない。
 
わたしがライティング・ゼミに通うことを決めたのも「やらない後悔」をしたくなかったからだ。月に2回の講義、毎週2,000字の宿題提出、それが4ヶ月続くというゼミ内容。なかなかハードな日々になるだろうと覚悟はしていたが、実際に始まると思った以上に大変だ。
そしてその分、文章がメキメキと上達しているかと言わえば、脱毛と同じく大きな手応えはなく、月曜日の締め切り直前は毎回苦しんでいる。
 
いや、ちょっと待てよ。よくよく考えてみると、最初と二番目の添削で問題点として指摘された「文章に余談が多すぎる」という注意はされなくなった。
これは、わたしのライティングムダ毛が、ほんのすこし薄くなったことを意味しているのかもしれない。
ゼミ日程も折り返し地点を過ぎた。くじけそうになることもあるけれど、脱毛と同じくペースを守って続けることが、効果を最大限に引き出す唯一の方法なのだろう。あともう一踏ん張り。最終回には今よりツルっとしたいい文章が書けるはずだと信じて、今日もキーボードを叩いている。

 
 
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2018-06-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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