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プロフェッショナル・ゼミ

あそこの毛、全部抜く?《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ほしの(プロフェッショナル・ゼミ)
 
注《もしあなたが女性に美しい幻想を抱いている男性だとしたら、すぐにこのページを閉じてください》
 
実は以前、同様のお願いからはじまる「あそこの毛、全部抜く」というタイトルの記事をライティング・ゼミの課題として投稿した。その回でわたしは、女子のワキ毛脱毛について語った。
男性はあまりご存知ないかもしれないが、女子にとって脇毛の処理というのは避けることができないめんどうな作業だ。
日本の女子のほとんどがお金や時間や手間をかけ、
「わたしワキ毛なんて生えてきませんよ」みたいな顔をして生きている。
少し前に「ありの〜ままの〜」というようなテーマの映画があり、アニメでありながらオトナ女子の心をわし掴みにしたが、ワキ毛については依然「ありのまま」は許されず、例外として処理され続けている。
 
しかしながらここ20年くらいの間に、半永久的に脱毛効果が続くレーザー脱毛が広く普及した。これによりワキ毛処理の煩わしさから解放された女子も多い。
 
わたしもまたそのひとりで、せっかくなのでライティング・ゼミの課題で、その開放感を、レーザー脱毛未体験の女子に伝えたいと思ったのだ。
課題のちょうど2000字を超えたあたりで、物語としてワキの下の脱毛までが終わったため、《おわり》と記したのだが、実はそれには続きがある。
 
その内容は「ライティング・ゼミ」の上級コース「プロフェッショナル・ゼミ」にふさわしい、レーザー脱毛上級コースである。今回は下半身のデリケートゾーンの話だ。下ネタかよと思われそうだが、実はこれ、結構まじめな話なのだ。
 
わたしには思い切ってワキの下の毛を脱毛し、スッキリ爽やかな気持ちになったという成功体験があるのだが、じつはこれ、ちょっとクセになるという側面もある。ワキの下のみならず他の部分も脱毛もしたくなってしまうのだ。
 
「お客様、手とか、足とか、他の部分の脱毛はいかがですか? 引き続きなら割引キャンペーンが適用されますよ」
十数年前、脱毛サロンでワキの下の施術がすべて終わった日にエステティシャンのお姉さんに勧誘された。
初回契約時に同様のオススメはされたものの、お金もかかるし、他は剛毛で悩んでいるわけじゃないしときっぱり断っていた。
しかし、最後の日に、脱毛から解放された快感を味わってしまったわたしは、つい言ってしまった。
 
「ひざ下もお願いします……」
結果、数ヶ月延長し、ひざ下のすね部分の脱毛をした。とはいえ、それ以上の部分に関しては、カミソリを使って処理するほどの毛は生えていなかったのできっぱり断った。その当時は、あそこの毛の脱毛なんて、これっぽっちも考えていなかった。
 
月日は流れ、40歳を超えた。年を重ねると身体にいろいろな変化が出てくるものだ。体重は20年前と変わらなくても下っ腹が出てきたり、二の腕の下がたるんできたり。その中のひとつに、体毛の変化があった。
先日テレビに出ている四十代の女芸人さんが
「口のまわりにヒゲが生えてきた!」と叫んでいるのを見てハッとした。
なんかわかる気がする。
《歳をとると、女は体毛が濃くなる》という仮説。
ネットで調べてみたところ
「三十代の後半から四十代の女性は女性ホルモンが減り、その結果男性ホルモンが優位になり、腕や足の毛が濃くなる」との内容を見つけてしまった。
そしてそれは腕と足の毛のみならず、口のまわりや、あそこのあたりもたぶん例外ではない。
 
ぶっちゃけると、わたしのデリケートゾーンの毛は薄い方だと思う。温泉などに行ってもそう感じるのでたぶん間違いない。
高校時代、友達のノブコちゃんが、
「プールに行くなら下の毛処理しないと、水着からはみ出しちゃう」と言った。(そんなことある? どんだけ?)
と思った記憶があるのだが、それが今、ちょっとわかってしまったのだ。
それはお風呂で身体を洗っているときのこと。
「あれ? こんなところに毛が生えてたっけ?」
毛の量というより、毛が生えている範囲が広がっているように思えた。
今ならわたしも水着からはみ出すかもしれない……。
 
もう一つぶっちゃけついでにぶっちゃけると、そのタイミングでわたしは人生初の病気にかかった。
「膀胱炎ですね」
膀胱炎というのは、おしっこを我慢するとなる病気だとずっと思っていたので驚いた。診察してくれたお医者さん曰く、原因は膀胱に雑菌が入ることが原因で炎症が起きるため、疲れやストレスで免疫力が落ち発症するケースが多く、一度発症すると2度、3度と繰り返す人も多いという。年を取ることで免疫力も下がるので、高齢の方、寝たきりの方にも多い病気でもあるらしい。
その症状は、頻尿および、排尿の度に痛みを伴うという不快きわまりないもの。なんだか恥ずかしいだけの病気のようにも思えるが、ひどくなると腎臓まで炎症を起こしてしまう甘くみてはいけない怖い病気だ。
 
「もう膀胱炎になるものか!」
完治後、そう思ったにもかかわらず、その年の暮れ、2回目の膀胱炎を発症した。これにはまいった。これ以上の慢性化は避けたくて、必死に予防策を検索しまくった。クランベリージュースが効くだとか、冷えないように対策をすべきだとか、なるほどとは思うものの、決定的な解決策には思えない。
そんなわたしの目に飛び込んできたのが、デリケートゾーンのオール脱毛という対処法だった。欧米ではデリケートゾーンに毛があることを不潔と考える傾向があるのだとか。実際そこに毛が生えていることは医学的にも清潔な状態とはいえないらしい。つまり、尿道に雑菌が入ることで膀胱炎になるのなら、その近くで雑菌の温床となる毛をなくしまおうということだ。なんて合理的かつ確実な予防法なのだろう。
 
こうなってくると、ワキ毛なんてかわいいものだ。ワキ毛は見た目がよくないだけの単なる「ムダ毛」だが、あそこの毛については、見た目どころか、病気をもたらす「毒毛」だった。
「あそこの毛も、脱毛しよう」
当然そう考えた。
しかし調べてみると、あそこの毛の脱毛はワキの下とは比べものにならないほど痛いらしい。また、その費用もワキの下に比べ格段に高い設定である。それになんだか恥ずかしい。
即決するにはレベルが高すぎた。
 
そんなわたしの背中を友人の一言が押した。
「おばあちゃんになって、寝たきりになった時、アソコの毛がないほうが介護しやすいよね」
おぉぉぉ!
たしかにその通り! 一人息子に苦労はかけたくない!
高齢の、しかも寝たきりの患者さんで膀胱炎になる方が多いということにも、あそこの毛は関係しているのだろう。
 
「そんなに先のこと、今考えてどうすんの? そうなったらやればいいじゃん」とお思いの方もいるかもしれないが、レーザー脱毛はレーザーが黒色だけに反応する性質を利用して、黒い毛根を焼き切るという技術だ。それはつまり歳を取り、あそこの毛も白髪になってしまったらレーザーが反応しなくなるということを意味する。
やるならいつか。いまです。
 
とはいえ、まわりには「あそこの毛」脱毛をした友人はいない。みんなワキの下はやっていても、あそこの毛はやっていないので、ネットで「あそこの毛」の脱毛に特化した評判のいいサロンを探した。値段設定は少しお高い感じがしたものの、炎症を起こすケースもあると聞いていたので、そこは思い切ることにした。決心が鈍らないうちに、脱毛サロンを予約する。
ワキ毛のときもそうやって、勇気をもっていい結果をもたらしたじゃないか。
自分で自分を奮い立たせる。
 
「どんな風に脱毛なさいますか?」
脱毛サロンのきれいな巻き髪のお姉さんにそう言われて、戸惑った。
どんな風に?
お姉さんはおもむろにファイルを取り出して、ページを開いた。
「丸型」「楕円型」「スクエア型」「ハート型」「ナチュラル型」
そう書かれた文字の上に、下半身丸出しの女性のイラストが描かれている。この型はすべてあそこの毛のカット法なのである。もちろん全部をなくすというパターンもそこには描かれていた。
 
実はこの時点で、レーザー脱毛を受けるため、サロンの指示で自ら下の毛のすべてを剃刀で剃っていたので、下の毛はツルツルの状態だったのだが、その自らの状態を客観的にイラストで見てしまうと、随分とインパクトがあるように思えた。温泉好きの私がこれからの人生未来永劫、つるつるの局部で洗い場を歩くのは勇気がいることではないだろうか。欧米女性は不潔だと思うあそこの毛も、日本女性はふつうに生やしている。わたし日本人だし。
 
(どうしよう……)
ここまできて急に心が揺れた。あそこの毛の脱毛が痛いという口コミもふたたび脳裏をかすめる。なにもすべてをつるつるにしなくても、毛量を減らすだけでも雑菌は減るのではないだろうか。昔のように気にならない程度になれば十分なんじゃないか。
そう思ってしまったわたしは、気がつけば「ナチュラル型」を指差していた。
 
わたしの葛藤に気がついているのかいないのか、エステシャンの巻き髪のお姉さんはにっこり微笑んだ。
そのお姉さんの前で、下着もすべてぬいだ状態でベッドに横たわり下半身を露出する。恥ずかしいと思ったらもうおしまいな気がして、ここは病院で、診察なんだから仕方ないんだと自分に言い聞かせてみる。
(お姉さんは毎日見ているんだ。恥ずかしくない! 恥ずかしくない!)
 
あられもない部分に冷たいジェルを塗られ、レーザー照射がはじまる。
「ちょっとチクッとしますよ」
ばっちちちちーーーーーん。
ちょっとどころではない。ワキの下の脱毛の痛みなんて比じゃない痛みだった。早く終われ、早く終われと祈るように拳をにぎりしめる。冷や汗が出てくる。全身に力がはいりまくったまま、1回目の施術が終わった。最後にひんやり熱さましのシートのようなものを局部にはりつけられ、そっとパンツを履く。炎症を抑えるための処置だ。
冷たい。そして恥ずかしい。
 
そこから約6回のコース。毎回ものすごく気が重かった。3回目くらいからは毛量が減っていくのを感じたが、その後におよんでも迷っていた。今からでつるつるを目指すべきなのか、それともナチュラルでいくのか。残すところあと2回となったところで、やっぱり全体にレーザーを当ててもらいたいと考えるようになった。けれど時すでに遅し、最初から全体の脱毛を目指していなかったため、最終的にはあそこの毛は、ナチュラル型に落ち着いた。
それ以上は、金銭的にも時間的にも、痛みと羞恥心という点においても、続けるという選択はできなかった。
 
そもそも「病気にならない」「将来の介護もラク」という自分のものさしで予約したはずだった。そこに突然「温泉で恥ずかしいかも」という他人の目を気にするものさしが入り込んできてしまった。
結果的にはナチュラル型も悪くない気はしている。けれど自分の思考の癖として、土壇場になって、他人の目を気にしてしまうという傾向があるのかもしれないとは感じた。
わたしがもっと、我が道をいける人間だったら、初志貫徹できる人間だったら、今頃あそこの毛は全部抜かれていただろう。それがいいか悪いかは別として。
 
ムダ毛処理と並べて語るのは申し訳ないが、このことを振り返る時、わたしは今学んでいる「ライティング・ゼミ」と「プロフェッショナル・ゼミ」のことを思ってしまう。同じジャンルの上級コースには求めるものも、得られるものも、その大変さも、すべてが桁違いにでかくなる。
「ライティング・ゼミ」で何回かWeb天狼院に掲載されたという成功体験が、「プロフェッショナル・ゼミ」の受講へと向かわせた。けれど今、わたしは迷いまくっている。5,000字の壁は厚くて高い。
プロになりたいと一瞬でも思って申し込んだはずなのに、いつしか自分の提出した課題が、どう三浦氏に評価され、どういう人間だと思われるか、他のゼミ生にどう思われるかが気になっている瞬間がある。
 
「自分を良く見せようと思っている文章なんて、誰も読みたいと思わない」
講義でメモした言葉を、何度も自分に言い聞かせる。
 
文章を書くことは、自分をさらけ出すことであり、それは考えてみたらものすごく恥ずかしいことだ。エステシャンのお姉さんに下半身をさらけ出すより、温泉をツルツルの局部で歩くことより恥ずかしい行為かもしれない。
けれどそこでためらったら最後、中途半端な結果に終わってしまうに違いない。今回で4回目の課題提出。ここでもう一度、最初に申し込んだ自分の気持ちを思い出したいと思う。
文章のムダ毛ゼロを目指し、すっきりとしたライティング術を手に入れるのだ。
恥ずかしがったり迷ったりしている暇はない。
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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